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財団法人日本ユニセフ協会



パキスタン緊急募金 第3報
パキスタン北西部の避難キャンプで 人道危機に直面する人々

【2009年5月15日 パキスタン発】

パキスタン緊急募金写真

© UNICEF/NYHQ2009-1109/Ramoneda

パキスタン北西部スワートで過去2週間に行われた国軍の軍事行動により、多くの人々が住む家を追われました。多くの子どもたちが、避難キャンプで、不安な日々を過ごしています。

ユニセフをはじめ、様々な団体が、緊急支援活動を急いでいます。しかし、現地のニーズは膨れ上がり、状況は絶望的になりつつあります。ユニセフ・パキスタン事務所のルック・ショーバン副代表は、急速に増加している避難民のニーズに応えるため、約5,700万米ドルの支援を国際社会に訴えました。

現地で支援活動を行っているスタッフによれば、避難民の半数は子どもたちであるとのことです。

ユニセフの活動

今回新たに設置された大きな避難キャンプのひとつ、ジャララ避難キャンプには、既に収容定員一杯の1万1,000人が生活していますが、キャンプの外には、人々が溢れている状況です。

ユニセフは現在、ポリオやはしかの予防接種活動を行うための支援を行っているほか、1,600人の子どもたちのための学校建設用の資材も提供しました。

多くの人々が、所持品をほとんど持たずにキャンプにたどり着いています。そして、特に子どもたちは、武力紛争の影響を強く受けています。子どもの保護支援活動を担当するチームは、親や保護者からはぐれた子どもたちを発見し、社会心理的な支援も行っています。

健康と教育への悪影響

キャンプで子どもたちに囲まれて座っている、スワート出身の母親グルミナさんは、同じことを繰り返し話していました。

「どうにもならないんです」と、グルミナさん。「テントの中はとても暑くて、子どもたちの健康に悪影響を及ぼしています。子どもたちの教育も心配です。心底、家に帰りたいです。」

彼女をはじめとする女性たちは、飲料水やトイレ不足だけではなく、プライバシーが確保できる空間がない避難キャンプの生活に慣れていません。多くの人々が、友人や親族のところに身を寄せていますが、最後に残された手段として、こうした避難キャンプ場での生活を受け入れざるを得ない人々の数も少なくありません。

「故郷に帰りたい・・・」

アハマド・ヒラルさんは、ジャララ避難キャンプで、甥と姪10人を含む拡大家族と一緒に避難生活をおくっています。迫撃砲による攻撃が迫る中、ヒラルさんは、家を捨て逃げてきましたが、身を寄せることができる親類は誰もいませんでした。

「私たちが何の罪を犯したというのでしょうか?子どもたちが、何か悪いことをしたのでしょうか?この状況を作り出した人々が、アラーの名の下に私たちを許し、故郷に帰ることを許してくれるようお願いします。」(ヒラルさん)

ジャララ避難キャンプに避難している人々は、ほんの一握りに過ぎません。いまだ数万人の人々が、医療などの支援が届かない紛争地域で身動きが取れない状況にあるのです。