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ミャンマー サイクロン被害第12報
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© UNICEF Myanmar/2008/Myo Thame |
ユニセフが実施するはしか予防接種キャンペーン。予防接種を受けるために、臨時の保健センターを訪れた親子。 |
今月6日に起きたサイクロン「ナルギス」により、最も被害を受けた地域のひとつ、イラワジデルタ地帯のラプッタ管区。サイクロンがもたらした「水の壁」でほぼ壊滅状態となった町並み。甚大な被害を受けたこの地域の人々は、感染症の脅威に晒され、家族や友人を失った悲しみに耐えながら、日常生活を取り戻すため奮闘しています。
先週末からミャンマーを訪れているジョン・ホームズ国連事務次長が、軍事政権と支援活動の改善について話し合いを行っている一方、ユニセフは、ラプッタ管区で、子どもたちを対象にしたはしかの予防接種キャンペーンを開始しました。今週ミャンマー入りする国連のパン・ギムン事務総長も、この地域を訪れる予定です。
食糧と医療品などの支援物資は、サイクロン被災者の元に届き始めています。しかし、被災地で求められている膨大な量には追いついていません。多くの人々は、屋根も寝具も何もない吹きさらしの場所で、寝起きを強いられています。トイレの設置も始まっていますが、その量も圧倒的に不足。浄化されていない洪水で汚染された水源も少なくありません。
現在までに公式に発表されている死亡者数は7万7,740人。この他、約5万6000人の消息が掴めていません。被災者は250万人にのぼると推定されています。ユニセフは、緊急支援を必要とする子どもは100万人に上ると推定し、適切な支援が行われないために、感染症などで命を落とす子どもの数が日増しに増えていると警告しています。
被災各地に設置された避難所は、多くの被災者で混雑し、衛生設備(トイレ)が不足しています。適切な衛生設備(トイレ)がない不衛生な環境と、食糧不足とが相まって、子どものたちの健康が、著しく脅かされています。ラプッタ管区の子どもたちの3割あまりが、下痢や赤痢の症状を訴えています。また、はしかをはじめとする感染症は、このような状況で、もっとも懸念される疾患なのです。
ユニセフの保健事業担当官のペーター・サラマは話します。「私が最も恐れていることは、特にこのような避難所でおきる大規模なはしかの蔓延です」。
© UNICEF Myanmar/2008/ Myo Thame |
ユニセフは、最大の被災地のひとつ、ラプッタ管区で、1000人の子どもたちに麻疹(はしか)の予防接種を実施しました |
ユニセフは、ラプッタ管区で、生後9ヶ月から5歳までの子どもたち約1000人に、はしかの予防接種を、また、お母さん方には、破傷風の予防接種を実施しました。
これは、ユニセフが現在、70の緊急支援チームを通じて最大の被災地のひとつ、イラワジデルタ地帯全域で行っている支援活動のほんの一例です。緊急支援チームは、浄水剤の配布やトイレの設置など、予防可能な病気の発生を止めるための活動や「子どもに優しい空間」の設置や、親や保護者からはぐれてしまった子どもたちの保護の活動も行っています。