財団法人日本ユニセフ協会



不発弾の危険から守る

【2006年8月17日、ニューヨーク発】

© UNICEF/ HQ06-1145/Kate Brooks
崩壊した建物の2階にたたずむ少女。(ベイルート南部)帰還している人々は、破壊と不発弾の危険に直面しています。

水や燃料などのユニセフの支援物資が、レバノン南部の紛争で最も被害を受けた地域の一つへ到着しました。南部の町ビントジュベイルは、イスラエルとヒズボラの1カ月にわたる紛争で破壊されました。しかし、人々はすでに家に戻り始めています。生活を立て直そうとする中、人々は不発弾の危険にも直面しています。

支援物資輸送に同行して南部を訪れたユニセフの広報官サイモン・イングラムは言います。「国連地雷サービス対策部(UNMAS)によって、危険な場所のいくつかは封鎖されています。しかし、崩壊した建物のがれきにも危険が潜んでいます。」

「UNMASはクラスター爆弾やその残骸を南部のあちこちで確認しています。この通りの真ん中では500kgの爆弾を見つけています。それでも、この地域へ戻る人は増えつづけています。」

危険にさらされる子どもたち

© UNICEF/ Video
ユニセフが支援する不発弾の危険についての啓発キャンペーンの映像。

ユニセフは、シリアから帰還中の難民や、レバノン国内に避難していた人々へリーフレットを配布するなど、啓発キャンペーンを開始しました。テレビで情報番組を放映し、ラジオで特別番組を流しています。子どもたちは不発弾の危険性についてよく知らず、不発弾は子どもたちが遊ぶ場所でもよく見つかるため、大きな危険に晒されています。

「ビントジュベイルは一番被害を受けた地域です。破片やがれきがいたるところにあり、廃墟からクラスター爆弾が見つかる可能性もあります。」イングラム氏は言います。

推定8万5,000人の難民がシリアから現在帰還中で、既に20万人以上がレバノンへ戻っています。ビントジュベイルのような場所では、水が乏しく、電気がありません。ユニセフはこの地域の2つの病院へ燃料を提供し、ペットボトル入りの飲料水数千リットルを配布しました。

日常を取り戻すまでの道のりは長く

© UNICEF/ HQ06-1148/Brooks
荷物を積んだトラックの荷台から覗き込む男の子。レバノンでの停戦で故郷に戻る避難民の一人です。

停戦が続く中、レバノンの別の地域では、生活がゆっくりと日常に戻ってきているという報告もあります。ティールで活動しているユニセフ緊急支援担当官オサマ・マッカウィによると、家へ戻る人々の交通渋滞はおさまってきました。

「ティールとシドン(サイダ)は再び活気が出てきました。店は徐々に開き始め、数日前より交通量も減ってきました。」

以前よりも道路が通れるようになったため、ユニセフは戦闘で孤立していた地域の調査を行う予定です。調査チームはルメイシュに18日に到着します。レバノン全国への水の輸送も続けられています。