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財団法人日本ユニセフ協会



【2005年10月14日 ニューヨーク発】
 

ユニセフ、ヘリコプターで子どもたちを救出、イスラマバード等の病院へ

image1 地震発生から一週間。何千・何百という数の子どもたちが身体に傷を負い、家族と離れ離れになり、様々な危険に直面しています。被災者のほぼ5人に一人は5歳未満の乳幼児です。
現地での支援活動の重点は、地震で崩れた建物等に閉じ込められた人々の発見・救出から、そうした被害を免れた人々への緊急支援に移りつつあります。ユニセフ本部の緊急支援室次長アフシャン・カーンは、医療支援をはじめ、被災者が必要とする支援に一刻の猶予も無いと訴えます。

多くの子どもたちやその家族が住む家を失ってしまいました。彼らに対するシェルターや衣服、毛布などの提供と、栄養失調児に対する支援、そして医療支援が当面の優先課題です。

image2 パキスタン政府のヘリコプターは、ユニセフの支援物資をアクセスの困難な辺境の被災地に空輸。ヘリコプターは、それらの被災地から負傷した子どもたちを乗せ、イスラマバードをはじめとする都市部の病院に運んでいます。
ユニセフ・パキスタン代表オマール・アブディは、ムザファラバード周辺の村々から親戚によって助け出されてきた重症を負って助け出された子ども3人を、イスラマバードの病院まで付き添ってきました。“混乱と痛みを訴える子どもたちの目を見るのはとても辛かった”とアブディ代表は言っています。パキスタン総合病院にある小児科専門病院の病棟は既に負傷した子どもたちで溢れ、収容しきれない子どもたちが、大人用の病棟にも収容されている状況です。
“ここに居る子どもたちは、一様に筆舌に尽くしがたい経験してしまいました。そして今また、全く見ず知らずの環境の中に、往々にして、家族も親戚も誰一人周りに居ない状況に置かれているのです”(アブディ代表)。
「親や保護者を失った子ども達を守れ!」
ユニセフの子どもの保護専門スタッフとパキスタン厚生省のスタッフで構成される支援チームは、家族から離れ離れになったり孤児となった子どもたちの保護に必要な支援の準備に全力をあげています。
“こうした状況の中で、身寄りを失った子どもたちが最も無防備な状況に置かれます。ユニセフは、こうした子どもたちの支援に全力を尽くします”(アブディ代表)。
ユニセフは、こうした子どもたちの発見と登録、保護のために、NGOなどとも協力し、その準備を進めています。
マンセラとその近郊で実施した被害状況調査では、親を失った子どもたちの多くが親類縁者(拡大家族)の手で保護されていることが分かりました。しかし、こうした子どもたちに対する支援も必要になってくると予想されます。
“子どもたちが家族の元に戻った時、そこに十分な食料と水があるように、私たちは十分な支援をしてゆかなければなりません。また、子どもたちのトラウマに対しても適切なケアを提供しなければなりません”(カーン次長)。

 
バトグラム、バグにも前線基地を設置

14日(金)夜(現地時間)、パキスタンにユニセフの支援物資を積んだ輸送機が到着。15日(土)から16日(日)に掛けては、毛布と高カロリービスケットなどを搭載した輸送機5機。また、来週に掛けて、更に7機を使い、10万枚の毛布等をパキスタンに空輸する予定です。

ユニセフは、緊急支援物資をパキスタン国内に備蓄していたため、地震発生1時間後には被災地への支援活動を開始することができました。

ユニセフはこれまでに、大きな被害を受けたマンセラとムザファラバードに前線基地を設置。

支援物資は、ペシャワールからマンセラにトラックで運ばれ、マンセラからは、パキスタン軍のヘリコプターで周辺の村々に空輸されています。

ユニセフは、マンセラ、ムザファラバードに加え、他の国連機関と協力し、14日までに、バトグラム、バグにも他の国際機関と協力して前線基地を開設しました。

 
『はしか』『飲料水供給設備』『バック・トゥ・スクール』

ユニセフはこうした自然災害が発生した時に、往々にして大流行し多くの子どもの命を奪う「はしか」の予防接種を実施するため、パキスタン政府と準備を進めています。また、ムザファラバードでは、飲料水供給設備の設置を進め、被災地の小学校の被害、先生たちへの被害などの調査を開始。小学校の一日も早い再開に向けた準備を進めています。


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◇ 募金のお願い ◇

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