財団法人日本ユニセフ協会




イラクの子どもたちのためのユニセフ緊急・復興支援

最新活動報告
2003年7月16〜30日

下痢を防ぐために配られた、家庭向けユニセフ衛生チラシの最新版。

【背景】

治安は相変わらず悪く、ウダイ・フセインとクサイ・フセインの死亡以来、米英軍に対する攻撃が増加。そのほとんどは、簡易爆発物によるものである。イラク中央部の治安は悪く、米英軍に対する攻撃、急襲は共に増加している。

ごく最近まで、米英軍に対する攻撃はヒラの北部で起きていたが、この度はケルバラとナジャフでも新たに攻撃が起きた。中でも激しくなっているのが、次の2つの地域である:1)ヒラ・ケルバラ・マームディヤと2)ヒラ・ナジャフ・ディワニヤ(ヒラは平穏)。バグダッドに通じる道では武装攻撃が増え、2003年7月22日にIOM(国際移住機関)と赤十字国際委員会のコンボイが襲われ、人道支援機関の職員3人が死亡し、もうひとりが負傷した事件が起きてからは高速1号と8号も閉鎖されている。

【プログラムの優先事項】

保健と栄養

ユニセフの保健プログラムの優先事項は、拡大予防接種計画を全面的に再開すること、そして下痢性疾患抑制プログラムの実施である。もうひとつの優先事項はプライマリー・ヘルス・センター(PHC=基礎保健施設)での母子保健プログラムの再開である。これらは、保健員と新規採用の医師の研修、医療スタッフへの再研修と情報普及用チラシの配布を通して行う。

保健サービスの改善のためには、ワクチンの供給、コールド・チェーン機器、医療機器、緊急保健キットの提供、ORS(経口補水塩)、ORT(経口補水療法)コーナー用の備品、浄水フィルター、ヒーターの供給を継続して行う必要があり、施設の復旧を目指すことが重要である。ユニセフの保健栄養プログラムとしては、イラクの緊急支援を遂行しながら、2003年の行動計画も実施している。

水と環境衛生(WES)

安全な水の提供が思い通りにならない今、ユニセフの水と環境衛生プログラムでは水の供給を優先事項としている。WESの優先事項の中には、固形ゴミ、生ゴミの収集も含まれている。これは捨てられたゴミが山積しているのに、都市サービスが滞っているためにゴミが収集されずに衛生状態が悪くなっているためである。

上下水道の浄水施設の修理、ポンプ局、コンパクト・ユニットの修理は、ほかの緊急活動と同時進行で行われている。ほかに、2003年度分として、硫酸アルミニウム、塩素ガス、さらし粉といった浄水剤の供給も続ける予定である。

教育

教育支援では、戦闘被害にあった学校の調査と修理、教師用・生徒用の教材を提供することが優先となっている。中央レベル、地方レベルでの教育プログラム実施能力を高めることがもうひとつの優先事項である。戦闘終了後は、緊急のニーズに対応してきたユニセフの教育プログラムであるが(例えば、学校の再建とバック・トゥ・スクールの実施、並びに教師用/生徒用の教材の提供)、現在は、イラク国内での教育の正常化を目指して、EIMS(電子情報管理システム)の設置を目指している。これは情報提供を通して、戦闘終了後に起きた略奪などで失われた重要な情報やデータを回復するための努力である。状況が正常に戻ってきた所で、年間計画で定められた活動(例えば子どもに優しい学校や若者を対象にした学校外教育、教員研修プログラムなど)を再開する予定である。これらの活動は単に再開するのではなく、内容やカバー範囲の面では拡大される予定になっている。

子どもの保護と心理社会療法

ユニセフは主要なパートナーと共に、緊急に対処を要する3つの優先プログラムを定めた。心理社会療法によるリハビリ、働く子ども・ストリートチルドレン、子どもの権利のアドボカシーの3つである。これらの優先事項に対処することで、ユニセフは子どもの身体的、心理社会的、社会的な健康の改善を目指し、困難な状況に直面してきた子どもたちに対して、少しでも「正常」な生活が取り戻せるよう支援する。

【障害】

治安の悪さ、交通費の高騰、通信網の不備、公務員に対する給与の遅延・未払い、電力供給の大幅な不足、そして何よりも機関・組織の崩壊が、プログラムの実施を阻んでいる。

国中の治安の悪さによって、毎日のように銃撃がどこかで起き、車の盗難、組織的な破壊行為、略奪などが起き、人々は数々のサービスを受けられずにいる。下請け会社やメンテナンス・チームは、治安が保障できない地域へと出かけ、上下水道、電気網などの修理を行っているが、彼らは危険と背中合わせで仕事をしていることになる。バグダッド郊外でプログラムを実施しようとしている技師たちに対しても、保安上の許諾がなかなか下りないため、ユニセフの支援プログラムは速度の面でも効率の面でも低下を余儀なくしている。

