財団法人日本ユニセフ協会




ユニセフの国際スタッフがイラクに再び入る

[2003年4月23日]
 国連・国際スタッフが、紛争勃発以来、初めて再びイラクに入りました。 ユニセフの報告によると、4月23日(水)15時45分(日本時間22時45分)、ユニセフとWFP(世界食糧計画)の国際スタッフを乗せたユニセフの車5台が、国境を越えトルコからイラク北部へ入りました。
 戦闘勃発前の2003年3月19日にイラクから退避して以来、国連・国際スタッフが常駐するためにイラクに入るのは、これが初めてです。
ユニセフ国際スタッフは、今夕遅く、アルビルに到着する予定です。

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ユニセフは物資が最も不足しているバグダッドの地区に水を輸送

[アンマン 2003年4月22日]
 今日、バグダッドのユニセフ職員から得られたニュースは、わずかですが、私たちを安心させてくれます。それによると、保健の状況や他の不可欠な公的サービスはもう悪化しておらず、状況は安定化し始めているとのことです。しかし、非常に低いレベルで安定化しているにすぎず、イラク社会の中で最も弱い部分−子どもたち−は大きな危険にさらされています。多くのニーズがまだ満たされないまま残っています。

 首都における治安の状況が改善するにつれ、より多くの職員が仕事に戻り始めています。例えば、保健省の役人は業務に戻り始めており、より多くの医師が公共の病院で働いていると報告されています。

 バグダッドの水と衛生分野で働く職員も、仕事に戻り始めています。過去24時間に、首都のあちこちで電力が復旧しています。街の多くがまだ闇に包まれ、病院に影響を及ぼし続けているものの、これは非常に良い兆候です。

 今日、ユニセフ職員は教育省の役人から連絡を受け、イラク国内の教育制度の再開のため、ユニセフの支援を求めているといいます。ユニセフ職員は同省に代わり、米英軍側に連絡を取りましたが、まもなく前向きな反応を得られることを期待しています。

 こうした進展にもかかわらず、イラクの人々が通常の生活へ復帰するには、まだ長い道のりが必要です。その間、ユニセフは現場で支援を続けていきます。

 ここ2日間、ユニセフは物資が最も不足しているバグダッドの地区に、新鮮な水を送り込む手助けをしています。ユニセフが契約した5台の給水車(地域の消防隊の車2台を含む)が、市の貧困地区の病院に水を運んでいます。

 また、ユニセフは、病院に山積みにされ、危険なまでに不衛生な状態となっていた、膨大な量のゴミを片付けるために、活動をしています。

 昨日、ユニセフのトラックがアルマンスール子ども病院とシャヒード・アドゥナン病院に行きました。トラックが到着すると、そこには医療廃棄物や他のゴミが山積みになった倉庫がありました。2つの病院とも、現在はすべてのゴミが片付けられ、今日さらに2つの病院でゴミ収集が行われます。

 支援のもうひとつの成功例として、ユニセフは、中央小児病院で治療を受けている子どもたちに、新鮮な肉と野菜を届けています。

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募金のお願い

 ユニセフによるイラクへの緊急支援を求める発表を踏まえ、日本ユニセフ協会では、今後さらに必要とされるイラクの子どもたちへのユニセフの人道支援活動を支援するため、イラク緊急募金の受付を開始します。多くの皆様のご支援をお願い申し上げます。