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公益財団法人日本ユニセフ協会
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エボラ出血熱緊急募金
2015/11/25
第85報
シエラレオネ エボラを乗り越え、生活を取り戻すために 「お医者さんになるため、学校は休みたくない」
2015/11/2
第84報
ギニア エボラ出血熱の影響を受ける子どもたち 多くを失った子どもたちに再び笑顔を
2015/11/7
第83報
シエラレオネがエボラ終息宣言 影響を受けた子ども 1万1,500人以上 ユニセフ、支援を呼びかけ
2015/11/7
第82報
ユニセフ・シエラレオネ事務所代表による寄稿 シエラレオネ エボラ出血熱流行終息 「地域による、地域を通じての勝利」
2015/8/27
第81報
シエラレオネ エボラ隔離センターの閉鎖 希望と不安が入り混じる住民たち
2015/8/14
第80報
シエラレオネ エボラ隔離センターの閉鎖 希望と不安が入り混じる住民たち
2015/9/3
第79報
エボラ出血熱 リベリア、エボラ再終息宣言 今後は復興へ注力
2015/8/12
第78報
エボラ出血熱 流行3カ国 学校再開後、校内感染はゼロ 感染予防ガイドラインの成果
2015/7/31
第77報
リベリア エボラ流行で出生登録率が低下 社会から疎外される“存在しない”子ども
2015/6/12
第76報
ギニア 保健施設がない村へ移動診療 エボラ感染を早期発見するために
2015/7/3
第75報
リベリア エボラ終息宣言後、初の新たな感染確認 再び感染ゼロへ、予防への迅速な取り組み
2015/6/17
第74報
シエラレオネ 救急車の“一般公開”エボラの恐怖を取り除く試み
2015/5/12
第73報
リベリアでのエボラ終息宣言 感染ゼロを導いた取り組みとは
2015/5/9
第72報
エボラ出血熱 リベリアで終息宣言 近隣諸国からの感染に警戒続く
2015/4/7
第71報
エボラ出血熱 シエラレオネ 妊娠中にエボラ感染、回復し無事出産 国の将来を築く、ユニセフの栄養支援
2015/4/14
第70報
エボラ出血熱 シエラレオネ、8カ月ぶりの学校再開 日本をはじめ先進各国からの支援で実現
2015/4/2
第69報
ユニセフ職員 青木佐代子さん報告会 エボラ出血熱流行3カ国における『安全な学校再開への道のり』
2015/3/30
第68報
リベリア:学校に戻った子どもたち エボラ予防のための、毎朝の新習慣
2015/3/3
第67報
シエラレオネ:一緒にエボラを乗り越えよう 回復者だから可能な、子どもへのケア
2015/3/23
第66報
オーランド・ブルーム親善大使 エボラの影響を受けるリベリアを訪問 コミュニティや若者の取り組みを視察
2015/3/17
第65報
エボラ出血熱流行3カ国 ユニセフ日本人職員 活動報告会『安全な学校再開への道のり』4月2日(木)10時30分~12時 ユニセフハウス(東京港区高輪)
2015/3/17
第64報
エボラ出血熱 エボラ感染ゼロへ ― ユニセフ最新レポート発表 感染者の5人に1人は子ども
2015/3/4
第63報
ユニセフ・エボラ出血熱3カ国・情勢レポート シエラレオネ:昨秋から休校状態が続く学校 3月30日の再開に向けて支援強化
2015/2/23
第62報
シエラレオネ:エボラ回復者たちの受け入れ コミュニティの認識や行動に変化
2015/2/13
第61報
ユニセフ エボラ出血熱対応 リベリア 7カ月ぶりの学校再開へ 先月学校再開したギニア、流行前の就学率85%まで回復
2015/2/9
第60報
リベリア:エボラ犠牲者を安全に埋葬するために
2015/2/6
第59報
エボラで親を失った子ども 流行3カ国で1万6,600人以上
2015/1/21
第58報
終息に向け、強化される感染予防対策 感染疑いの子どもが報告されず、リベリアで学校再開の障壁に ユニセフ情勢レポート
2015/1/20
第57報
ギニア:エボラの影響で休校していた学校が再開 ユニセフ 1万2,000校に衛生キットを支給
2015/1/22
第56報
ギニアで学校再開、シエラレオネでマラリア予防薬配布 リベリアではエボラ孤児登録が4,500人超えるエボラ出血熱3カ国・情勢レポート
2015/1/7
第55報
エボラ孤児1万4,000人以上 はしか予防接種・学校再開にむけて ユニセフ情勢レポート
2015/1/14
第54報
9カ国で2万人以上がエボラ感染、死者は8,000人以上打撃をうける保健システム、支援強化へ
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エボラ出血熱緊急募金 第69報
ユニセフ職員 青木佐代子さん報告会
エボラ出血熱流行3カ国における
『安全な学校再開への道のり』

【2015年4月2日 東京発】

瞬く間に広がったエボラ出血熱は、ギニア、シエラレオネ、リベリアの3カ国を中心に、2万4,000人以上の感染者、1万人以上の死者を出しました(2015年3月17日時点)。子どもの教育の機会も大きく損なわれましたが、さまざまな安全対策が推進され、今年1月にギニア、2月にリベリアにて学校が再開し、シエラレオネでは4月中旬以降の再開が予定されています。こうした取り組みにユニセフはどのように関わってきたのでしょうか。ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所にてエボラ流行3カ国での教育再開事業にあたった日本人職員、青木佐代子さんによる現地報告会がユニセフハウスで開催されました。