通信センターが爆撃、火事、略奪で被害を受けたために、首都と地方との間の通信がほとんど不可能となっている。実際のところ、バグダッド市内でも通信は難しい状態である。電力も毎日6時間以下しか供給されず、国のサービスを回復するための修繕やメンテナンス作業も滞っている状態だ。下請け会社も発電機に頼らざるを得ないが、発電機は長期の作業には向いておらず、生産性の面でも修理の実施面でも障害が出ている。

国の機関や組織が崩壊したために、イラクの困難な状況にある人々に人道支援を送っているすべての国連機関が支障をきたしている。こうした障害は、しかし、体制が整えば克服できると思われる。

【行動】

水と衛生

バグダッドでは、56のコンパクト・ユニット(CU)の修理が始まり、100 万人の人々がこの恩恵に預かっている。ユニセフはイラクの上下水道の調査を行うために、資格を持った専門技師のチームを現場に出し、修繕のための見積もりをとっている所である。今までの所、あらゆる上下水道プロジェクトについて150以上の見積もりをとった所である。現在、106プロジェクトのもとでの修理が開始され、58は地元の下請け会社による入札を待っているところである。この中にはバグダッドの2つの主要浄水施設(アル・カルクとアル・カルマ)が含まれ、ほかに、首都の3つのポンプ局(北部貯水池、南部貯水池並びにアブ・グライブ貯水池)が含まれている。アル・カルク・プロジェクトがうまく行けば、バグダッドの水は充分供給できるようになり、400万人が恩恵を受けられるようになる。

地方レベルでは、バビル、カディシヤ、ナジャフ、ケリバラでの39の上下水道プロジェクトの修繕見積もりがとられ(390万人が恩恵を受ける)、近々入札が行われる予定である。そのほか、サラディンとミサンという地方政府では、15の上下水道プロジェクトの見積もりがとられる準備がなされており、これがうまく行けば180万人が恩恵に預かれる。

ユニセフが5月に支援した調査では、バグダッドの給水網には500カ所の破損があったことになっているが、この数は、今や増加している。これは以前探知できなかった上下水道の隠れた破損が元となっている。新しい調査結果をもとに、ユニセフではバグダッド市内の給水網の2,000カ所以上の修繕を手がけている。

ユニセフはバグダッドの80カ所の下水ポンプ局の修繕にもとりかかっているが、これは市内300万人の給水に関っているポンプ局である。バグダッドの7箇所でつまっている下水を直す作業も進行中である。具体的には、アダミヤ、カドミヤ、カラダ、アル・ラシード、アル・カルク、マンスール、タウラである。これらが直れば、450万人が恩恵を受けることになる。

ゴミの収集は4つの都市、ラサファ、アダミヤ、7ニッサン、アル・ラシードで行われており、250万人が恩恵を受けている。中央部・南部の15地域の州都でもゴミの収集支援が行われ、ユニセフは15の州すべてで、地区レベルとサブ・地区レベルでのゴミ収集が可能かどうかの調査も行っている所である。

給水活動は、給水を必要としている新たな地域18カ所で始まり、給水計画にも盛り込まれた。バグダッド市内の病院や被害を受けた人々のうち、給水を受けた人たちへの給水量は、毎日9,279,000リットルにのぼっており、首都の中の53地区をカバーしている。南では毎日350万リットルのきれいな水が提供されている。

電力供給が改善されない中で、上下水道関連のプロジェクトを継続するためには、燃料の輸送が重要となっている。ユニセフは、輸送を担ってもらうために地元の輸送会社との契約を結んでおり、週に平均150万リットルのガソリンを配送してもらっている。

バグダッドの4つの地区、アダミヤ、カドミヤ、アル・ラシード、タウラで下水道の修理が行われ、詰まった個所の修繕が行われているが、317万人が恩恵を受けている。

ユニセフの「オフィス・イン・ア・ボックス(箱の中の事務所)」イニシアティブにより、4つの上下水道局本部に、事務所用の備品(家具と機器)が提供される予定だ。これは戦闘と、その後の略奪により、焼かれてしまったり破壊されてしまった事務所での仕事を早急に再開できるようにするための支援である。これにより上下水道の面で山積している問題に早急に対処できるようになるはずだ。このイニシアティブの対象となるのは、上下水道総合委員会(GCWS)、バグダッド市当局、バグダッド水道当局、市政機関統括局である。

