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公益財団法人日本ユニセフ協会
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エボラ出血熱緊急募金 第41報
エボラ出血熱:
マリで初の感染報告
感染に備えたある村での取り組み

【2014年10月27日 バナコ(マリ)発】

マリ西部カイ近くの村で、エボラの予防法を伝える女性グループのメンバー。カイでは、同国初となるエボラ感染が確認された。
© UNICEF Mali/2014/Samake
マリ西部カイ近くの村で、エボラの予防法を伝える女性グループのメンバー。カイでは、同国初となるエボラ感染が確認された。

10月23日に初となるエボラ感染が確認されたマリ。エボラ流行国のギニアと国境を接するマリでは、感染の危険性が高かったことから、事前の取り組みが進められてきました。

* * *

マリ西部のカイにある村で、エボラ予防法の啓発活動を行っているサヨン・トラオレさんは「ギニアの村々と私たちの村は、人の往来や商業活動があります。そのため、私たちはみな感染リスクが高い状態にあり、草の根活動も難しくなっています」と話しました。

トラオレさんは、ギニアとの国境から約100キロの場所にある、マリ西部のカイのセリンゲにあるダラバラ村の住人です。村長の妻で、村の女性グループのリーダーであるトラオレさんは、適切な栄養や保健、教育、子どもの保護の促進のための活動を地域で積極的に行っています。

隣国ギニアやリベリア、シエラレオネでエボラが発生したとのニュースを聞くや否や、トラオレさんは村の女性グループを集め、村を守るための方法を話し合いました。

戸別訪問をし、エボラやほかの病気を予防するための衛生習慣に関する勉強会を開き、病気になった時の経過観察の方法やエボラとその予防法について情報を発信し始めました。また、地域の保健センターから、チラシやポスター、パンフレットを入手し、女性グループのメンバーは、戸別訪問も行いました。

意識を高める

10月23日にマリで初のエボラ感染が確認されて以降、トラオレさんたちの取り組みは更に差し迫ったものになっています。

感染予防のため、石けんを使った正しい手洗いを友人に見せるマリエム・シディベさん。(14)
© UNICEF Mali/2014/Dicko
感染予防のため、石けんを使った正しい手洗いを友人に見せるマリエム・シディベさん。(14)

エボラの感染を食い止めるには、エボラに関するうわさや恐怖、誤解と闘い、正確な情報を発信し、住民へ伝える活動が必要です。全体的なエボラ対策において、こうした取り組みが一層重要になります。

「まず、自分の家族に正しい衛生と予防法を教えることから始めました。子どもたちと孫7人に、どのようにしてエボラに感染するか説明し、特に、野生動物を捕まえたり、触れたりすることに気を付けるよう伝えました。正しい手洗いの方法は、私が保健センターで教えているのを見ているので、わかっています。それ以降、子どもたちがきちんと手を洗っており、うれしいです」と話すトラオレさん。

トラオレさんは、住民たちはエボラウイルスの危険性を認識しつつあるといいます。「多くの人が、漂白剤やせっけん、手洗い用品を買うのを見かけています」と語りました。

政府やパートナー団体と協力し、ユニセフ・マリ事務所は、移動チームや地域のラジオ放送などを通じて、エボラの感染リスクが高い地域へ予防法の普及を行ってきました。国レベルでは、テレビやラジオ、新聞、看板などの制作を支援しています。

ユニセフは、治療・隔離用のテントや下痢治療キット、浄水剤などの水と衛生用品を含む物資をマリ政府に提供してきました。

トラオレさんは「保健省やイスラム議会、ユニセフ、WHO、他のパートナー団体が立ち上げた啓発キャンペーンは、私たちの村にエボラが広がるのを防ぎ、何千人もの命を守る助けになると思います。ユニセフを含む関係者のみなさんに、エボラが私たちの地域の人々、特に子どもの健康を阻むことのないよう、共に努力を続けてほしいと思います」と続けました。

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