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公益財団法人日本ユニセフ協会
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エボラ出血熱緊急募金 第31報
エボラ出血熱
エボラで孤児になった子ども3,700人以上
10月半ばまでに倍増する恐れ

【2014年9月30日 ダカール(セネガル)/ジュネーブ/ニューヨーク発】

エボラ出血熱から回復したという証明書を見せるローズちゃん(5歳)。兄以外の家族全員がエボラに感染し、両親が亡くなって孤児となってしまった。(シエラレオネ)
© UNICEF Sierra Leone/2014/Dunlop
エボラ出血熱から回復したという証明書を見せるローズちゃん(5歳)。兄以外の家族全員がエボラに感染し、両親が亡くなって孤児となってしまった。(シエラレオネ)

ユニセフはエボラ出血熱の感染が確認されて以降、ギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国で少なくとも3,700人の子どもたちが、両親または親の一方をエボラ出血熱によって亡くしたとの推計を発表しました。エボラで親を失った子どもたちの多くは、エボラへの感染を恐れる親族から引取りを拒否されています。

エボラで孤児になる子どもたち

ユニセフ・西部・中部アフリカ地域事務所代表のマニュエル・フォンテーンは、2週間に及ぶ感染3カ国への訪問を終えてセネガルのダカールに戻り、現場の状況を次のように語りました。「何千人もの子どもたちが、母親や父親、そして家族をエボラで失っています。これらの子どもたちに特別な関心を寄せ、支援することが急務です。しかし多くの子どもたちは、自身が望まれない存在となってしまった、さらに見捨てられたと感じています。エボラの感染が起きている3カ国では、親が亡くなり子どもが孤児となった場合、親族が引きとって育てることが一般的です。しかし、エボラの感染を恐れるあまり、その恐怖心が家族の絆よりも強くなっている地域も存在しています」

3カ国ではエボラによる死者が増え続けていることから、この数週間でエボラによって孤児となった子どもの数も急増していると推定されており、10月半ばまでには倍になるとみられています。

エボラは子どもたちの感情面にも大きな影響を及ぼしており、とりわけ、子どもたち自身や両親が治療で隔離されるときにはその影響が大きくなっています。

ユニセフはエボラ対応を拡大するなか、こうした子どもたちが必要とする心身のケアを行う方法を、従来の方法、また新しい方法で検討しています。

ユニセフの支援

<リベリア>
ユニセフは政府を支援し、新たにメンタル・ヘルスとソーシャル・ワーカー400人の研修を実施。また、現地当局とともに、最も感染が広がっている地域で、エボラの影響をうけている子どもたちへの家族と地域社会による支援の強化をサポートし、地域社会に拒絶されたり、家族を亡くした子どもたちにケアを提供しています。

<シエラレオネ>
今後6カ月間で、2,500人以上がエボラから回復すると見込まれています。回復した人たちはエボラに対する免疫を持っているため、回復者に研修を実施し、治療センターに隔離されている子どもたちのケアや支援を行えるようにする計画です。また、子どもたちに心のケアを行うとともに、国内にある拡大家族追跡ネットワークを通じて、家族とはぐれている子どもたちが家族の下へ帰れるよう、活動しています。

<ギニア>
ユニセフとパートナー団体は、エボラの感染が起きている地域で厳しい状況下にある子どもと家族約6万人に心のケアを行う予定です。

感染拡大を阻止するために

フォンテーヌ代表は「病気の子どもの看病をすることは、人間の基本的な行動です。しかし、エボラは、子どもの看病が死刑宣告と捉えられるほどの恐怖を与え、エボラの影響を受けている子どもたちの大多数は、適切なケアが受けられないままです。このような危機、そしてこれだけの規模に、通常のやりかたでは対応しきれません。さらに勇気と創造性をもって、またいっそうのリソースを投じて対応せねばならないのです」と述べました。

ユニセフは9月16日、西アフリカ地域一帯で、保護を含めた子どもと家族へのエボラ緊急支援対応のために、2億米ドルの資金(約214億円 ※1米ドル=107円で換算、発表時のレート)を国際社会に要請しています。現時点で寄せられた資金は25%であり、さらなる支援を求めています。

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