バグダッド水道局と上下水道総合委員会には39本の塩素ガスシリンダー(1本の容量は1トン)、150本の小塩素ガスシリンダー(1本の容量50キロ)、さらし粉280トン、硫酸アルミニウム748トンが提供された。バビル、ニネヴァ、ディアラ、ケルバラ、サラディンには7月の間に、塩素ガスシリンダー・シリンダーの大を59本、小を60本、すでに納入済み。

保健

ユニセフはイラク保健省と協力して、戦闘で被害を受けた医療サービスと医療制度を正常に戻す努力をしている。その中でも重要なプロジェクトは定期予防接種を再開すること、国内のプライマリー・ヘルスケア・センター(PHC=基礎保健施設)を再建し、病院に緊急医療用の備品を提供することなどが含まれている。

ユニセフと保健省はイラク国内のコールド・チェーン・システムと拡大予防接種プログラム(EPI)の詳細な調査を行った。コールド・チェーン・システムは、戦闘の影響を大きく受け、最初の修繕費だけでも185万米ドルが必要である。ユニセフは保健省が、拡大予防接種システムをうまく再開させ、軌道に乗せられるよう支援し、保健員120人の予防接種研修を実施した。ユニセフは、保健省の移動予防接種チームが、予防接種を受けていない子どもたちをスクリーニングする、モップアップ・キャンペーンを支援し、子どもたちが予防接種を受けられるようにした。ユニセフが購入したワクチンの第3弾が保健省に納入され、ユニセフは、2003年度の終わりまでに必要となる6つの抗原性薬剤1,700万回分を注文した。

現在、ユニセフは10カ所の基礎保健施設(PHC)を修繕中。そのほか、バグダッド、バスラ、カルバラの30カ所のPHCの調査が終わり、あと20のPHCを6週間のうちに調査することになっている。ユニセフは、さらに、バグダッドとそのほか南部の3つの州の疾病予防局に事務所用の備品を提供している。また、ユニセフは34の病院と保健ケア・センターに緊急保健キットと基礎医薬品を提供し、遠隔地21箇所の50万人がこの恩恵を受けている。

栄養

ユニセフは、高たんぱくビスケット3,641トンと栄養強化ミルク215トンを提供したが、これは対象を絞り込んだ栄養プログラム(TNP)のもと、保健省が配布を実施した。このプログラムの恩恵を受ける人たちの数は約150万人。これには栄養不良状態にある5歳未満児、妊産婦、母乳育児中の女性も含まれている。今までに中度〜重度の栄養不良の子ども297,000人に80万の高たんぱくビスケットが配られたが、高たんぱくビスケットを必要としている栄養不良の子どもはさらに198,000人、同じく、妊産婦・母乳育児中の女性は30万人いる。これが実施できない理由としては、配布を行う窓口が充分に確保されていないことが挙げられる。

こうした人たちに支援を送り届け、困難な状況にある人たちの90%をカバーするためには、コミュニティ・チャイルド・ケア・ユニット(CCCU)を4,000に増加する必要がある。今までのところ戦争開始前まで機能していた3,000のCCUのうち、2,258のCCUが再開されたに留まっている。その上、対象となる人たちのわずか60%をカバーするのにとどまっているのが現状である。大規模な戦闘後に活動を再開したCCCUの数がわずか1,015であったことを考えると、栄養プログラム(TNP)が着実に、それも早急に再開されているのは良い徴候と言えるであろう。

ユニセフは保健省と栄養調査機関(NRI)を支援し、南部と中央部での対象を絞り込んだ栄養プログラム(TNP)の調査を2カ月に1回行うモニタリングを実施している。モニタリング・チームは微量栄養素、人的資源、データに関連するロジスティックスについての情報を収集している。これらの情報は、高たんぱくビスケットの在庫報告書の更新、スクリーニングを終えて分かった栄養不良状態にある5歳未満の子どもの数、高たんぱくビスケットの提供を受けた子どもの数、高たんぱくビスケットを受け取った妊産婦や母乳育児中の女性の数、そのほかの重要な情報を更新する際に使用されている。

教育

第4四半期に実施予定の教師用研修プログラムの準備が目下進められている。心理社会ケアについての研修を実施するため、専門家が戦略と教材を用意している所である。心理社会的な問題は、戦闘終了後に子どもたちが直面する問題であり、今こそこうした支援が必要とされる頃である。

