財団法人日本ユニセフ協会




バグダッドにおけるユニセフの支援が続く—給水、ゴミ収集など—

[アンマン 2003年4月24日]
 バグダッドのユニセフ職員は、水を最も必要としている2つの地区—サダム・シティとアブグライブ地区—に給水車で水を配給し続けています。こうした毎日のミッションに同行しているユニセフ職員によると、イラクの人々、特に、子どもを持った家庭では、ユニセフによるこうした支援に感謝していることは疑いないと言います。

 同時に、給水車による支援活動は、少なくとも郊外のいくつかの街で、いかに通常の文民政権がいないことが目立っているかを示しています。これは現地で支援活動を行う援助組織にとって新たな課題です。また、今日、給水車に同行したユニセフ職員は、地元の宗教指導者の支持を得なければなりませんでした。この宗教指導者は、水の支援を受け入れることを地元の人々に思いとどまらせようとしていました。しかし、短い議論の後、ユニセフの活動に疑問を抱いていた宗教指導者は、これが良い目的を持ったものであると再確認し、安心し、配水はスムースに進みました。

 より問題なのは、サダム・シティのアルチャワディール公立病院など、バグダッドの治安の状況が依然不安定なことです。この病院では、病院の警備をしていた武装民兵を巻き込んだ口論の結果、医師は去り、多数の重病人の世話をしているごくひと握りの看護士しかいなくなっています。今週、少なくとも一晩は、病院の中庭で銃を持った男が銃撃戦をくりひろげ、病人は怯えてベッドの下にちじこまっていたと報告されています。

 これらの出来事は、国際法の下、事実上の政権が管轄地域の一般市民を保護する義務を満たすよう、ユニセフが再三求めている理由を強調するものです。

 現在、ユニセフはゴミ収集にも焦点を当てています。それは、単に衛生問題と関係しているからだけではありません。ユニセフが懸念しているのは、ゴミの山をあさることが日課となっている、子どもたちの間で見られる多くの事故です。恐ろしい例として、ゴミをあさる子どもが、ゴミの中から不発弾などを掘り出しています。これは大変な結果をもたらすことが予想されます。

 イラク南部では、昨日、ユニセフ・イラク代表カレル・ドゥ・ルーイがバスラを訪れる調査チームに加わりました。ドゥ・ルーイ氏は、現在、浄水施設の1つが戦争前のわずか20%の水しか受け入れられていないと報告しています。もっと危機的なのは、イラク南部では、水の浄化に不可欠な塩素のストックが5月の第1週までしかないことです。

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募金のお願い

 ユニセフによるイラクへの緊急支援を求める発表を踏まえ、日本ユニセフ協会では、今後さらに必要とされるイラクの子どもたちへのユニセフの人道支援活動を支援するため、イラク緊急募金の受付を開始します。多くの皆様のご支援をお願い申し上げます。