HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > パキスタン 2005/10/17
財団法人日本ユニセフ協会



パキスタン地震 国連緊急アピール
〜国連全体で約300億円、ユニセフは73億円の支援を呼びかけ〜

South Asia Earthpuake - Flash Appeal
Executive Summary和訳

10月8日朝、マグニチュード7.6の地震がパキスタン北部、インド、アフガニスタンを襲いました。震源はパキスタンの首都イスラマバードから北東95km地点。多くの建物が最初の揺れで崩壊し、続く余震がダメージを受けた建物を脅かしました。

カシミール地方のパキスタン管轄地域や北西国境州では、多くの村が破壊されました。パキスタン北部やカシミール地方のパキスタン管轄地域、特に人口20万人を超えるムザファラバードとマンセラでは、80〜90%の村や町が壊滅的な状況との情報もあります。400万人が被災し、そのうち100万人は特に緊急の支援を必要としています。

現時点で死傷者数の予測は難しく、数字は大きく変動しています。被災から2日目には、政府当局は死者18,000人と述べましたが、3日目には別の担当官が30,000人以上の死亡を発表しています。いずれの数字も確認はできませんが、今後救出活動と復旧作業が進むにつれて、数字はより大きくなると予想されています。パキスタンのいくつかの地域では、地震が襲ったとき学校は授業中で、倒壊した学校の中に子どもたちが閉じ込められました。石と土壁で造られた建物の構造を考えると、閉じ込められた人が助かる見込みは低いと言われます。公共部門の職員の多くも被災者であることが、復旧の妨げとなっています。

被災地域には、物資輸送の面でも困難があります。地すべりによって道路が寸断され、徒歩かヘリコプターでしかアクセスできないのです。少しずつ、最も被害の大きかった地域への道が開かれつつありますが、遠隔地へは空から輸送するしかなく、その手段は限られています。

頻繁に起こる強い余震のため、被災者たちはダメージを受けた建物の中に戻ることを恐れ、多くの人々が野外で夜を過ごしています。いまこれらの人々が住むためのテント、特に気温がどんどん下がっている北部地域では冬用のテントが急務です。被災地域では病院もほとんどが倒壊したため、医療ケアも急がれます。水や食糧も足りません。

各分野からの報告に基づき、国連が今後6ヶ月間の支援活動に必要な資金は、271,776,000米ドル(約300億円)と算出されました。

地震から72時間という現時点で、いまだ多くの地域がアクセスできないという状況の中、この緊急アピールでは人命を守ることに主眼を置いています。より正確な情報が入り次第、本プロジェクトは復興に焦点を当てたものに拡大、調整されます。

国連全体としての分野別必要資金額(2005年10月11日時点) 単位米ドル

分野

必要資金額

農業

7,000,000

調整/支援サービス

39,880,000

経済復興/インフラ整備

8,000,000

教育

11,200,000

食糧

50,000,000

保健

31,520,000

複合部門

22,000,000

保護/人権/法整備

10,000,000

セキュリティ

1,176,000

シェルターと食糧以外の物資

62,750,000

水と衛生

28,250,000

合計

271,776,000

FLASH APPEAL全文(英文)はこちら(2.4MB)

ユニセフの支援

ユニセフは、国連緊急アピールを受け、被災者の半数と推定される子どもたちへの今後6ヶ月間の支援活動に必要な資金として、64,350,000米ドル(約73億円)の支援を国際社会に呼びかけています。

ユニセフの主な活動:

<保健分野>

  • 医薬品を含む緊急保健キット、保健サービスに必要な資材等の提供
  • 緊急予防接種および定期予防接種実施のためのワクチン、注射器などの提供と保健員への支援、調整業務

<栄養分野>

  • 子どもたちの栄養状態調査と栄養支援の計画・調整
  • 子どもと妊産婦へのビタミンA補給

<水と衛生分野>

  • 飲料水の提供
  • 不衛生な環境による危険を軽減させるための衛生施設(トイレなど)の設置

<子どもの保護>

  • 子どもと女性への心理的ケア
  • 親を失った子ども、家族(または保護者)とはぐれた子どもの調査、保護、再会支援
  • 学校などを利用した「子どもに優しい空間(子どもが安心できる場所)」の設置

<教育>

  • 学校再開支援(学習教材の提供、教員への支援など)
  • 小・中学校の再建

<その他>

  • 子どもとその家族への毛布、衣類、ブーツなど生活必需品の提供

ユニセフ必要資金額内訳 米ドル

分野

支援内容

必要資金額

保健/栄養

子どもと妊産婦への予防接種、栄養補給、伝染病予防対策、保健資材などの支援

13,500,000

水と衛生

安全な水の供給、衛生施設支援など

27,750,000

教育

学校再開支援、小・中学校の復旧など

8,500,000

保護/人権/法整備

子どもと家族の再会支援、心理的ケアなど

10,000,000

シェルターと食糧以外の物資

子どもとその家族への生活物資支援

3,000,000

調整/支援サービス

通信・情報システムの構築

1,600,000

合計

64,350,000


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◇ 募金のお願い ◇

 日本ユニセフ協会では、被災地域におけるユニセフ活動を支援するための募金を、下記の方法で受け付けています(当協会への募金は寄付金控除の対象となります)。皆様のご協力をお願い致します。