保健
© UNICEF/UN0146998/Voronin
世界で5歳の誕生日を迎えることなく亡くなる子どもは年間490万人。その原因の多くは安全な水やワクチンがあれば防ぐことができるものです。
ユニセフは、すべての子どもが、乳幼児期に十分なケアを受け、守られ、より良い人生のスタートを切ることができるよう、予防接種の普及、安全な水や衛生的な環境の確保、母乳育児の推進、栄養改善など総合的な支援を行っています。
- SDGs 3.22030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
- すべての国が、新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳未満の死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指す。
主要データ
5歳未満児死亡
- 2022年時点で、5歳の誕生日を迎えることなく亡くなる子どもは年間490万人。6秒にひとり、1日に約1万3,400人の5歳未満児が命を落としている。
- 1990年時点では、年間1,250万人(2.5秒にひとり、1日に約3万4,000人)の5歳未満児が命を落としていた。比較すると、1990年時点では出生1,000人あたり93人の5歳未満児が死亡していたが、2022年には出生1,000人あたり37人にまで減少した。
- 生後1カ月未満の新生児においては、早産、出産時の合併症(出生時仮死/分娩損傷)、先天的な理由が主な死因で、5歳未満児死亡のデータを見ても、これらを要因とする死は全体の約4割を占める。生後1カ月~59カ月の子どもの主な死因は、肺炎、マラリア、下痢であり、これら3つの要因を合わせると、5歳未満児の死亡原因の約3割を占める。
新生児死亡
- 2022年時点で、生後28日以内に命を落とす新生児は年間230万人。1日に約6,300人の新生児が命を落としている。5歳未満児死亡のうち、新生児死亡(生後28日以内に死亡)が占める割合は47%(1990年時点の40%から増加している)。
- 生後1カ月の間が最も死亡するリスクが高く、出生1,000人当たり17人がこの間に命を落としている。
- 新生児死亡率(出生時から生後28日以内に死亡する確率)は、1990年時点では出生1,000人当たり37人、2000年時点では31人だった。
地域、所得による格差
- 2022年時点で、5歳未満児で死亡する子どもの57%は、サハラ以南のアフリカの子ども。その地域は5歳未満児死亡率が世界中で最も高く、14人に1人(出生1,000人当たり71人)の子どもが5歳未満で死亡している。
- 2022年時点で、高所得国の5歳未満児死亡率は平均で出生1,000人当たり4.8人であるのに比べ、低所得国では平均で出生1,000人当たり65人と13倍以上高く、大きな格差がある。
持続可能な開発目標(SDGs)ターゲット
- 持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット3.2では「2030年までに、新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳未満児の死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らす」ことを目指している。
- 2022年時点で、2030年までに5歳児未満児死亡に関する目標を達成できないと見込まれている国は59カ国。新生児死亡に関する目標を達成できないと見込まれている国は64カ国。これらの国がSDGsターゲット3.2を2030年までに達成するには、さらに取り組みをすすめなければならない。すべての国がSDGsターゲット3.2を2030年までに達成すれば、900万人の5歳未満の子どもたちの命が守られると推計される。
(2024年3月更新)
データ出典:
マリ
ママドゥ保健員のストーリー
真昼の暑い日差しの下、膝の上にワクチンの保冷箱を抱え、ロバの引く荷台に何時間も揺られて移動する保健員のママドゥさん。幼い子どもたちのもとに命を守るワクチンを届けるため、砂ぼこりが舞う道を進みます。
©UNICEF/UN0293636/Keïta
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