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財団法人日本ユニセフ協会




ミャンマー サイクロン被害第18報
 子どもたちを学校へ!(2)
 

【2008年5月28日 ミャンマー・ヤンゴン発】

「子どもに優しい空間」設置のため、ユニセフは協力団体と連携を進めています。
© UNICEF Myanmar/2008
「子どもに優しい空間」設置のため、ユニセフは協力団体と連携を進めています。

ミャンマー政府の要請に応えて、来月から新学期を迎えるミャンマーのサイクロン被災地にある学校再開に向け、ミャンマー教育省と連携して活動することになります。一人でも多くの子どもたちが学校に戻れる(仮設学校での勉強を始められる)ように、ユニセフは、まだ支援機関の援助が届いていない被災地で壊れたままの学校の再建に注力していきます。

イラワジデルタ地帯の被災地拡大のため、ミャンマー教育省がこの地域の7地区とヤンゴンの1地区で予定していた学校再開に、1月の遅れが出ています。

新学期は来月2日からの予定ですが、ユニセフと教育省、そして地域コミュニティーは協力して、サイクロン被害で損壊したり倒壊したりした学校に再建資材を届けてきました。小学校の教材や勉強道具やレクレーション・キットも提供。

しかし現在も4,000以上の基礎教育機関が被害を受けたり倒壊したりして、約110万人の子どもたちが学校に戻ることができないでいます。

「サイクロン被害が地域全域に及んだコミュニティーでは、地元の学校の再開が復興のための重要なステップになります。子どもたちは特に、学校に通うというような当たり前の「日常」を取り戻すことで、大きな安心感を得られるのです。」(ユニセフ・ミャンマー事務所ラメシュ・シュレスタ代表)

ユニセフは現在、サイクロン被災地全域の子どもたちに、10万人分の勉強道具キット、15万人分の教科書を配布しています。また、被災した学校に2,000の学校キット(スクール・イン・ア・キット)と、修復のための屋根用のトタン板なども提供して、再建支援も行っています。また、テントや防水シートを使って、安全な臨時学習場所を学校やコミュニティーが必要とする場所に、少なくとも1,000箇所設置する支援も行います。

子どもたちの「心のケア」支援のためには、ユニセフが2006年に作成した、子どもの心の傷が回復するように支援する本を増刷して、被災地の全学年の子どもたちに配布します。

ユニセフが被災に設置した「子どもに優しい空間」の子どもたち
© UNICEF Myanmar/2008
ユニセフが被災に設置した「子どもに優しい空間」の子どもたち。エーヤワディデルタ地帯にあるこの地区で。

幼い子どもたちには、ユニセフの「学校へ戻ろう」プログラムを提供しています。NGOと協力して、ユニセフは早期幼児開発(ECD =early childhood development )センターを支援して、3歳以下の子どもたちに親との愛情あるふれあいや母乳による育児、育児教育プログラムなどの実践を勧めます。センターは、3〜5歳までの子どもたちに、学習と成長の機会を提供しています。

学校に戻ることが困難な子どもたちのために、課外活動を実施することもユニセフの重要な支援です。間もなく、被災して学校に戻れない子どもたち3,000人に学習キットが提供されます。

ミャンマーの小学校入学率は男女とも82パーセントと、伝統的に教育は重視されています。
ミャンマー サイクロン被害の復興支援のためには、社会経済的に異なる国民層や民族や政治信条に関わらず全ての国民に教育の機会が取り戻されるようにすることが、最優先事項なのです。