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ユニセフ最新の数値を発表
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© UNICEF/NYHQ2011-0598/Marta Ramoneda |
1990年時点と比較すると、1日あたり1万2,000人の幼い命が守られていることになります。
本日発表された、子どもの死亡に関する年間報告書(Levels & Trends in Child Mortality)によると5歳未満児の死亡数が世界でも最も高いサハラ以南のアフリカでは、1990年から2000年の間に、年間1.2パーセントのペースで削減されていましたが、2000年から2010年までの間には、そのペースが2倍、年間2.4パーセントのペースで削減されていることが分かりました。
「サハラ以南のアフリカの5歳未満児の死亡率が、10年前よりも2倍の速度で削減されたという事実は、最も貧しい地域でさえ、前進を図ることができることを示しています。しかし、予防可能な要因で毎日およそ2万1,000人の子どもたちが命を落としているという現状は、到底受け入れられることではありません。」とトニー・レーク ユニセフ事務局長は語っています。「最も厳しい状況にあるコミュニティに重点を置いて支援を行えば、さらに多くの子どもたちの命を、より早く、より効果的に守ることができるのです」
1990年時点で出生1,000人あたり88人であった5歳未満児死亡率は、2010年には出生1,000人あたり57人となり、1990年と比較して約3分の1以上削減されたことになります。
© UNICEF/NYHQ2010-3073/Giacomo Pirozzi |
残念ながら、2015年までに5歳未満児の死亡率を3分の2削減するというミレニアム開発目標4を達成するにはまだ十分ではありません。
「5歳未満児死亡数の削減には、多くの要因が関係しています。特に、新生児期に保健ケア・サービスを利用する人の割合が増加したこと、さらに、子どもの病気の予防や治療、栄養改善や予防接種率の向上、水と衛生の分野も改善されたことがあげられます」と世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は述べました。「子どもの保健に重点を置いて支援を行うことは、費用対効果が高く、今後もこうした支援への取り組みを加速する必要があることを示しています。」
5歳未満児の死亡率削減で、最も改善が見られた国々の中には、子どもたちにとって最も厳しい状況の国々が含まれています。
例えばニジェールの5歳未満児死亡率は、1990年には出生1,000人あたり311人でした。保健施設までが遠く、通うのが困難なことが多いこの国では、全国数千箇所に新たに設置した保健所に、研修を受けた地域保健員を配置し、効果的な支援を実施する戦略が実行されました。2010年、ニジェールは、マラウイ、リベリア、東ティモール、シエラレオネと並んで、5歳未満児死亡率が最も削減された5ヵ国のひとつでした。
WHOのチャン事務局長とユニセフのレーク事務局長は、政府によるコミットメントと、こうした不可欠なサービスへのアクセスを制限する地域の要因を克服する戦略の実行が、成功への重要な要素であると合意しました。
© UNICEF/NYHQ2011-1401/Warrick Page |
新生児と乳児は、最も命を落とす危険が高く、5歳未満児全体の中でも最も改善が遅れていることが示されました。5歳未満児死亡の40パーセント以上が、生後1ヵ月以内に起き、70パーセント以上は1歳の誕生日前に起きています。
この報告書で見ることができる改善と前進には勇気づけられるものがあります。しかし、その一方で、厳しい格差があります。サハラ以南のアフリカは、いまだに子どもの死亡率が最も高く、8人に1人の子どもたちが5歳の誕生日を迎える前に命を落としています。これは、先進工業国の平均(143人に1人)と比べて17倍以上の値です。5歳未満児の死亡率が2番目に高い地域は南アジアで、15人に1人が5歳の誕生日を迎える前に命を落としています。
5歳未満児の死亡は、サハラ以南のアフリカと南アジアにますます集中しています。1990年時点では、5歳未満児死亡率の69パーセントがこの2地域で占められていました。2010年、この割合は、82パーセントにまで上昇しています。2010年、世界の5歳未満児の死亡の約半数が、わずか5ヵ国(インド、ナイジェリア、コンゴ民主共和国、パキスタン、中国)で起こっているのです。
この最新の数値は、ユニセフとWHO、世界銀行、国連人口局などが主導する「子どもの死亡数推計作業部会(IGME)」が、2011年の報告書、『子どもの死亡率の推移(Levels & Trends in Child Mortality)』で発表したものです。