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公益財団法人日本ユニセフ協会
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エボラ出血熱緊急募金 第53報
シエラレオネ:
回復者が支えるエボラ出血熱対応
患者や子どもたちの気持ちに寄り添った支援

【2014年12月18日 フリータウン(シエラレオネ)発】

エボラ出血熱から回復したジュシフ・コロマさんとビリキス・コロマさん。現在は暮らしていたコミュニティに戻り、他の回復者たちとともに、エボラとの闘いが続く病院やケアセンターを支えています。

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エボラから回復したジュシフさんとビリキスさん。
© UNICEF Sierra Leone/2014/Dunlop
エボラから回復したジュシフさんとビリキスさん。

ジュシフ・コロマさん(26歳)と妹のビリキスさん(23歳)はエボラ出血熱から回復を遂げました。しかし、父親や4人の兄弟、7人の姉妹を含む17人の親類をエボラで亡くしています。

ふたりは自宅でエボラに感染した後、首都フリータウンにあるコンノート病院の隔離棟に搬送され、約2週間後に退院しました。

「生まれ変わったかのようです。エボラに感染していた時は、死をとても身近に感じていました。退院した日、新しい人生が始まったように感じました」とジュシフさんが当時を思い出しながら話します。

ふたりとも後遺症もなく、健康だといいます。そして退院から2カ月後、ふたりは人生を建て直す大きな一歩を踏み出しました。

しかし、ジュシフさんとビリキスさんは、エボラとの闘いを忘れ去るわけではありません。ふたりはコミュニティに戻り、エボラの影響を受ける家族を支える、必要不可欠な仕事を始めました。

「気持ちが分かるから」

エボラで孤児となった子どものための一時ケアセンターに身を寄せる子どもたち とジュシフさん(中央)
© UNICEF Sierra Leone/2014/Dunlop
エボラで孤児となった子どものための一時ケアセンターに身を寄せる子どもたち とジュシフさん(中央)

ユニセフは政府を支援し、エボラの感染拡大阻止に回復者が果たすことのできる役割を模索するための重要な役割を担っています。2014年10月、この地域で初となる、エボラ回復者のための会議がケネマで開催されました。2回目以降の会議の開催に向けた準備も進んでいます。

ジュシフさんやビリキスさんのような回復者たちが、保健施設や社会啓発活動、子どものケアの最前線で、エボラとの闘いを支えています。

ジュシフさんはエボラの影響を受ける子どもたちを支援するNGO団体でソーシャル・ワーカーとして働き始め、一時ケアセンターに身を寄せるエボラで孤児となった子どもたちのための活動を行っています。

「父親が大黒柱として、家族全員を支えていました。しかし、父や多くの家族を失い、わたしが家族を支えなくてはいけなくなりました。今は安定した職に就くことができています」ジュシフさんはそう話すと、「ここで働くことができて幸せです。エボラに感染した経験から、今後子どもたちを待ち受けている問題や彼らの気持ちが分かりますから」と付け足しました。

ジュシフさんは一時ケアセンターで最大20人の子どものケアを行っています。食事を提供したり、ゲームや学習、心のケアの支援を行います。「子どもたちをケアし、注意深く見守る必要があります。一緒に遊び、精神状態を確認し、十分な食事を取れるようにしています」(ジュシフさん)

数週間後、ジュシフさんは新設された経過観察のための一時ケアセンターに移り、更に多くの役割を担うことになります。このセンターに身を寄せる子どもたちは、検査でエボラに感染していないという結果が出ていても、感染した家族と生活を共にしていた際や隔離棟に身を寄せていた際にエボラ・ウイルスにさらされていた可能性があります。そのため、この一時ケアセンターでは、ウイルスの潜伏期間である21日間、子どもたちにケアを提供し、体温や健康状態の検査を行います。そしてその後、家族との再会を果たします。シエラレオネ全土で経過観察のための一時ケアセンターが少なくとも14カ所設置されています。ユニセフはそのうちの10カ所にパートナー団体を通して資金提供を行っています。

患者の気持ちに寄り添い、エボラ対応を支える

フリータウンのコンノート病院で看護師として働く、エボラ回復者のビリキスさん。
© UNICEF Sierra Leone/2014/Dunlop
フリータウンのコンノート病院で看護師として働く、エボラ回復者のビリキスさん。

ビリキスさんは、彼女自身も感染した際に治療を受けていたコンノート病院で働き、エボラ患者を支えています。看護師として、エボラの感染が疑われる人たちや感染が確認された人たちのケアを行っているのです。最大4時間、防護服を身につけて患者に薬や食事、ケアを提供しています。しかし、毎日少なくとも5人は亡くなるといいます。ビリキスさんは、感染の危険が高いとされる、遺体をきれいにして搬送する仕事も行っています。

「患者が実際に経験することや、襲いかかる不安や恐怖が身に染みて分かります。わたしにも起こったことですから。エボラという病気との闘いは、精神的な負担もとても大きいのです」(ビリキスさん)

「わたしがエボラからの回復を遂げることができたのは、兄や医師、看護師たちから掛けてもらった言葉のおかげだと思います」とビリキスさんが話しました。

エボラに感染する前からコンノート病院で看護師として働いていたビリキスさん。エボラ看護師としての復帰は、まさに適任といえるでしょう。「エボラから人々の命を救うために必要な技術と免疫があります。わたし以上にこの仕事に適した人はいないでしょう。看護師としての仕事が好きです。ここで一緒に働くチームは、家族のようにお互いをサポートしています」と、ビリキスさんが語ります。

エボラ回復者と医療従事者の代弁者だというビリキスさんは、安全な作業法を看護師に教えたり、偏見に対する認識向上のためのワークショップに参加しています。「エボラに関する知識を広げる責任があります。シエラレオネでのエボラの感染を阻止したいです」(ビリキスさん)

ユニセフは子どもの保護や心のケア、ジェンダーの平等などの分野で支援を行い、シエラレオネでのエボラの感染拡大阻止のため、政府とともに重要な役割を担っています。

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