財団法人日本ユニセフ協会




ユニセフは、戦後のイラクにおける子どもの人身売買に注意
〜ストリートチルドレン増加の報告は警鐘〜

【ジュネーブ/ニューヨーク、2003年6月13日】
 バグダッドにおいてストリートチルドレンが増加していることを示すニュースレポートを注視し、ユニセフは、子どもの搾取が起こりやすい状況が発生していると述べました。

 戦後の無秩序の中で、これまで子どもたちを保護してきた、イラクの一般的な地域のつながり(コミュニティ・ネットワーク)はうまく機能しなくなっています。そのため、子どもたちが搾取の危険にさらされるままになっています。毎年、世界中で、何万人もの子どもたちが、過酷な児童労働の労働力として、また性的虐待の対象として、人身売買の犠牲になっています。

 ユニセフは、イラクにおいてストリートチルドレンが問題となっている一方で、この問題に対する一朝一夕の解決方法はないと警告しています。ストリートチルドレンの問題は、イラクではつい最近起こり始めたものです。1991年の湾岸戦争以前にこの問題は存在していませんでした。そして、起こってしまったこの流れを、もとにもどすためには時間がかかります。

 世界の善意の方々は、こうした子どもたちを即時に助ける方法として、国際的な養子縁組が理に叶ったものだとお考えになるかもしれません。しかし、ユニセフは、良心のない子どもの売買者が、こうした無秩序状態を利用し、彼ら自身が良いことのための合法的な組織であるかのように通そうとすることがよくある、ということを懸念しています。

 だからこそ、ユニセフは、イラクの子どもたちを搾取やけがから守るための方法として、すべての子どもたちが学校にもどれるように強力に支援を行っているのです。

 この紛争の間に両親を失った子どもの数について、信頼できるデータはまだありません。ユニセフや他の機関が調査を行っている最中です。

 これまで危機に陥った国々で活動してきた長いユニセフの経験から、ユニセフは、両親を失った子どもたちの保護の最初のステップとして、そのコミュニティ内で親類や友人を巻き込む努力をしてきました。実際、拡大家族やコミュニティ内での養子縁組は、こうした子どもたちにとって、第一のそして最良の選択肢であると考えられています。国際的な養子縁組は、地元での選択肢が全くなくなったときに限って考えられるべきものです。

 ユニセフは、その子どもが本当に孤児になったかどうかを確定するまで、2年間かけて家族の追跡調査を試みています。国際赤十字や「セーブ・ザ・チルドレン」も同じ原則に基づいて活動をおこなっています。

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募金のお願い

 ユニセフによるイラクへの緊急支援を求める発表を踏まえ、日本ユニセフ協会では、今後さらに必要とされるイラクの子どもたちへのユニセフの人道支援活動を支援するため、イラク緊急募金の受付を開始します。多くの皆様のご支援をお願い申し上げます。