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財団法人日本ユニセフ協会



帰還しはじめた避難民

【2006年8月15日】

© UNICEF/ HQ06-1146/Kate Brooks
帰還している避難民は崩壊と不発弾の危険を目の当たりにしています。

8月14日午前8時(現地時間)にイスラエルとヒズボラの間で発効した停戦を受け、レバノンでは、国内外に避難していた何万人もの避難民が帰還を開始しています。レバノン南部へは20万人が戻り始めていると推定されています。

ユニセフは、シリアからレバノンに戻る避難民に、高カロリービスケットや飲料水、脱水症状を予防する経口補水塩と共に、不発弾の危険性を伝えるチラシを配布しています。空爆により、両国を結ぶ道路も被害を受け、依然孤立したままの街もありますが、1時間に300台もの車がレバノンとの国境地点を通過しています。2週間以内にレバノンに帰国する避難民は6万人に達すると見込まれています。

レバノンで人道支援活動にあたっている国連機関は、14日、停戦発効を受け、レバノン南部の港町ティールに向け、合同で医薬品や食糧等の支援物資輸送を実施しました。ユニセフは、飲料水、衛生用品の他、ティールにある3つの病院の発電機用燃料(ディーゼル)6,000リットルを輸送しました。8月15日には、ルメイシュへの支援物資輸送が予定されています。

© UNICEF Video
はしかの予防接種を受ける男の子

紛争により家を失った人々の半数は子どもたち。ユニセフは、紛争開始以来、これまでレバノン国内でポリオやはしかの緊急予防接種キャンペーンを展開してきましたが、この避難民帰還開始を受け、支援活動を大幅に拡充しています。


不発弾の危険性

空爆の難を逃れた避難民が、今直面する最大の脅威はその空爆が残していった不発弾です。ユニセフはシリアとレバノンで大規模な不発弾事故予防のための啓蒙キャンペーンを開始しました。数万枚のリーフレットが配布され、ラジオやテレビを通じて不発弾の危険性を伝えています。

「一般的には、戦争で落とされた爆弾のうち10%は地面に落ちても爆発しません。」ユニセフ緊急支援室局長のダン・トゥール氏は言います。「投下された爆弾の総数はわかりませんが、不発弾は莫大な数でしょう。いくつかの場所でクラスター爆弾も確認されています。子どもたちは知識がなく、興味を持ちさわりたがるため、大変危険です。」

激しい攻撃にさらされた町の一つ、レバノン南部の港町ティールはいま、爆撃で孤立した周辺地域への物資配布の拠点となっています。

ユニセフは、水や衛生施設の提供を担っており、数日中に子どもたちが学校に戻るための支援も実施します。