© 日本ユニセフ協会

エボラ出血熱の大流行がもたらした教育への影響

ドミニカ共和国のユニセフ事務所で副代表として勤務していた青木さんの元にエボラ感染国における教育支援活動への支援を要請するSOSのメールが入ったのは去年の10月。緊急援助の経験もあり、フランス語(ギニアでの公用語)での業務も可能な青木さんは要請を受け、翌11月にはユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所のあるセネガルに降り立ち、2015年3月まで3カ国での教育支援活動に従事しました。

医療的な問題という側面が非常に強いエボラ出血熱の大流行ですが、教育分野にも大きな影響を与えています。7月初旬からの夏休みを経て、本来であれば9月頃には新学期が始まるはずの学校。しかし、その頃まさにエボラ出血熱の流行と社会のパニックはピークに達しており、社会的に学校を再開することができませんでした。その結果、ギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国の全ての学校が休校になり、幼稚園から大学まで500万人の子どもたち(2万4,000校に相当)の教育の機会が長期にわたって損なわれました。その大部分が初等教育の子どもたちです。

なぜ、ここまでの規模で、子どもたちの教育の機会が損なわれたのでしょうか。「もともと脆弱だった教育システムが、エボラ出血熱の危機で更に脆弱になったため」と青木さんは述べます。実際、感染拡大以前の初等教育出席率は、ギニア58%、リベリア34%、シエラレオネ74%であり、この3カ国における教育のキャパシティが元々限定的であったことが統計的にも分かります。こうした以前からあった問題が、エボラ出血熱の大流行という危機に直面する中で改めて浮き彫りになったと青木さんは指摘します。

ユニセフによる学校再開のための教育支援

こうした中で、閉鎖中の学校を再開し、子どもたちにとっての日常をできる限り早く取り戻すという試みが始まりました。しかし、その道は一筋縄ではいかなかったと言います。例えば、非接触型の体温計を介してエボラが感染するという噂などを理由に親が子どもを学校に戻すことをためらうなど、学校再開の阻害要因も数多くあったからです。

しかし、ユニセフは「学校でエボラに感染する子どもを1人も出さない」をスローガンに学校でのエボラ感染予防の徹底した取り組みを進めます。その中心となったのが、「検温・手洗い・保健センターとの提携」の3つの柱です。

学校再開のための三本柱

© UNICEF
非接触型の体温計を持つ男性と話す青木さん。
© UNICEF/NYHQ2015-0062/La Rose
非接触型の体温計を持つ男性と話す青木さん。

これに加え、並行して心のケアやコミュニティへの啓発活動を行いました。こうした要素を盛り込んだガイドラインをギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国で作成し、各地の学校が安全に再開されるよう支援を行いました。

今回の西部アフリカを中心としたエボラの大流行および付随するさまざまな問題(3カ国同時での学校閉鎖も含む)は前例がないものでした。前例がないことにどうやって対応していくか、という支援の挑戦でもありました。青木さんは「前例がない中で、(上述の)教育ガイドラインを作り上げ、各国に方向性を示していくことは、組織として緊急・開発支援の経験値が高いユニセフだからこそできた対応だった」と強調します。

これから明らかになってくるその成果

こうした取り組みも一助となり、今年の1月19日にギニア、2月16日にリベリアの学校が再開しました。学校再開から8週間後には90%近くの子どもたちが学校に戻ってきたと青木さんは述べます。また、4月中旬の再開の目処がたったシエラレオネでも3月下旬には高校が先駆けて再開しており、これから子どもたちにとっての日常が徐々に戻ってくることが待たれます。

ギニアの学校再開の初日の様子(青木さん撮影)
門付近に非接触型の体温計を持った校長先生。写真左手には手洗いのためのバケツがみえる。

ギニアで再開された学校の様子(入口付近に立つ青木さん)
© UNICEF/2015/Sayoko Aoki
ギニアで再開された学校の様子(入口付近に立つ青木さん)
© UNICEF/NYHQ2015-0056/UNMEER Martine Perret
ギニアで再開された学校の様子(入口付近に立つ青木さん)

「学校再開に至る過程には、子ども、親、先生といった名もなき一人ひとりのたゆまぬ努力があったことを忘れてはなりません」と青木さんは述べます。こうした一人ひとりのエボラに立ち向かう力とコミュニティの力が原動力となり、学校再開が叶いました。ユニセフでは、例えば安全な埋葬についてのアプローチに代表されるように、ある考え方を押し付けるのはなく、その地域の人々が問題に向き合い、自分たちで考え出した答えに沿って、自らの行動を変えていく姿勢を重要視しています。終息まで、まだ明確な見通しはたっていません。ユニセフはこれからもこうした地域の人々やコミュニティの努力を支えていく取り組みを継続していきます。

© 日本ユニセフ協会

◆報告者プロフィール◆
青木佐代子(あおきさよこ) 東京都出身。ボストン大学教育修士号取得後NGOなどに勤務。2001年よりユニセフ・ペルー事務所に赴任。世界銀行、ユニセフ・ニューヨーク本部、バンダ・アチェ事務所、コンゴ民主共和国ゴマ事務所、ミャンマー事務所を経て、2011年1月、ユニセフ・ドミニカ共和国事務所に副代表として赴任。2014年11月〜2015年3月まで、エボラ流行国での教育支援のため、ユニセフ西・中央アフリカ地域事務所に出向。

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