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公益財団法人日本ユニセフ協会
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緊急支援情報
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エボラ出血熱緊急募金
2014/12/18
第53報
シエラレオネ:回復者が支えるエボラ出血熱対応 患者や子どもたちの気持ちに寄り添った支援
2014/12/9
第52報
ギニア:エボラ出血熱 感染への恐怖やトラウマ、支援の壁に ユニセフ報道官の現地報告
2014/12/12
第51報
エボラ出血熱 ユニセフ、5億米ドルの資金援助を国際社会に要請 今後半年間の活動、76%の資金不足
2014/12/5
第50報
シエラレオネ:エボラ出血熱とマラリア封じ込め 240万人にマラリア予防薬を配布
2014/12/4
第49報
エボラ出血熱3カ国・情勢レポート シエラレオネ、リベリア、ギニア ますます多くの子どもたちが、エボラの影響下に
2014/11/20
第48報
シエラレオネ:治療やケアをより住民の身近な場所に エボラの地域ケアセンターを設置
2014/11/14
第47報
エボラ出血熱:シエラレオネ エボラ地域ケアセンターが開設 北部ボンバリの10カ所に
2014/11/11
第46報
エボラ出血熱:マリ 国内外から多くの人が集まるバスターミナル 適切な手洗いなどの実施で、エボラ予防へ
2014/10/27
第45報
エボラ出血熱:ギニア 最初の感染者とされる2歳の男の子 家族を亡くし、笑顔を奪われた父
2014/10/28
第44報
エボラ出血熱:シエラレオネ「触れてはいけない」エボラ看護師、子どもへのケアに心痛
2014/11/7
第43報
エボラ出血熱:支援物資のべ3,000トンに到達 エボラ対応での最大の物資供給機関
2014/11/3
第42報
シエラレオネ:エボラ出血熱で保健医療に大きな影響 予防接種率が大幅に減少
2014/10/27
第41報
エボラ出血熱:マリで初の感染報告 感染に備えたある村での取り組み
2014/10/28
第40報
エボラ出血熱3カ国・情勢レポート 感染者1万人を超える 治療・隔離・回復後の子ども、孤児への支援を
2014/10/21
第39報
シエラレオネ:エボラ感染拡大 学校が休校、子ども170万人が通えず ラジオ授業が開始、自宅が教室に
2014/10/16
第38報
シエラレオネ:弟と妹が幸せでいられたら エボラ孤児となった15歳の少女
2014/10/17
第37報
リベリアからの報告 エボラに苦しむ子どもたち 約3,700人が親を失い孤児に
2014/10/15
第36報
シエラレオネ:エボラ回復者の経験を生かすために 自身と子どものケアのための会議を実施
2014/10/13
第35報
ナイジェリア: ソーシャルメディアでエボラ感染を食い止める
2014/10/15
10月15日「世界手洗いの日」 エボラ出血熱の予防にも有効な手洗い 下痢で命を失う子どもは1日に約1,000人
2014/10/7
第34報
エボラ出血熱:シエラレオネ 感染予防のための研修を実施
2014/9/30
第33報
ナイジェリア:広がる差別、エボラ回復者や接触者の苦悩 地道な啓発活動で、正しい知識を伝える
2014/9/30
第32報
エボラで孤児となった兄妹 感染拡大で、人々の心に深い傷
2014/9/30
第31報
エボラ出血熱 エボラで孤児になった子ども3,700人以上 10月半ばまでに倍増する恐れ
2014/9/30
第30報
エボラ出血熱・死者3,000人を超える 治療・予防・啓発活動の拡大を
2014/9/25
第29報
エボラ出血熱・リベリア 家庭用防護キット5万セットを提供へ 首都モンロビアに9,000セットが到着
2014/9/18
第28報
