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ミャンマー サイクロン被害第19報
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© UNICEF Myanmar/200 |
ヤンゴン市北部の第11州立小学校の新学期に胸を膨らませる1年生の子どもたち。先生ひとりの授業に、120人以上もの生徒が集まっていました。 |
ミャンマーの学校では新学期が始まり、子どもたちの姿が教室に戻りました。しかし、サイクロン「ナルギス」の被害からちょうど1ヶ月、まだ損壊したり倒壊したりしたままの学校は4,000校にものぼります。
ユニセフと教育省、そして地域コミュニティーは力を合わせて、学校に必要な支援物資を届けています。特に小学校に必要なものは、教材に勉強道具、そしてレクレーション・キットです。
制服を着た子どもたちは、中には両親に付き添われて、ヤンゴン市内でももっとも深刻な被害を受けた北部地区の第32中学校に向かいました。子どもたちは、ごく当たり前の「日常」に胸を躍らせて、朝6時には学校に到着。始業の1時間も前です。
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学校の再開は、サイクロン被災地の復興のために、重要な一歩です。 |
「勉強道具を届けてくれたユニセフに感謝します」
生徒や親の中には教室にベンチを運び入れたりして、学校再開の手伝いをしたひともいました。まだ出席登録中の子どももいますが、教室では子どもたちがお互い友達をみつけたり、ベンチで授業が始まるのを待っていたりします。
「ユニセフは、修復に使う屋根用のトタン板200枚、学校キット(スクール・イン・ア・ボックス)2セットにレクレーション・キットを提供してくれました。簡易トイレ建設のために追加で5枚の屋根用トタン板もいただきました。再開を支援してくれたユニセフには、とても感謝しています。」(学校長のドー・キン・チャンダー・アンさん)
「こうした資材のおかげで、新学期に屋根の修復が間に合いました。そして、生徒のうち95パーセントは出席できていることがわかり、とても喜ばしいことです。」と、校長は語りました。
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ヤンゴン市北部の第11州立小学校で、ライフ・スキルの本を読む子どもたち。 |
子どもたちの安全の問題
どのような災害においても、学校の再開が復興のための重要なステップであり指標です。子どもたちは特に、学校に通うというような当たり前の「日常」を取り戻すことで、大きな安心感を得られるのです。
「子どもたちが学校に戻れば、大きなストレスから開放されますし、子どもたちの生活の質が改善する重要な第一歩になるのです。」(ユニセフ・ミャンマー事務所ラメシュ・シュレスタ代表)
ヤンゴン市北部の第11州立小学校の4年生、キョー・ミョ・キンさんは、 「友達や先生と会えるし、また勉強することができるので、学校に戻ることができてとっても嬉しいです」と話しました。
まだ、ミャンマーの全ての子どもが学校に戻ることができたわけではありません。イラワジデルタ地帯の被災地が広大なため、ミャンマー教育省がこの地域の7地区とヤンゴンの1地区で予定していた学校再開に、1ヵ月の遅れが出ています。
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ユニセフが届けた学校キット(スクール・イン・ア・ボックス)の中に入った教材を確認する教師たち。 |
新たな課題に直面する親たち
ミャンマーで子どもをもつ親たちは、伝統的に教育を重視してきました。ミャンマーの小学校入学率は男子が80パーセント、女子が92パーセント。 ミャンマー サイクロン被害の復興支援のためには、社会経済的に異なる国民層や民族や政治信条に関わらず全ての国民に教育の機会が取り戻されるようにすることが、最優先事項なのです。
残念ながら、今回のサイクロン被害で、ミャンマーの多くの親たちは新たな課題に直面することになりました。この大変な困難の最中、貧しい家庭の子どもたちの中には、 学校に通えなくなる子どももいるでしょう。家族の手伝いをしなくてはならないからです。
娘2人を入学させに訪れたシングル・マザーのひとりは、こう話します。
「上の娘は、9年生まで通って弁護士になりたいのですが、今年は通学することができません。仕事を見つけて、家族の苦境を救うために働かなくてはいけないのです。」