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財団法人日本ユニセフ協会
 



フィリピン台風緊急募金 第12報
135万人の幼児に栄養不良の恐れ
携帯電話で子どもを発見・保護、予防接種キャンペーン実施

【2013年11月21日 マニラ/ニューヨーク発】

© UNICEF Philippines/2013/JMaitem
タクロバンの教会に家族とともに避難している母親と幼い子ども

栄養不良の恐れ

被災地で、栄養不良状態の幼児が増えています。フィリピンで発生する様々な人道危機の中で必ずと言ってよいほど頻繁に発生する子どもたちの栄養問題に対応するために常設された、政府やユニセフなどの専門家で構成されるNational Nutrition Cluster(栄養問題クラスター/対策委員会)は、被災した500万人にものぼる子どものうち135万人の5歳未満児に、栄養不良の恐れがあると報告しています。タクロバンの避難所で実施されている子どもたちの健診でも、これまでに、重度の急性栄養不良の子が9名、中度の栄養不良の子が7名確認されています。既報のとおり、ユニセフは、水や衛生問題への対応に加え、栄養不良の治療用の食品や微量栄養素サプリメントなどの物資の支援や、完全母乳育児の推進や適切な補完食に関する知識の普及など、子どもたちの栄養問題も、治療・予防の両面から、最優先課題の一つとして取り組んでいます。

携帯で子どもを発見・保護

混乱の中、家族と離ればなれになった子どもたちを発見・保護し、家族との再会などの支援につなげるため、ユニセフは、現地時間の今日(11月22日)、携帯電話を使ったシステムをタクロバンに設置します。「Rapid FTR」 (FTR=Family Tracing and Reunification)と呼ばれるこのシステムは、家族や保護者と離れ離れになった子どもたちの情報を集め、登録し、支援団体や行政機関の間で共有するためのデータ保存システムです。ユニセフは、このシステムを開発したユニセフ・ウガンダ事務所から、電話とラップトップ、太陽光パネルなどで構成された総重量180kgの機材を空輸。パーニル・アイオンサイド子どもの保護専門官やこのシステムの開発に協力してくださった民間会社の技術者など、総勢5名のチームが現地入りしています。「Rapid FTR」は、はぐれてしまった子どもの数をより早く把握し、彼らが必要な保護を受けられるための支援をします。状況が落ち着けば、フィリピンの社会開発省に、この家族再会プロセスを引き継げればと考えています。

予防接種キャンペーンを準備

ユニセフは来週、6ヶ月〜5歳未満までの2万8,000人の子どもたちを対象に、はしかやポリオの予防接種キャンペーンを展開。あわせてビタミンAの投与を実施するため、現在、被災地の自治体などと協力し、コールド・チェーン(ワクチンを低温に保ちながら輸送する物流システム)の復旧に取り組んでいます。

参考:

ウガンダ:携帯電話のアプリケーションを利用した家族再会の新たな取り組み

RapidFTR(英語ページ)