HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > パキスタン 2005/10/9
財団法人日本ユニセフ協会



パキスタン大地震
ユニセフ、当面の緊急支援費用として23億円を国際社会に求める

〜被災者400万人。ユニセフは緊急支援物資を震源地に〜

【2005年10月9日 ニューヨーク / ジュネーブ発】

国連児童基金(ユニセフ)は、9日、国際社会に対し、パキスタン地震の子どもを中心とする被災者の当座の支援費用として2000万米ドル(約23億円)を求めると発表しました。

ユニセフは、パキスタン北部の街マンセラに向け、毛布、子ども用衣類、飲料水用タンク、簡易避難シェルター等を設置するために使われるビニールシート等の緊急支援物資を積んだ複数台のトラックを出発させました。

また、カラチからも、浄水器材、子どもたちのための高栄養価食品、石鹸、シェルター用資材、子ども用の靴やセーター等、被災した子どもたちを守るための支援物資を積んだトラックを複数台出発させました。

ユニセフ事務局長アン・ベネマンは、子どもたちの命を繋ぎとめる支援がこの数日間に最も必要になると訴えます。

“この23億円は、子どもたちの命を救うために今すぐ実施されなければならない支援に必要な金額です。医療、飲料水、乳幼児のための高栄養価食品、衣服、避難シェルター。これらは、全て失った人々、特に子どもたちが、今後2-3週間にわたり、まず必要なものばかりです。”

ユニセフはまた、パキスタン政府や他の国連機関と連携を取りながら、周辺各国のユニセフ事務所から、スタッフや救援物資などをパキスタンに続々と送り込んでいます。ユニセフは、パキスタン奥地にヘリコプターで派遣された同国の外科医療チームを、資材や移動手段などの面で支援。国連の緊急調査チームの一員として、パキスタン各地の被害状況の把握に奔走しています。

地震の被災者のほぼ5人に一人が5歳以下の子ども。半数近くが18歳以下と推定されています。また、4人に一人が「貧困線」(1日一ドル)以下の生活をしていました。

ユニセフ現地事務所代表オマール・アブディは、山岳地帯での支援の難しさを予想しています。

“まず、そこに辿り着くこと自体が難しい。そして、あの地域の人々は、何かあった時に頼れる「他の手段」を持っていません。昨夜(8日)から今朝に掛け、現地では雨や雹(ひょう)が降りました。崩れかけた建物の中には怖くて入ることもできない人々に、追い討ちを掛けてしまっています。この雨は、また、更なる地滑りを引き起こし、支援活動を妨げています。”

2003年に洪水がシンド県を襲い80万人が被災した時も、ユニセフはパキスタン政府と協力し、支援活動を展開しました。ユニセフは、今回発表した23億円の緊急支援費用は、今後、支援活動がより具体化する中で、また、他の国連機関との調整を続ける中で、見直しされることがあると強調しています。

“当座の緊急支援の後には、学校再開のための支援をすぐに開始します。ユニセフは、子どもたちを一日も早く学校に戻すことが大変重要であると考えます。学校は、子どもたちが失った生活基盤や生活のリズムを取り戻してくれる場所です。ショックやトラウマを乗り越える力を与えてくれる場所なのです。”ベネマン事務局長は訴えます。


****************

◇ 募金のお願い ◇

 日本ユニセフ協会では、被災地域におけるユニセフ活動を支援するための募金を、下記の方法で受け付けています(当協会への募金は寄付金控除の対象となります)。皆様のご協力をお願い致します。