ユニセフの支援のもと、イラク人の専門家と学者たちが教科書を編纂し終わったばかりである。来る新学年度には6,000万冊の教科書が印刷される予定になっている。新年度早々に子どもたちに教科書を配れるよう、108タイトル分の教科書がイラク国外で刷られる予定だ。そのほかの教科書はイラク国内で刷り、国内の経済の活性化の一翼を担うこととなっている。

文部省と暫定行政当局(CPA)、そのほかの機関との間はスムーズな調整が行われており、ユニセフが議長を務める教育調整フォーラムには30以上の国際機関が参加している。このフォーラムでも学校の再建が優先事項となっており、180校がすでに再建対象として挙げられている。これはベクテル社が手がけている再建校数を上回る数である。180校のうち、ユニセフは106を再建する予定になっている(50校はバグダッド)。

ユニセフは、18州から、得られる限りの教育データを集める努力をし、コンピュータのデータベース入力を支援している。これに関連して、ユニセフはデータを持っていなかった州で早急な調査を行った。8月末までには統計をまとめたものが用意できる予定である。バグダッド、バスラ、モスル、エルビル郊外でも調整はうまく行っている。但し、ヒラでの調整は、治安問題のからみもあり、まだうまく行っていない。

子どもの保護

労働社会問題省(MOLSA)との協力のもと、ユニセフは子どもの保護に関する定期的な会合を関係カウンターパートとNGOとの間で行うことになった。心理社会的なリハビリ、ストリートチルドレンと働く子どもたち、子どもの権利の問題に対処するため、それぞれサブ委員会も設置された。

ユニセフとアンファン・ドゥ・モンド(EMDH=世界の子ども)は、働く子どもとストリートチルドレン、並びに困難な状況にいる子どもたちのために、ドロップ・イン・センターの設置支援を行っている。センターは7月中旬に公式に開設され、現在、1日に25〜30人を受け入れている。ほとんどの子どもたちは路上生活をしており、靴磨き、ポリ袋売り、バナナ売りなどをしている。ドロップ・イン・センターで、子どもたちは8人のソーシャル・ワーカーのもと、いろいろは心理社会的なリハビリを受けることができる。センターの目的は、子どもの「休息と余暇の権利」を推進し、子どもたちに遊びと教育の機会を提供することにある。

労働社会問題省と密接な連携をとることで、ユニセフはソーシャル・ワーク、子どもの保護、メンタル・ヘルス、身体的リハビリの面での省庁の能力養成を目指しているが、それにあたりコンサルタント委託の準備を進めている。4人のコンサルタントは、労働社会問題省がソーシャル・ワークの運営と開発、子どもの権利条約に則った形で、子どもの保護に関する国家政策の作成と実施ができるよう、支援することになっている。また、イラクの子どもたちのための心理社会的な側面をも含めた健康福祉の改善を目指して行動計画を用意することになっているほか、障害のある子どもたちへの支援のため、行動計画を策定する予定になっている。

「安全な遊び場」プロジェクトのもと、イタリアのNGOであるINTERSOSの協力でバヤ地区の「子どもに優しい空間」(幸せな幼児期のためのバヤ・カーニバル)の開所式が2003年8月2日に行われることになっている。このプロジェクトは、コミュニティ委員会が執り行うもので、親、委員会メンバー、教員が参加しているプロジェクトである。コミュニティはすでに地域をきれいにし、プロジェクトの完成に向けて頑張っている。このプロジェクトは、子どもの権利のアドボカシーも含めた包括的なアプローチで、歌、演劇、絵画のような心理面をサポートするレクリエーション活動が含まれたものとなっている。

「安全な遊び場」プロジェクトは、トラウマを自由に表現することを促し、お互いを支援する必要性を強調、子どもと親との間のコミュニケーションを促進し、子どもの自尊心を高め、創造的な考え方を促進します。プロジェクトはコミュニティ委員会の監督のもと公的なスペースを使い、コミュニティの積極的な参加を促しています。コミュニティのメンバーは、活動の企画、実施、モニタリング、評価について、責任を持つことになっている。市の委員会はレクリエーション・スペースの治安確保、メンテナンスの責任を担っている。このプロジェクトの目的は、6〜16歳の子どものためにコミュニティを中心にした安全で優しい空間を提供することにあり、危険が多い中で生活する子どもたちに緊張を解くようなレクリエーション活動や教育活動を提供しようというものである。

アル・アダミヤ・コミュニティ委員会と緊密な相談をしながら、ユニセフはノルウェー教会エイド(NCA)と協力してこの地域に2つの若者の家を作ろうとしている。このプロジェクトの目的は、アル・アダミヤ地域の子どもたちに教育面、レクリエーション面での機会を提供することにある。

