ユニセフは訴える:イラクの子どもたちの保護を第一優先に!
——ユニセフ事務局長キャロル・ベラミーによる声明——
【アンマン・ジュネーブ・ニューヨーク 3月20日発】
ユニセフは、今回の戦争がイラクの子どもと女性たちに及ぼす影響に深い憂慮の念を抱いています。戦争という事態の中で一番犠牲になるのは子どもたちです。イラクの場合は特にそれが顕著となります。政府の統治力の弱さ、過去2回の戦争、数年続いている国際的な制裁は、複雑に絡み合ってイラク国民を衰弱させています。
イラクの子どもたちは特に弱い立場にあります。5歳未満の子どもの内、100万人以上の子どもたちがすでに栄養不良状態にあります。栄養不良のときは病気にかかりやすく、戦争は、それに拍車をかけます。安全な飲み水が手に入らず、家を追われ、食糧や医薬品さえも手に入らなくなる状態になるからです。教育の機会の喪失や、心理社会的なトラウマを考慮に入れると、戦争の一番の犠牲者になるのは、子どもであることは疑いの余地がありません。そして、私たちは、イラクの人口の半分は子どもたちであることを忘れてはなりません。
この紛争のすべての当事者たちが国際的に決められている人道的な義務をきちんと果たすよう訴えます。そして、すべての当事者たちが、子どもたちの安全を第一優先に考えて行動することを訴えます。子どもの命、健康、そして福祉全般を保護するため、全力を尽くしてほしいのです。
ユニセフは子どもの権利を守る世界の主導的な機関です。158カ国で活動しながら、ユニセフは、すべての子どもの健康、教育、平等、保護のために努力しています。ユニセフの活動は、個人、財団・基金、企業、政府からの任意の拠出により支えられています。
ユニセフは、1952年以来、イラクの子どもたちに支援を送ってきました。ここ数カ月の間にも、ユニセフは、イラクの子どもたちに対し予防接種キャンペーンを行い、栄養補助食料などをイラク国内に運び込み、イラクの子どもたちが病気に対する抵抗力をつけ、万が一戦争が起きても、少しでも生き延びるチャンスが高められるよう努力してきました。ユニセフは、また、イラク国内並びに近隣諸国に何千トンにものぼる支援物資を送り込んでいます。この中には高たんぱく・ビスケット、基礎医薬品、浄水化装置や浄水剤、そのほかの緊急支援物資が含まれています。
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【2003年3月21日 ユニセフ・アンマン発】
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