子どもに対する暴力・虐待への取り組み子どもへの暴力防止キャンペーンユニセフは2013年7月31日、子どもへの暴力をなくすための行動を求める「子どもへの暴力防止キャンペーン」を開始し、暴力はどこにも存在するが、しばしば見えにくいところでおき、また、社会的・文化的規範によって容認されているということを訴えてきました。 "見えないことを明らかにする"("Make the invisible, visible")という標語のもと、キャンペーンは、まずは人々の考え方、行動や政策を変えるための意識の啓発に努めています。同キャンペーンはまた、成功した取り組みを集め焦点をあてることで、暴力は防止することができるという考え方を伝えています。 2014年9月には、子どもへの暴力に関する広範なデータを扱った報告書『子どもへの暴力防止キャンペーン レポート 統計版』を発表。子どもへの暴力が、世界のすべての国や地域社会でおきていて、"存在しないもの"になってしまっていることを明らかにしました。一方で、子どもへの暴力は避けられないものではないとして、その予防のための戦略も提示しました(『子どもへの暴力防止キャンペーンレポート:予防のための戦略』)。 子どもの虐待問題 国内の取り組み子どもの虐待問題については、2000年に児童虐待防止法が施行され、その後法改正、関係機関による取り組みの強化が行われていますが、いまだに件数は増え続け、命が奪われる事例も後を絶ちません。全国の児童相談所での児童虐待に関する相談対応件数は、平成25年度には過去最多の7万3,765件となりました。厚生労働省の社会保障審議会児童部会に設けられた「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」による検証によれば、虐待によって子どもが死亡するケースは毎年100人前後に上り、虐待死(心中以外)のうち約40%が声をあげることのできない0歳児です。 子どもの虐待に対する取り組みは、発生の予防から早期発見・対応、長期にわたる子どもの保護・支援まで多岐にわたり、多くの関係者による連携が不可欠です。虐待の早期発見・対応を強化するためには、児童相談所・市町村・警察間での情報共有や連携を強化することが必要です。また、虐待が隠れていることもある「所在不明児童」の発見・保護の強化のための連携も重要です。 虐待の発生を予防するためには、医師とも連携し、妊娠中から子育て困難な妊産婦への支援を行うことが大切です。さらに、被害を受けた子どもに対しては、適切に一時保護を行うこと、精神的なケアを含む長期的なサポートを実施することが必要です。 <子どもの権利条約第19条第1項> 締約国は、児童が父母、法定保護者又は児童を監護する他の者による監護を受けている間において、あらゆる形態の身体的若しくは精神的な暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取(性的虐待を含む。)からその児童を保護するためすべての適当な立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる。 日本ユニセフ協会は、条約に定められた、子どもたちの虐待からの保護が実現するよう、これまで、児童虐待防止のための親権制度の見直しが行われた際には、法制審議会に対し民法の「懲戒権」規定の削除を求める意見書を提出し(2010年9月)、法整備の働きかけを行いました。また、児童虐待防止推進月間の実施に協力し、国内専門家団体等と協調し、啓発活動(2013年、2014年)や、東日本大震災の被災地での虐待防止地域ネットワークづくりに向けた研修等も行ってきています。 子ども虐待死ゼロを目指す法改正を〜
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2019年2月 | 国連子どもの権利委員会「最終見解」公表 当協会報告書の内容も反映 |
2019年1月 | 暴力撲滅のための若者によるマニフェストThe #ENDviolence Youth Manifesto |
2019年1月 | 見えなくても、すぐそこにある暴力「ジェンダーに基づく暴力」メディアブリーフィング開催報告 ユニセフ 緊急支援オペレーション室 山科真澄 氏 |
2018年9月 | ユニセフ新たな報告書発表 学校における暴力やいじめ 世界の13歳~15歳の半数が経験 |
2018年6月 | 旅行・観光における子どもの保護に関する世界サミット~子どもの保護にむけた行動強化へ |
2018年6月 | 子どもに対する暴力をなくすために 「ソリューションズ・サミット」参加報告会 |
2018年4月 | 世界的ヒップホップボーイズグループ BTS (防弾少年団) が応援する 子ども、青少年に対する暴力の撲滅を目指す ユニセフ#ENDviolenceキャンペーン |
2017年12月 | 『世界子供白書2017 デジタル世界の子どもたち』発表会 開催報告 |
2017年12月 | ユニセフ『世界子供白書2017 デジタル世界の子どもたち』発表 |
2017年11月 | 子どもに対する暴力報告書『すぐそこにある暴力』発表 |
2017年10月 | 公開セミナー「子どもに対する暴力をなくすために SDGsターゲット16.2の達成を目指して」 |
2016年7月 | 国際社会の新たな目標 子どもへの暴力撤廃のための新たなパートナーシップ |
2015年6月 | 子どもへの暴力・虐待 経済的損失は年間2,090億ドル |
2014年9月 | 子ども虐待防止世界会議 名古屋 2014に参加(基調講演・分科会) |
2013年11月 | 「児童虐待防止月間」の取り組み |
2013年9月 | 国会議員会館意見交換会 |
2012年11月 | 虐待防止地域ネットワークづくり研修 |
2011年8月 | ラジオ公共CMの制作・放送 |
2010年9月 | 法制審議会に意見書を提出 |