ユニセフはイラク国内向けの心理社会プログラムを保健省、イラク医師協会、INTERSOS、コルタ(オーストラリア)、Enfants du Monde、ノルウェー教会エイド(NCA)、そのほかのNGOと共に始めた所である。このプロジェクトは、戦争中にストレスを背負い込み、戦闘終了後も暴力的な環境の中で生き、行動を規制され、経済的困難の中で心理社会的なストレスを背負い込んだイラクの子どもたちに対処するために作られたものである。

ユニセフのパートナーは、地元、あるいは国際的なカウンターパートと一緒に、イラクの子どもたちを対象にした心理社会計画を策定することに合意した。心理社会イニシアティブは、すでに実証された方法論を使い、教師、保健員、若者のリーダー、ボランティア向けの研修計画やレクリエーション活動を取り込んだプロジェクトになる予定である。

新しく設置された子どもの心理社会面に関する助言委員会は、保健省、心理社会調査機関(バグダッド大学内)、イラク医師協会から成り立っているが、この委員会は、ユニセフが使用しているグローバルな心理社会評価ツールを有効なものだと認めており、さまざまな窓口を通じて、子どもの状況を初期調査する際に用いられることになる。

労働社会問題省では、子どものニーズに対応できるよう、建物の改築が始められている。労働社会問題省が困難な状況にある子どもたちに対し、基礎社会サービスを提供できるよう、ユニセフの技師チームは、国立の24の施設と子どものケア・センターの実態調査を行っている所である。その調査結果を見て、ユニセフでは必要に応じてセンターを再建する予定でいる。

イラク

拠出された金額、約束や意思表明があったもの
2003年7月30日現在
緊急アピール (2003年4月〜12月)
  政府 拠出が約束された額 拠出額 総計
 1 米国   23,000,000 23,000,000
 2 日本   15,285,822 15,285,822
 3 英国   11,146,520 11,146,520
 4 オーストラリア   9,167,753 9,167,753
 5 ECHO   6,461,963 6,461,963
 6 カナダ   6,085,910 6,085,910
 7 ノルウェー 1,655,172 2,040,100 3,695,272
 8 オランダ   3,000,000 3,000,000
 9 フランス 2,152,853   2,152,853
 10 イタリア 656,620 958,023 1,614,643
 11 ベルギー   1,179,328 1,179,328
 12 アイルランド   1,087,060 1,087,060
 13 スペイン   1,076,430 1,076,430
 14 デンマーク   1,014,510 1,014,510
 15 韓国   1,000,000 1,000,000
 16 フィンランド   753,501 753,501
 17 スウェーデン   600,250 600,250
 18 ルクセンブルク   460,828 460,828
 19 AGFUND 300,000   300,000
 20 ギリシア   200,000 200,000
 21 ポルトガル   109,769 109,769
 22 トルコ   100,000 100,000
 23 スロバニア   72,143 72,143
 24 アンドラ 65,862   65,862
 25 リトアニア   31,791 31,791
         
  政府小計 4,830,507 84,831,701 89,662,208
         
  国内委員会      
 1 日本   7,000,000 7,000,000
 2 ドイツ   5,575,950 5,575,950
 3 米国   2,346,000 2,346,000
 4 イタリア   2,219,290 2,219,290
 5 英国   1,817,509 1,817,509
 6 フランス   1,600,418 1,600,418
 7 オーストラリア   1,139,678 1,139,678
 8 カナダ   905,981 905,981
 9 デンマーク   590,840 590,840
 10 オランダ   484,394 484,394
 11 スペイン   460,838 460,838
 12 ホンコン   448,603 448,603
 13 ベルギー   388,097 388,097
 14 フィンランド   325,055 325,055
 15 韓国   300,000 300,000
 16 アイルランド   250,000 250,000
 17 ノルウェー   229,909 229,909
 18 ポルトガル   215,286 215,286
 19 オーストリア   137,142 137,142
 20 スロベニア   114,842 114,842
         
  国内委員会小計   26,549,832 26,549,832
         
  国連機関   96,600 96,600
  そのほか 200,000 430,208 630,208
         
  緊急支援合計 5,030,507 111,908,341 116,938,848

NOTE:
a)イタリアは拠出を公式に約束しているが ($656,620)まだ受領していない。


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募金のお願い

 ユニセフによるイラクへの緊急支援を求める発表を踏まえ、日本ユニセフ協会では、今後さらに必要とされるイラクの子どもたちへのユニセフの人道支援活動を支援するため、イラク緊急募金の受付を開始します。多くの皆様のご支援をお願い申し上げます。