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財団法人日本ユニセフ協会





中国大地震 第24報
地震発生から1年−緊急支援から復興支援へ
 

【2009年5月11日 東京発】

© UNICEF/HQ08-0459/Adam Dean
四川省都江堰の居延中学校では400人の子どもたちが地震で崩壊した校舎の下敷きとなり命を落とした。その校舎の前に立つ3人の子どもたち。

2008年5月12日に四川省ブン川(ぶんせん)県で発生し、マグニチュード8.0を観測した中国大地震から明日12日で丸1年。この大地震の被害は、四川省だけでなく、甘粛省、陝西省、雲南省、重慶市などの近隣地域にも及び、1億2,000万人以上が被災しました。

この地震による死者・行方不明者は8万8,000人。負傷者は40万人近くにのぼりました。また、数百万世帯が全半壊し、500万人が住む場所を失いました。学校、病院、道路、水や衛生施設などの基本的なインフラ設備にも大きな被害を及ぼしました。

また、2008年8月30日には、四川省と雲南省でマグニチュード6.1の大地震が発生。数十人もの人々の命を奪い、数百人が負傷しました。この地震は、ブン川(ぶんせん)県で発生した最初の地震と同じ断層で発生しましたが、ブン川(ぶんせん)県から南に遠く離れた四川省の最南地区、攀枝花市を震源地とするものでした。

5月12日の大地震により、四川省では1万2,000校以上、甘粛省では6,500校以上の学校が全半壊しました。地震発生時は昼下がり。各学校では、児童・生徒たちがまだ授業を受けていた時間でした。また、攀枝花市を震源とした二度目の大地震が発生した日は、新学期が始まるわずか2日前。このため、多くの子どもたちは、予定どおりに新学期を迎えることができませんでした。

緊急支援から復興支援へ

© UNICEF/HQ08-0461/Adam Dean
四川省綿陽市の避難キャンプの人々のために設置された大きな臨時教室で授業を受ける子どもたち。この地域は最も被害の大きかった地域のひとつ。

地震発生直後、ユニセフは、被災した子どもたちや、その家族の「心のケア」を継続して実施するための施設「子どもに優しい空間」を、現地NGOなどと協力して被災各地に設置。ボランティアスタッフのトレーニングなども実施しました。当初最大30箇所を予定していたこの施設は、最終的に40箇所に設置され、これまでに、43000人以上の子どもたちが、この支援を受けています。

ユニセフは、こうした「心のケア」や飲料水、衛生、栄養、保健などの分野での緊急支援活動と並行し、被災各地に学校用テントや教材などの緊急支援も展開しました。

今年3月、中国政府は、2009年末までに、被災地の子どもたちの95%以上が再建された校舎での学業を再開できるように、作業を進めていると発表しました。ユニセフは、新たに建設される校舎が耐震に十分配慮された構造となるだけでなく、学校を拠点にしたコミュニティの防災対策が整えられるよう、中国政府の専門家と日本の学校防災関係者との技術交流をサポートしました。また中国国営テレビを通じた学校防災キャンペーンも展開しています。

最初の大地震から1年が過ぎ、ユニセフの支援は、いわゆる「緊急支援活動」から「復興・再建支援活動」に移行しています。震災を経験した人々の生活とコミュニティを立て直すためには、まだまだやらなければならないことが山積みしています。ユニセフは、大地震の影響を受けた人々のための復興支援活動を、あと2年間は継続する予定です。

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中国大地震被災地の近況を伝える番組に、昨年6月現地を視察したアグネス大使が出演します。

NHK BS1 『住宅再建への苦悩・四川大地震被災者の1年』
放送日:5月13日(水)
放送時間:23時台

※放送日時・内容は事前の予告無く変更される場合がございます。予めご了承ください。