1000以上の病院、保健・医療施設が崩壊
ユニセフは、更なるヘリコプターの増派の他、ロバや人力など、山岳地帯から避難できない人々への支援物資を辺境地の被災地まで届ける手段と量の拡大、山岳地帯の避難民を受け入れる大規模な避難民キャンプの設置が緊急に必要、としています。また、1000箇所もの病院や保健センターが崩壊していることから、必要に応じた仮設病院の設置を訴えています。更に、被災地の最前線で、ユニセフと共に子どもたちの支援活動にあたる国内外の救援団体を求めています。
仮に今、こうした辺境の村々全てにテントや毛布が届いたとしても、子どもたちの危機は回避されません。汚れた水を飲まざるをえず栄養失調状態にあるにも関わらず、医療支援の手が届いていない子どもたちは、重度の脱水症状による命の危機に晒されています。
「既に相当数の子どもが下痢をしているという報告もあります。悪天候によって支援物資を空輸するルートが塞がれてしまうことによって、身体に傷を負っている、もしくは病気に掛かっている子どもたちは、大変深刻な状況に置かれています」(ベネマン事務局長)。
ヤン・エグランド国連人道問題調整官は、必要な救援活動の規模は、最早パキスタン政府のキャパシティーを超えてしまっていると訴えています。また、WHO(世界保健機構)も、汚れた水や不衛生な環境による疾病の発生を報告しています。