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ユニセフ協会からのお知らせ

MDG達成に向けて:国連、衛生問題への取り組みを強化

【2011年6月21日 ニューヨーク発】

21日朝、ニューヨークの国連本部で開かれた「持続可能な衛生:2015年まであと5年」の開会式典で、式典に出席した国連「水と衛生に関する諮問委員会」のメンバーを含む代表者らに対し、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、適切な衛生習慣と衛生施設(トイレ)へのアクセスが、開発のための議論の中心に置かれるべきであると話しました。

「衛生の問題は、慎重を要するものです。」「あまり人気のない議題ですが、おそらくそうした理由から、衛生の問題は、必要とされている対応が行われていないのです。しかし、これは変えなければなりません。」(潘国連事務総長)

前進を加速するために

© UN Photo/Eskinder Debebe
潘基文国連事務総長(右から4番目)、オランダのウィリアム・アレキサンダー皇太子殿下(右から3番目)、アンソニー・レーク ユニセフ事務局長(左から3番目)、マリア・ムタガンバ ウガンダ水・環境大臣(左から4番目)、西田恒夫特命全権大使・国際連合日本政府常駐代表(右から2番目)。

本イニシアティブは、2015年までに、ミレニアム開発目標のひとつ、世界の衛生状況を改善するという目標を達成するための取り組みを加速するべく、昨年の12月、国連総会で立ち上げが採択されました。

開会式典には、アンソニー・レーク ユニセフ事務局長、ウガンダのマリア・ムタガンバ 水・環境大臣、オランダのウィリアム・アレキサンダー皇太子殿下(オレンジ公)も出席。

潘国連事務総長は、改善された衛生施設が及ぼす利点は、特に保健と教育の分野で永続的にそして広範囲に及んでいくことを強調しました。

「衛生的な環境で暮らす人々には、深刻な病気と闘う備えがあります」と、潘国連事務総長。「また、学校に十分な数の衛生施設があることは、思春期の女の子の出席率を助長し、女の子のエンパワーネントと公平性にも貢献するのです。つまり、改善された衛生施設は、全ての開発目標達成に、貢献できるということです。」

衛生の問題は、ミレニアム開発目標の中で進捗が最も遅れているもののひとつです。達成目標として、2015年までに安全な飲料水と基礎的な衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減することが掲げられています。世界全体で約26億人(このうち半数が開発途上国に暮らす人々)が、いまだに衛生施設(トイレ)へのアクセスがありません。

衛生問題における公平性

© UN Photo/Eskinder Debebe
(左から)潘基文(パン・ギムン)国連事務総長、オランダのウィリアム・アレキサンダー皇太子殿下、マリア・ムタガンバ ウガンダ水・環境大臣、アンソニー・レーク ユニセフ事務局長。

レーク ユニセフ事務局長は、公平性の問題についても言及しました。「多くの地域で、衛生施設(トイレ)へのアクセスが‘十分にない’だけではありません。アクセスが‘ない’のです。」「ですから、こうした地域への支援をさらに集中して行うことで、世界的に最大の前進を遂げることができるはずです。それが共通の認識です。」

世界では10億人以上の人々が衛生施設(トイレ)へのアクセスが全くなく、野外排泄を行っています。レーク事務局長は、衛生の分野における本当の前進には、コミュニティ自体の協力が必要であり、その地域の人々が問題を話し合い、この危険な習慣を終わらせるために率先して取り組む必要があると強調しました。

「アフリカの東部・南部地域では、コミュニティ主導のアプローチを強調し、ユニセフのプログラムを通して衛生施設(トイレ)へのアクセスを得た人の割合は、6倍に増加しました。」

ムタガムバ水・環境大臣は、衛生施設という概念を全面的に人々に受け入れてもらうためには、教育に焦点をおくべきであると指摘しました。「トイレの設置は難しいことではないとよく言われています。確かにそれは事実です。」「・・・ですが、簡単なことではないのです。特に、政府が機能していないような国では。」

全ての人に衛生施設(トイレ)を

ムラガムバ水・環境大臣は、開発途上の地域では、野外排泄の習慣がどのように最終的に健康に害を及ぼすのか、また簡単な手洗いがより健やかな生活につながるのか不明確になっている地域が多いと指摘。さらに、教育は、こうした衛生習慣を変えるために欠かせないものであると話しました。

より健やかな健康とより質の高い教育を含む改善された衛生施設の具体的な利点は、やがて、豊かさと生産性の増加につながるということです。本イニシアティブ「持続可能な衛生: 2015年まであと5年」の目的は、ミレニアム開発目標達成のためだけでなく、全ての人々が改善された衛生施設(トイレ)を利用できるようにすることなのです。

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