東日本大震災被災地で取材活動にあたっていらっしゃる報道関係者のみなさまへ
ユニセフ(国連児童基金)と日本ユニセフ協会からのお願い
(ユニセフの報道対応ガイドラインより)
【2011年4月1日 東京発】
子どもたちの生の声を通して、子どもたちが置かれている状況を正しく伝えていただくために、ユニセフは、世界中で様々な報道関係者の方々のお力をお借りしております。
今回のような大きな災害を経験した子どもたちの心は何かと不安定なことも多く、私たち大人は、子どもたちへの接し方には、特に配慮が必要です。皆様のご取材やご報道にあたり、以下、「子どもの権利の保護」の視点からご理解・ご協力いただきたい点がございます。
- 子どもたちのプライバシー保護を絶対重視してください。場合によっては(児童虐待の取材など)子どもたちのアイデンティティーを公表しない手段を取ってください。
- 「報道価値」のある大きな話題になっている件に関する取材でも、もしその報道によって特定の子どもに何らかの新たな被害が発生する可能性がある場合には、特にご配慮が必要です。例えば、その子どもに特定した内容ではなく、問題を一般化した形で伝えていただくことで、児童権利保護問題の関心を高めるというような形で報道していただくことが推奨されます。
- 子どもたちに批判的なコメントや態度を見せたり、子どもたちの価値観を否定したり、屈辱観をあたえてしまうようなご取材・ご報道はお避け下さい。
- 子どもたちの悲しみや辛い経験をむやみに思い返させるようなご質問・ご取材もお控えください。
- 子どもたちを精神的または身体的危険にさらすようなことは絶対避けてください。
- 子どもたちが置かれている環境と状況をゆがめることなく正確に報道してください。
- 子どもたちには、その年齢、性別、人種、宗教などで差別することなく、平等に対応してください。障害を持っている子や経済的に苦しい環境にある家庭の子どもたちなど、様々な環境にある子どもたちの問題も考えてください。子どもたち、あるいはその保護者がみなさまのご取材を受ける時、そこで彼らが話している内容が「報道関係者との取材インタビュー」であることをはっきりわかっていることを確認してください。そしてその報道の目的、取材内容がどのように利用されるかを明確に説明してください。
- 前もって取材許可(インタビュー、映像に関わらず)を子どもとその保護者から必ず得るようにしてください。取材合意の有無をできるだけ文書化してください。その際、取材合意の強制はしないでください。ご取材の結果がいろいろなところで使われることを子どもたちにもわかるように説明してください。
- 子どもたちを取材する際、あまり大人数の取材団で対応しないでください。子どもが大きなプレッシャーを感じることなく安心して取材をうけられるような環境を作ってあげてください。
以上、みなさまのご理解、ご協力をお願いします。
日本ユニセフ協会 広報室
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