シエラレオネ:エボラ対応の一方で「助かる命が失われている」事態も 日本人 開発コミュニケーション専門官による報告
2014/9/18
第27報
シエラレオネ:9/19〜21戸別訪問キャンペーン実施。国内150万世帯を訪問、予防・感染拡大阻止を啓発
2014/9/16
第26報
ユニセフ2億米ドルの資金を要請。感染3カ国で850万人の子ども・若者へ影響及ぶ
2014/9/12
第25報
リベリア:保健施設や学校閉鎖、孤児など養育放棄される子どもの約2割は2歳未満
2014/9/8
第24報
ナイジェリア:「必ず生きて退院する」回復者が語るエボラ 携帯電話や戸別訪問で啓発活動を実施
2014/9/7
第23報
シエラレオネ:エボラ啓発・予防に全世帯の訪問実施。19日から3日間、全世帯が自宅待機に
2014/8/27
第22報
リベリア:一軒一軒訪ね歩いて住民の元へ 命を守るため、予防法を広める“サポーター”
2014/9/5
第21報
シエラレオネ:医療関連物資48トンが空路到着 3カ国での死者は2,000人以上
2014/8/31
第20報
シエラレオネ: 感染者の5人にひとりは子ども 親を失ったり、家族とはぐれた子どもは365名
2014/8/24
第19報
シエラレオネ:111名の子どもが家族と離れ離れに ケネマとカイラフンの調査結果から
2014/8/23
第18報
リベリア:保・衛生物資68トンが首都に到着。1週間で最大の感染者約300名を確認
2014/8/20
第17報
エボラ出血熱:リベリア、感染4カ国で最多の死者。シエラレオネ、感染者先週より100名増
2014/8/15
第16報
リベリア:1週間で最大の感染者数、感染拡大とまらず。これまでに778名が感染、402名が死亡
2014/8/12
第15報
シエラレオネ・ギニア:エボラ出血熱による死者1,000名以上に。正しい予防法や対処法の普及が重要
2014/8/7
第14報
シエラレオネ:エボラ出血熱から回復、143人に、健康を取り戻した人々の喜びの声
2014/8/6
第13報
シエラレオネ:命の危険を冒しても、治療を。エボラ出血熱とたたかう医療関係者たち
2014/8/3
第12報
シエラレオネ:広がる恐怖や差別、捨てられる子どもたち。ユニセフ、必要支援額の85%が不足
2014/7/30
第11報
リベリア:非常事態を宣言、医療関係者の死亡も増加。これまでに352名が感染、170名が死亡
2014/7/25
第10報
ギニア:エボラ出血熱から回復した女性。「もう一度、生きるチャンスをもらった」
2014/7/14
第9報
西アフリカ:エボラ出血熱の予防策普及には信頼に基づく広報活動が重要。感染3カ国と感染ハイリスク4カ国での取り組み
2014/7/11
第8報
西アフリカ:エボラ出血熱への誤解で広がる感染。ユニセフ、感染拡大阻止のために活動拡大
2014/7/4
第7報
西アフリカ:エボラ出血熱、感染拡大止まらず
2014/6/2
第6報
ギニア、リベリア:エボラ出血熱、封じ込めならず、広がる感染
2014/4/10
第5報
西アフリカ:エボラ出血熱、西アフリカへ拡大。正しい情報を広め、感染拡大防止を。ギニアとリベリアで111件の感染、マリで6件の疑い。日本ユニセフ協会より、計30万ドルを支援
2014/4/1
第4報
ギニア共和国:エボラ出血熱が発症。日本政府による52万米ドルの緊急支援が決定
2014/3/28
第3報
ギニア共和国:エボラ出血熱、首都で4件の発症を確認。治療法なし、塩素やせっけんなどでの予防策の強化を
2014/3/26
第2報
ギニア共和国:エボラ出血熱子ども11人感染、うち3名死亡。封じ込め作戦を展開/首都での発症は確認されず
2014/3/22
第1報
ギニア共和国:エボラ出血熱で少なくとも子ども3人が死亡
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エボラ出血熱緊急募金 第45報
エボラ出血熱:ギニア
最初の感染者とされる2歳の男の子
家族を亡くし、笑顔を奪われた父

