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フィリピン台風緊急募金 第8報
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© UNICEF Philippines/2013/Kent Page |
タクロバンできれいな水を手にする子ども |
現地時間16日夜、タクロバン市と周辺6自治体で、水処理施設が完全復旧。浄化された水が3万か所で供給されるようになりました。
台風30号がフィリピンに上陸してから1週間以上の間、レイテ島の水処理施設は通常の5分の1の規模でしか機能しておらず、被災者の健康の悪化や感染症の拡大が危惧されていました。
ユニセフは、フィリピン軍と米国国際開発庁(USAID)と交渉。ひとまず、フィリピン軍から水処理施設の稼働に必要な4日分の燃料を確保しました。5日目以降に必要な燃料については、USAIDが継続的に供給する予定です。
「下痢や水が原因となる病気を防ぐには、一人当たり、少なくとも一日15リットルの浄水を供給することが極めて重要です」とユニセフ・フィリピン事務所の穂積智夫代表は言います。
「今日我々が目の当たりにしたことは、政府や支援者、国連機関が密に協力して支援活動をすることが、文字通り、命を守ることになる、ということです。団結した努力によって、何十万人もの人々がきれいな水を充分使うことができ、調理をしたり、衛生的な生活を送ることができます」(穂積代表)
水処理施設が100%稼働できるようになったことで、3万か所で給水が可能になりました。水の供給量も1万5,000立方リットルから6万立方リットルに増加。給水を待つ人々の列の長さも短くなりました。
ユニセフは、過去48時間の間に、トラックや貨物機を使い、水と衛生分野の支援物資をタクロバンやロハスをはじめとする被災地に届けました。きれいな水を供給するための復旧作業も継続して行っており、不衛生な環境や汚れた水によって引き起こされる病気のリスクの軽減を図っています。
次のステップは、水道管を修復し、遠隔地にもきれいな水を供給することです。
一方、親や家族と離ればなれになった子どもたちの状況は、まだその全容が把握されていません。
この台風で、およそ500万人を超える子どもたちが被災、そのうち78万9,000人が避難生活を強いられています。被災した子どもたち、特に家族と離れ離れになってしまった子どもたちが危険に直面していることは容易に想像できます。ユニセフは、子どもの保護の専門官も被災地に派遣しています。