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ユニセフ協会からのお知らせ

子どもたちに、心のケアを

【2011年3月11日 東京発】

2011年3月11日午後2時46分頃、東北地方を中心に、強い地震が発生。ユニセフ本部をはじめ、世界各地のユニセフ現地事務所や国内委員会から、お見舞いと励ましの声が届いています。

先月ニュージーランドで地震災害が発生した際、ニュージーランドのユニセフ国内委員会が被災地の方々向けに提供した、「家庭でできる心のケアのヒント」を和訳してみました。
みなさま、大変な状況かとは存じますが、是非、子どもたちの心に安らぎを与えてあげてください。

“あらゆる自然災害で、もっとも困難な状況におかれてしまうのは子どもたち”
ユニセフが、2007年4月にまとめた緊急時対応マニュアルは、こう指摘しています。
子どもたちは、災害発生時だけでなく、災害が発生した後にも特別なケアを必要とします。子どもたちは、おとなたちが自分たちを守り、安全な環境を整え、適切なケアを提供し、またできる限り早く、元の生活に戻す決断をしてくれる人だと考えています。しかしながら、おとなたちは、災害時、自分たちのことに精一杯になりがちで、子どもたちの安全のことや子どもたちを元気づけること、また子どもたちを危険から守ることが難しい状況になってしまうのも事実です。
しかし、子どもたちのトラウマ(心理的外傷)と苦悩を最小限にするために、専門家でない私たちができることもあります。

  1. 子どもたちの近くに寄り添うこと。子どもの言うことに耳を傾け、子どもたちが疑問や心配に思うことに、簡単な言葉で、穏やかに、そして正直に応えてあげてください。「わからない、けれど様子を見てみましょう」と言ってもいいのです。子どもたちが、心に抱く恐怖を言葉にすること、そして、それを誰かにちゃんと聞いてもらえることは、子どもたちの質問に答えることと同じ位に重要なことです。
    こんな風に語りかけても良いでしょう。「みんなを助けるために、みんな、最善がつくされるの」と。日本全国のみならず、世界の多くの人々が、私たちの身の上に起きたことを心配し、手助けする方法を見つけようとしているのですから。
  2. 子どもたちが安全に過ごせる、子どもに優しい空間を作ってください。テントの中、家の中、道路で、体育館で、教室で。子どものためのおもちゃなどを用意し、子どもたちが苦しい状況を忘れられるよう、子どもたちの相手をしてあげてください。
    子どもを呼びあつめてください。子どもたちが遊ぶよう勇気づけてください。子ども同士で時間を過ごし、何が起きたのかなどを話し合えるように。もしお子さんの誕生日だったら、生まれた日の話をして、歌を歌っても良いでしょう。
    余震など、今後予測のできない事態に直面した時や、過度のストレスを受け動揺した時に、信頼が置けて、知識があり、子どもの安全を確保できる大人たちが必ず傍に居られる状態にしてください。
  3. 小さな子どもたちには、もし可能であれば、お気に入りのおもちゃを(それがなければ代わりとなるおもちゃを)与えてあげましょう。もし、みんなが忙しいようであれば、子どもたちにおもちゃを大切にして、話しかけたりするように伝えましょう。
  4. どんな些細なことでも、「普段の習慣」を保つようにしましょう。食事、歯磨き、着替え、睡眠時間を普段どおりに保つことは、日常の生活に戻るための手助けとなり、子どもたちを安心させる手助けになります。
  5. 子どもたちは、恐ろしい出来事を体験したり、目撃しているかもしれません。子どもたちがストレスを感じているようなら、会話を途中でやめさせたり、おとなが一方的に子どもたちが置かれている“状況”を判断しないようにしてください。その反対に、子どもたちを安心させられるようなことなら、どんなことでも子どもたちの助けになりますから、何でもやってみてください。子どもたちの隣で静かに、二人だけで静かな時間を過ごす事でも、助けになるかもしれません。勿論、トラウマなど、必要に応じて専門家に相談が必要になる場面があることも忘れないでください。

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