HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > パキスタン 第7報
財団法人日本ユニセフ協会



パキスタン地震 第7報
はしか、寒さ、飢えから子どもたちを守れ!

【2005年10月13日 ニューヨーク発】

image1 地震を生き延びた子どもたちの命が、また新たな危機に晒されています。ユニセフは、特にこの数日から数週間に掛けて、子どもたちの命を守る支援が最優先されなければならないと訴えています。

ユニセフ事務局長アン・ベネマンは次のように訴えました。“山岳地帯には冬の季節が到来し始め、子どもたちは、寒さや飢え、病気という生命の危険に直結しかねない状況に晒されています。被害状況が大きい地域では、殆どの家屋は崩壊し、何千人もの子どもたちの命が危機に晒されているのです。シェルターや栄養、保健医療など、子どもたちへの支援が最優先されなければなりません。”

震災前に被災地で実施されていた乳幼児の予防接種の接種率は約60%。相当数の子どもたちが、はしかなどの命を奪いかねない病気に対して無防備な状態です。ユニセフはパキスタン政府と協力し、こうした子どもたちに対するはしかの予防接種活動を早急に展開すべく、準備を進めています。こうした自然災害の現場や紛争地などでは、はしかは、特に寒さや栄養失調などで身体の抵抗力が弱っている場合、子どもの命を奪う大きな要因の一つとなります。

ユニセフはまた、子どもたちの様々な疾患への抵抗力を補うため、被災地に向けた支援物資のひとつにビタミンA剤を加えています。

“ユニセフは現在、シェルター、衣料品、飲料水、食料、医薬品等、最も基本的な緊急支援物資を被災者に提供することに全力を挙げています。ユニセフがパキスタンに持っている緊急支援物資備蓄用の倉庫はからは備蓄用の支援物資がすべて送り出されました。ここに備蓄してあった物資は、ユニセフが前線基地を設置したマンセラをはじめとする被災地で配布されています。水曜日にはムザファラバードまでの道路が開通。これまで以上に、被災地への支援物資の移動が迅速に展開できるはずです。”(ベネマン事務局長)

image2 木曜日には、コペンハーゲンのユニセフ物資供給センターから送られた高カロリービスケットが、ペシャワールに到着。ユニセフの緊急支援物資には、毛布、子ども用長靴、セーター、飲料水用容器、防水シート、テント、医薬品・医療資材などが含まれています。また、被災地に「子どもに優しい(子どもが安心できる)空間」作りも始めています。ユニセフの子どもの保護専門官は被災地でNGOと協力し、親や保護者を失った子どもたちの発見とそのケアに奔走しています。

ユニセフは、現在、周辺国のユニセフ事務所から応援スタッフと追加支援物資をパキスタンに派遣・空輸しています。また、パキスタン政府や他の国連機関などと密接に連携して支援活動を実施しています。 マンセラとムザファラバードには、水と衛生、教育、子どもの保護の専門官を派遣・常駐させ、ユニセフの前線基地を設置。支援物資供給の拠点とします。

被災者のほぼ半数が18歳未満の子ども。被災者の4人に1人は、震災前から深刻な貧困状態の中で生活していました。

ユニセフは、パキスタン地震の緊急支援の為、国際社会に約73億7000万円($6435万ドル)を求めています。


****************

◇ 募金のお願い ◇

 日本ユニセフ協会では、被災地域におけるユニセフ活動を支援するための募金を、下記の方法で受け付けています(当協会への募金は寄付金控除の対象となります)。皆様のご協力をお願い致します。