財団法人日本ユニセフ協会




コートジボワール:ユニセフ、混乱後の保健センターの再開を支援

【2011年4月21日 コートジボワール/アビジャン発】

© Cote d’Ivoire /2011/Aye-Ake
ユニセフは、コートジボワールのアビジャンにある病院に医薬品や手術用具などを送り込んでいる。

コートジボワールの経済的中心地アビジャンにある保健センターは、政治的混乱の中で何週間も閉鎖されていましたが、混乱がおさまってきたため、再開され始めています。

ユニセフは、各保健センターがいち早く、その機能を取り戻し、患者を治療できるよう、医薬品、備品、そのほかの資材が入った基礎キットを送り込んでいます。保健センターの多くは、混乱の中で、スタッフ、薬品、備品の不足で、閉鎖せざるを得ない状態にあったのです。

医薬品や手術用具が不足
© UNICEF Cote d’Ivoire /2011/Aye-Ake
マドゥッソウーさん(25歳)は、10カ月になる息子にはしかの予防接種をするため、車で45分かけて病院までやってきた。多くの保健センターでは、医薬品や手術用具等が不足している。

アビジャン市内のマルコリー地区の病院は、人口約25万人の地域にあります。ところが、混乱の中で、ほかの地区の病院がまだ再開できないでいるため、ほかの地区の患者も受け入れています。この病院も、今年に入ってからは、フル稼働できず、過去20日間は、完全に閉鎖状態でした。

課題は山積しています。ごく一般的な外科手術を行うための手術用具や薬品さえ充分に揃っておらず、スタッフが揃っていないことも大きな問題です。今もって、安全な水も利用できません。

「月曜日にオープンしたのですが、きれいな水を手に入れるのが大変です。水道の圧力が低すぎるのです」病院のジュリアン・カッシ所長は言います。「水圧を上げるためにポンプが必要です。マラリア、下痢性疾患、そのほかの感染症を治療するための医薬品も必要です」

アビジャンのそのほかの地区、例えば、アボボからも、マルコリーで治療を受けようと、たくさんの避難民が来ています。

必須ケアへのニーズ

病院の薬局はほとんど空。過去数週間、都市部での混乱があったために、医薬品へのニーズが急速に高まっているのにも関わらず、肝心の医薬品がないのです。HIV陽性の患者100人に配る抗レトロウィルス薬(ARV)さえも、薬局にはないのです。HIV陽性の患者のほとんどは、女性と子ども。定期的にこの薬を、無料で受け取ってきた人たちです。ARVを求めて、ほかの地区からも約20人の患者が、この病院を訪れています。

ワクチンも不足しています。25歳になるマドゥッソウーさんは、アビジャンのポール・ブエ地区から来たそうです。10カ月の息子に、はしかのワクチン接種をさせようと、マルコリーの病院まで、車で45分かけてきたそうです。

「息子に予防接種を受けさせようと思って、1週間頑張ってきたのですが、私が住んでいる地区の保健センターは、閉鎖されてしまって行けないんです。そこに2回、家に近いもうひとつの保健センターにも1回行ってみたのですが、やはり閉鎖されていてダメでした」とマドゥッソウーさん。

ユニセフは、保健センターが少しでも早く復旧し、患者を受け入れられるようにしようと、コートジボワールに60トン以上の支援物資を空輸しました。しかし、場所によっては治安の確保が難しかったり、銀行閉鎖が継続していたりするため、また、支援物資の配送が困難なために、即応できない状態にあります。