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中国大地震 第7報
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© China/2008/ Hellman |
地震で家をなくした子どもたち。500万人以上の人々が住む場所を失った。 |
小学4年生のワン・ユエさんは、この大地震で起こったことを考えると、泣かずにはいられません。「菜園での仕事を終えてテレビを見ようとしていた時、突然大きな地震に襲われました。はじめは、地震だとは分かりませんでした。ただ逃げることだけを考えていました。避難した後振り返ると、家は崩れ落ちていました」。
ワンさんは、綿陽の九洲競技場での避難生活を強いられている1万2,000人の被災者のひとり。四川省では、500万以上の人々が家を失ったと言われています。
公式な発表によると、この地震による死者は推定4万1353人。他に3万3,000人近くの消息が掴めていません。負傷者は、75万人に及ぶ見通しです。
「地震が起こったとき、私たちは教室にいました。なぜ揺れているのか、私たちは戸惑いました。その時、誰かが『地震だ!』と叫んだのです。友人のひとりは、崩れてきた建物に押し潰されて亡くなり、何人かは怪我をしました」。チャン・ユンフさんは、当時の状況をこう話します。ユニセフは、中国政府の支援活動チームとともに、被災地での支援活動を展開しています。特に、心的外傷(トラウマ)をおった多くの子どもたちへの支援が急がれます。
「大地震で被災し、トラウマを負った多くの子どもたちへ、迅速に必要な支援を行うことがとても重要です」。ユニセフ中国事務所代表兼在中国国連緊急支援チームのイン・イン・ニュイ代表は語ります。
© UNICEF China/2008/ Gao Jie |
成都の空港に到着したユニセフのテント。 |
避難所となった九洲競技場で生活している子どもたちには、ほんの少しずつですが、「日常」が戻ってきています。仮設学校が建てられ、授業が再開されました。町の人々が、定期的に食べ物や衣類をもって、避難所を訪れています。ワン・ユエさんは、この日、「早く元気になってほしい」という願いが込められた小さな贈り物を地元の女性から渡されました。
被災各地では、親や保護者を失ったり、混乱の中ではぐれてしまった子どもたちが多数報告されています。この事態を憂慮した中国政府は、20日までに、ユニセフに対し、こうした状況に置かれている子どもたちの実態の把握と保護のための支援を要請しました。この要請を受け、ユニセフ北京事務所では、中国政府当局らとの合同の専門家チームを現地時間22日中に被災地に派遣する予定です。