【2014年10月27日 ギニア発】

現在、西アフリカ地域で猛威を奮っているエボラ出血熱。その最初の感染者とされる2歳の男の子が住んでいたのは、ギニアのゲケドゥーにある小さな村、メリアンドゥ。南アフリカ共和国に本社をおく新聞社The Daily Maverickの記者が、エボラ出血熱の影響をほとんど受けていない南アフリカから遠く離れたギニアのメリアンドゥを訪れ、その道のりと心境を投稿しました。(2014年10月27日同紙に掲載)

***

最初のエボラの感染者とされるエミールくん一家の写真。(ギニア)
© UNICEF/2014/Beukes
最初のエボラの感染者とされるエミールくん一家の写真。

エボラ出血熱の危機から遠く離れていればいるほど、その真の恐ろしさにきちんと目を向けられていないというのは本当なのです。私は、エボラの感染拡大の始まりとされる西アフリカのギニアの美しい森の中にある小さな村、メリアンドゥを訪れ、そう感じざるをえませんでした。

南アフリカからギニアへ向かうにあたり、私はたくさんの消毒剤や非接触体温計、予備として旧式の水銀の体温計、マラリア用の薬、抗生物質、手袋、長靴、マスクなどをスーツケースいっぱいに詰め込みました。そして頭の中はエボラに関する報道や悪化の一途をたどる被害状況、感染者や家族を失った人たちの悲劇的な話でいっぱいでした。

目的地:“グラウンド・ゼロ” 感染始まりの地

南アフリカのヨハネスブルグからセネガルのダカールを経由し、まずはギニアの首都コナクリに降り立ちました。その後、国連専用機でキシドウゴウに向かい、7カ所の塩素手洗い所と体温チェックの後、その美しい景色とは裏腹に危険な道のりを車で2時間かけてゲケドゥを目指しました。ゲケドゥには国内2カ所に設置されたエボラ治療センターがあります。

ゲケドゥからエボラ感染の始まりの地とされる村までは、更に道なき道を進みました。その村には、ニュースなどでエボラの最初の感染者と報じられている2歳の男の子が暮らしていた家があります。

最初の感染者とされる男の子の名前はエミール・ウアモウノくん。感染経路は確かではありません。2013年12月に死亡したエミールくんに続き、姉のフィロメーヌちゃん、そして母親も相次いで亡くなりました。

エミールくんの父親のエティエンヌさんは、たった1カ月という短い間に、大切な家族が次々と亡くなっていく状況を目のあたりにしました。深い悲しみのなかにあるエティエンヌさんが、山のようにある古い写真の中から生後数日のエミールくんの写真を見せてくれました。その写真のなかには、若い両親にぎこちなく抱かれた、毛布で包まれたかわいい男の子が映っていました。エティエンヌさんは濁った茶色の外壁の色とは対照的な真っ赤なラジオをつけ、「エミールはラジオを聞くのが好きでした。妻は、エミールをおんぶするのが好きだったんですよ」と語り始めました。

高熱や下痢、出血に苦しみ、残酷な死を遂げる前、エミールくんとフィロメーヌちゃんは庭で踊ったり、ボール遊びをするのが好きだったといいます。かつてこの家は笑顔や笑い声で溢れていました。しかし今は、深く残された悲劇の爪痕が残るだけです。

「以前にまして貧しくなった」

進行が早く、苦痛が伴う症状で知られるエボラ出血熱。しかし、人々に長期的に与える影響は、更に残酷なものです。農業を営むエティエンヌさんを襲うのは、家族を失ったトラウマだけではありません。エボラによる偏見が、経済的な破綻までもたらしました。メリアンドゥで暮らす住民はホウレンソウや小麦、米、トウモロコシ、バナナなどの作物をゲケドゥで売って生計を立てていました。しかし、状況は一変してしまいました。

ゲケドゥにあるエボラ治療センター。(ギニア)
© UNICEF/2014/Beukes
ゲケドゥにあるエボラ治療センター。

「だれもメリアンドゥで作られた作物を買いたいという人はいません」と、村長のアマドゥ・カマノさんが語ります。恐怖やパニックに襲われ、エボラで死亡した人が使用していたマットレスや毛布に限らず、所有物を燃やしているといいます。「みんな、あまりの恐怖にすべて燃やしてしまうのです・・・私たちは今まで以上に貧しくなってしまいました」(カマノさん)

