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財団法人日本ユニセフ協会




中国大地震 第1報
  ユニセフ、被災情報収集と、政府支援要請に備え準備を急ぐ
 

地図:中国

12日、中国四川省東部を震源に発生した大地震。ユニセフは、被災地の状況の確認を急ぐとともに、現地政府などからの支援要請があり次第、支援を開始できるよう準備を進めています。

ユニセフ・中国事務所は、今回の大地震の被害が、多くの子どもたちに及ぶことを深く懸念しています。現時点(日本時間12日深夜)で、地元メディアは、死者が7,650人に達したと報道しています。大地震は、今月12日午後2時30分頃(北京時間)、四川省の●(=さんずいに文)川県で発生。北に約1,500キロ離れた北京にあるユニセフ事務所のスタッフも、この揺れを感じました。

現在、ユニセフは、被害状況の情報収集に努めていますが、大地震により、携帯電話をはじめとする通信網も甚大な被害を被っているため、情報の確認が思うように進んでいません。四川省の●(=さんずいに文)川県から寄せられる断片的情報では、現地時間12日時点で600人の犠牲者が確認されています。中国中央テレビ局は、四川省の省都成都近くの都江堰にある中学校で、3階建ての校舎が倒壊し、50人の子どもが犠牲になり、さらに900人が瓦礫の中に閉じ込められていると伝えています。さらに、四川省のほかの郡では、犠牲者が3,000人から5,000人にのぼり、10,000人が負傷したという報告もあります。甘粛省や雲南省でも犠牲者がでているという報告も入っています。

ユニセフは、長年に渡り、四川省の地元政府などと緊密に連携して、同地域の子どもたちの福祉を向上させるため、様々な支援を提供してきました。四川省は、中国でも最も貧しい省のひとつとされています。人口は8,500〜9,000万人。省都成都には1,000万人以上の人々が住んでいます。ユニセフは、今後、被災状況が明らかになるにつれ、犠牲者や負傷者の数が増加することを懸念しています。

中国政府は、独自の救援・支援体制を比較的整えているため、自然災害が発生しても、通常、ユニセフを含む国連機関に支援を求めることはありません。今回も、現地政府からは、現地時間12日深夜までに、中国国家防災局が災害対策本部を設置し、数千人規模の救援隊を派遣。中国人民解放軍と協力して救援活動を展開していると伝えられました。ユニセフは、引き続き中国救援当局などと密接に連絡を取りながら、被災地の状況の確認を進めるとともに、支援要請があり次第活動を開始できるよう準備を進めています。

ミャンマー、中国・・・世界150の国と地域で常に「万が一」に備える

世界150以上の国や地域で活動するユニセフ。世界300箇所以上に設置されている常設の現地事務所は言うまでもなく、世界7地域でのユニセフの活動を統括・支援する地域事務所が、担当地域内の国・地域で発生しうる緊急事態をあらかじめ想定し、万が一の時に適宜対応できるよう、緊急事態対応計画を策定しています。ニューヨークのユニセフ本部では、1日24時間・365日体制で世界各地の自然災害をはじめとする人道危機の発生を監視し、また、多くの国で、首都以外にも複数設置されている現地事務所にも水や衛生、栄養、保健などの専門家が常駐。災害発生時に直ぐ必要になるテント、避難シェルター用ビニールシート、浄水剤、医薬品(ファーストエイド)などを常日頃から備蓄しています。

ユニセフはまた、何時どこで発生するかわからない自然災害に対する防災などの備えや、万が一の場合もその被害を最小限に軽減できるような力(回復力)を地域の人々自身が持つことができるよう、保健、水、衛生、栄養、教育などの通常の支援活動を進める中でも、コミュニティーの人々と連携した活動に重点的に資金を投じてきました。

こうした「普段からの備え」があるからこそ、そして、災害が発生する前から現地でコミュニティーの人々と連携した活動をしているからこそ、自然災害などの危機が発生した時でも、ユニセフは子どもたちの状況を速やかに把握し、必要な支援対応を取ることができる数少ない組織なのです。

今世界では、少なくとも30以上の国や地域が、大規模な「緊急事態−人道危機」状況に置かれています。イラクやアフガニスタン、チャド、リベリア、レバノン、ダルフールなど、国際社会から「忘れられて」しまったり、メディアがあまり報じることのない人道危機の現場でも、ユニセフのスタッフは、こうした災害の現場で最も弱い立場にある子どもたちの「救われるはず」の命が守られるよう、困難な状況の中で活動を続けています。