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エボラ出血熱緊急募金 第35報
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© UNICEF Nigeria/2014/Alogaga |
ベナン市でのU-Report会議で、U-Reporterに登録するナイジェリア政府の職員たち。 |
ナイジェリアでエボラが発生してから、ンネ・オルジさんは、塩を入れたお風呂に入り、塩水を飲んでいました。エボラを予防できると聞き、ほかの多くのナイジェリアの人と同じく、効果を信じていました。しかし、このような誤った情報は、多くの人の命を危険にさらします。
入国審査官のンネさんは、海外からの旅行者と接触する機会があるため、感染するのではと不安に思っていました。
自分の命を守るためにできることは何でもしようと思っていたものの、何をするべきなのか、正しい情報を持っていなかったンネさん。社会全体に感染への恐怖が広がるなか、感染経路や予防法についてのうわさは、あっという間に広がりました。ンネさんも、そうしたうわさを信じたひとりでした。
しかし、姉から携帯電話のテキストメッセージをもらい、ンネさんの意識は180度変わりました。ンネさんはようやく、エボラに関する正しい情報を得たのです。そして、その内容を同僚にも共有し始めました。
ンネさんが受け取ったのは、ユニセフが開発した携帯電話のテキスト機能を使ったプラットフォーム・U-reportから発信されたメッセージで、エボラに関する正しい情報を社会に広めるための一環として送信されたものです。U-Reportに登録をしてU-Reporterになると、メッセージを複数の人に転送できるようになります。
ユニセフがナイジェリアでU-Reportの使用を開始したのは今年の4月。携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)機能を使い、契約者は、国中のU-reporterにさまざまな問題について質問をしたり、回答をもらったり、情報を共有できます。新しく効果的なコミュニケーション・プラットフォームの利用が可能となったことで、コミュニティに基づく開発と市民による取り組みの強化、行動の変化が期待されています。
ナイジェリアでエボラの感染が確認されると、人々は直ちに予防法の情報を探し始めました。ンネさんが試した塩水を使った方法は、ソーシャルメディアを通じて広まった誤った情報でした。
U-Reportでは、たとえ社会啓発活動や訪問などが難しい場所であっても、より早く情報を届けられます。エボラ感染が確認される前、1万9,000人だったU-Reportの登録者数は、感染後1カ月で、6万3,000人までに急増しました。多くの人が、エボラの原因や症状、治療、予防法についての情報を求め、U-Reporterでない人にも正しい情報を伝えたのでした。
© UNICEF Nigeria/2014/Moser |
市場でエボラの予防法を伝える保健員。 |
ンネさんの姉のオルオマ・オドムさんはジャーナリズムを教える教員で、今年の5月にユニセフが実施したジャーナリストやジャーナリズムの教員向けの研修で、U−Reporterの登録をしました。「私がしたことは、メッセージを受け取るたびに、国内にいる兄弟姉妹に転送することでした。入国審査官をしている妹のンネが、一番喜んでくれました。感染リスクが高いと感じていたにもかかわらず、ンネは正しい情報を何ら持っていなかったからです」と話しました。
エボラの感染法と予防法を広めることは、ナイジェリアでエボラを封じ込める上で、極めて重要な取り組みのひとつです。そのため、戸別訪問キャンペーンや、エボラに関する正しい情報を広める活動に加え、ユニセフはU-Reportを通じて、多くの人に情報を届けています。
ユニセフ・ナイジェリア事務所の保健チーフでU-Reportの管理をしているアブバカル・カムポは「感染してからの最初の24時間で、U-Reportの登録者数は1万9,000人から倍増しました。正しい情報を必要としていた人が多かったことの表れです。質問には、リアルタイムで返信されます。エボラの予防方法に関する質問や答え、WHOからの情報はTwitterやFacebookで共有されています」と語りました。
カムポ保健チーフは「たとえば、このような質問が寄せられました。ビター・コラ(食物の実)を食べれば治るのか?エボラは空気感染するのか?野生動物の肉を食べると感染するのか?蚊帳で予防できるのか?-人々が知りたいことは、このような質問への答えなのです」と続けました。
何千人ものU-Reporterが友達や家族にメッセージを共有するのに加えて、主要なラジオ局やテレビ局がU-Reportのメッセージを放送したことから、メッセージは何百万人もの聴衆に届けられました。
ユニセフ・ナイジェリア事務所代表のジャン・ゴフは「ソーシャルメディアを侮ってはなりません。ナイジェリアでは、1億人以上が携帯電話を持っており、携帯電話があれば、すぐに正しい情報を得たり、質問をしたり、リアルタイムで返事をもらえるのです。こうした新たな取り組みは、コミュニティによる協力を働きかけ、人々が必要とする社会の変化を促進するものです」と語りました。
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一般的に、感染症流行の終息を宣言するためには、(感染例が確認されない期間が)42日間が必要とされています。これは、 (ウィルスの)潜伏期間である21日間の倍の期間にあたります。
ナイジェリアとセネガルでは、今後新たな感染が確認されなければ、近日中にエボラ終息宣言が出される見込みです。
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