経済的な影響はメリアンドゥだけでなく、ギニアの幅広い地域に及んでいます。世界銀行の推定によると、旅行者や貿易業者、投資家などの間で広がる偏見や誤解により、ギニアの経済的損失は、GDPの最大2.3%にまで及ぶだろうとしています。エボラの感染が確認される以前から、国民の43%が貧困ライン(1日1.25米ドル)以下で生活していたギニアを、世界は事実上孤立させていると言っても過言ではありません。

子どもたちへの壊滅的な影響

メリアンドゥのあるギニア東南部は、昔観た映画のワンシーンのように美しく、人の手が入っていない森林に囲まれています。この密林には、きっと危険な肉食動物が多く生存していることでしょう。しかし、それも、エボラが住民にもたらす脅威とは、比べ物にはなりません。

広範囲に及ぶ壊滅的な被害は子どもたちにも及んでいます。エミールくんやフィロメーヌちゃんのように、子どもたちもエボラに感染し、大変な苦痛を経験しています。それだけではありません。両親の片方、もしくは両方をエボラで失い、孤児となった子どもは推定1,400人。孤児となった子どもたちは、親を失ったことによるトラウマだけでなく、偏見とも闘わなくてはいけません。家族や親せきも、あまりの恐怖によって、孤児となった子どもたちを受け入れられずにいます。

「家族や子どもを見捨て、村から逃げていきます。エボラに感染した子どもや家族を、家族ですら拒否するのです。ユニセフは子どもたちに対する直接的な支援だけでなく、家族が偏見と闘うための支援も行っています」と、ユニセフ子どもの保護担当官のファッソ・イジドー・ラマが話します。

恐怖の連鎖

エボラで死亡した妻のお墓のそばで写真を撮ってほしいと頼むウアモウノさんと娘。(ギニア)
© UNICEF/2014/Beukes
エボラで死亡した妻のお墓のそばで写真を撮ってほしいと頼むウアモウノさんと娘。

ギニアやシエラレオネ、リベリアでエボラの感染が拡大を続ける中、メリアンドゥでは4月以降、新たな感染者は確認されていません。メリアンドゥの住民はエボラの症状や感染の予防法を学び、徐々に偏見も薄まりつつあります。

しかし、エボラによる初の死亡者となった家族の家の横にもうけられた14のお墓が、このコミュニティが経験した、消え去ることも忘れ去られることもない痛みと苦しみを物語っています。そしてメリアンドゥは、現在も対応能力を超えて広がり続けるエボラ出血熱の感染の始まりの地として、永遠に歴史に名を残すのです。

私がこの地を訪れるためにスーツケースや頭いっぱいに携えてきたものは何ひとつ、私の今のこの感情を抑えることも和らげることもできなかったと、村を去るときに実感しました。悲しみに暮れるエミールくんの父親や、エボラの真の姿を目のあたりにして、この地を訪れる前に抱いていたエボラへの考えは崩れ去りました。家族を崩壊させ、コミュニティを破滅させ、人生をくるわせ、子どもたちから笑顔や笑い声すらも奪うエボラは、世界を包み込む大いなる脅威なのです。

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「エボラ出血熱緊急募金」は2016年1月31日をもって受付を終了いたしました。
皆様のご協力によって、これまでにお預かりした浄財は
13億5,998万3,795円にのぼりました。
皆様の温かいご支援に心から御礼申し上げます。
エボラ出血熱緊急募金 受付終了について »
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◇ アフリカ緊急募金のご案内 ◇

日本ユニセフ協会では、アフリカで発生しているさまざまな緊急事態の影響を受ける子どもたちのために、緊急・復興支援活動を行っています。ユニセフのこうした活動を迅速に支援するため、アフリカ緊急募金を受け付けています。


アフリカ緊急募金
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口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「アフリカ」と明記願います。
*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。
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