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パキスタン緊急募金 第5報
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© UNICEF Pakistan/2009/Paradela |
パキスタン北西部の武力衝突により避難を余儀なくされた人々が暮らすヤル・フッサイン避難キャンプ内に設置された臨時教室で、普段の生活を取り戻すべく授業に参加する女の子たち。ユニセフは、学校用品を支援している。 |
ヤル・フッサイン避難キャンプでは、小学校一年生の女の子たちが、この避難キャンプ内に設置された臨時教室で、この日の授業の内容を復唱していました。6歳から7歳の女の子たちに混じってこの教室で授業を受けるハビバ・ロジャンちゃん。他の子どもたちよりも大きく見えますが、本当の年齢は分かりません。ハビバちゃんは、生まれた時に出生登録を受けていなかったのです。彼女は、自分では12歳ではないかと思っています。
ハビバちゃんと彼女の家族は、パキスタン北西部で続く武力衝突による迫撃砲の空爆を受け、2週間家に閉じ込められていました。
「家の上を飛行機が通る音を聞くたびに、とても怖くて仕方がありませんでした。妹や弟たちは、泣きそうになっていました。」ハビバちゃんは当時を振り返ってこのように話します。
ハビバちゃんの家族のように、激化する武力紛争で避難を強いられた人々の数は数万人にのぼります。こうした人々は、パキスタンの歴史上、もっとも大規模で変化の激しい避難状況に翻弄されています。
© UNICEF/NYHQ2009-0573/Brooks |
パキスタン北西国境州のスワート地区のアマン避難キャンプに設置されたテントで。 |
200万人以上の人々が、この武力紛争の影響で住む家を追われました。また、2008年10月にパキスタンを襲った地震の影響で、いまだ50万人の人々が住む家がない状況です。このような状況下で避難を余儀なくされた人々の半数以上は子どもたちです。こうした人々のニーズは緊急な対応を必要としており、いまだ日増しに高まっています。
ユニセフの支援によりヤル・フッサイン避難キャンプに設置された小学校には、ハビバちゃんを含む320人以上の子どもたちが通っています。地方当局は地元の教師を派遣し、ユニセフは通学に必要なかばんや文房具を子どもたちのために支援しています。また先生たちのために、学校までの安全な交通手段の確保も支援しています。
しかし、こうした臨時教室では、避難キャンプにいる全ての子どもたちを収容することはできず、数千人の子どもたちがまだ学校に通っていません。また、さらに多くの子どもたちがキャンプの外での生活を強いられ、学校にも通うことのできない状況にあります。
こうした子どもの数は、さらに多くの人々が避難してくるにつれ、劇的に増加するものと見られています。こうした人道危機の高まりを受け、ユニセフは、日増しに悪化する状況下で生活を強いられている人々の緊急のニーズに応えるため4,100万米ドルを国際社会に求めています。
パキスタンに備蓄されていたユニセフの支援物資は、ほとんど底をつきかけています。しかし、追加の支援物資が届けられ始めており、さらにコペンハーゲンにある物資供給センターから、35トンの支援物資が届けられる予定となっています。
「人々が何を必要としているかについては、まだ確認する必要がありますが、用意しなければならない緊急支援キットのおおよその数は予測しています。ですから、送るべき支援物資の準備をすでに開始しています。」緊急支援物資コーディネーターのジーン・セドリック・メウスは話します。「私たちは、できる限り最短の時間で、必要な支援物資を届けなければなりません。」
ユニセフが展開しているパキスタン北西部の避難を余儀なくされている人々への支援活動は以下の通り:
© UNICEF Pakistan/2009/Paradela |
パキスタンでの武力衝突によって避難を強いられた人々のための避難キャンプで、ユニセフの支援によって、ハビバちゃんのように、学校に通えることになった女の子たち。 |
「避難キャンプに辿り着いてきた子どもたちの多くは、いかなる子どもも晒されるべきでない暴力を目撃しています。全ての人々が、日常生活を奪われ、慣れ親しんだ環境から引き離されたのです。」ユニセフ・パキスタン事務所のマーティン・ムグワンジャ代表はさらに続けます。
「こうした混乱に対処できるように、ユニセフは、安定した正常な生活を取り戻すべく、通常の学校生活を再開できるよう迅速に活動しています。」
ハビバちゃんは学校が再開されたことをとても喜んでいますが、いまだ家に帰ることを望んでいます。「私のにわとりたちに会いたいです。」ハビバちゃんは目に涙を浮かべて話します。「私のにわとりが死んでしまったかどうかも分からないの。」