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公益財団法人日本ユニセフ協会
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エボラ出血熱緊急募金 第49報
エボラ出血熱3カ国・情勢レポート
シエラレオネ、リベリア、ギニア
ますます多くの子どもたちが、エボラの影響下に

【2014年12月4日東京発】

12月3日、WHO(世界保健機関)はエボラ出血熱の感染が確認されて以降、感染者が8カ国で1万7,145人となり、6,070人が死亡したと発表しました。また、11月30日までに医療従事者622人が感染し、うち346人が死亡しました。感染者・死亡者の内訳は以下の通りです。

ギニア感染者 2,164人死亡者 1,327人  ※医療従事者106感染(うち59人死亡)
リベリア感染者 7,635人死亡者 3,145人  ※医療従事者361人感染(うち174人死亡)
シエラレオネ感染者 7,312人死亡者 1,583人  ※医療従事者138人感染(うち106人死亡)
マリ感染者 8人死亡者 6人     ※10/23感染確認 医療従事者2人感染
ナイジェリア感染者 20人死亡者 8人     ※医療従事者11人感染、10/20終息宣言
セネガル感染者 1人死亡者 0人     ※10/17終息宣言
スペイン感染者 1人死亡者 0人     ※医療従事者1人感染  12/2終息宣言
米国感染者 4人死亡者 1人     ※医療従事者3人感染
合計感染者 1万7,145人死亡者 6,070人

出典:WHO EBOLA RESPONSE ROADMAP SITUATION REPORT UPDATE 26 OCTOBER 2014

感染が続くシエラレオネ、リベリア、ギニア3カ国の情勢レポートより、現地の状況、ユニセフの活動をご報告します。

* * *

シエラレオネ:エボラに感染したり、親を失った子どもは7,050人*

地域ケアセンターで研修を受けた、防護服に身を包む保健員たち。(シエラレオネ)
© UNICEF/NYHQ2014-3004/James
地域ケアセンターで研修を受けた、防護服に身を包む保健員たち。(シエラレオネ)

【2014年11月26日 フリータウン(シエラレオネ)発】

本情勢レポートの統計は、シエラレオネ保健衛生省が発行する日刊報告書に基づくものです(報告期間:11月26日時点)。

■概要

  • 2014年11月26日時点で、エボラ出血熱への感染が確認された人は5,595人、うち、確認された死亡者は1,429人、956人が回復。エボラと確認されたうち、22%が17歳以下の子ども。
  • これまでに、エボラの影響を受けた子どもは7,050人(定義*:隔離された子ども、一方もしくは両方の親を失い孤児となった子ども、家族とはぐれた子ども、治療中または退院した子ども)
  • シエラレオネの人口:634万人***
    **FTRネットワークによる統計(2014年11月24日時点) ***シエラレオネ政府による統計(2014年)
  • ユニセフが支援する地域ケアセンターがボンバリの10カ所に開設。このケアセンターで子ども10人を含む66人のエボラへの感染の疑いがある人を受け入れた。うち38人がエボラへの感染が確認され、26人がエボラ治療センターへ搬送、23人が退院、1人の死亡が報告されている。退院を待つ子どもを3人含め、11人が引き続きケアを受けている。

■ユニセフの取り組み

<保健>

  • 感染の予防とコントロールを行う国中の村落診療所の保健スタッフへの研修を継続。151の診療所で研修が実施された。目標の41%(目標1,200カ所中、497カ所)への研修が終了し、合計2,183人の保健員が研修を受けた。

<子どもの保護>

  • ユニセフが主導する家族の追跡と再会(FTR)ネットワークで、現在までに7,050人の子ども(女の子3,559人、男の子3,491人)がエボラ危機による直接の影響を受けていると特定。また、そのうちエボラで両親の片方、もしくは両方を失った子どもは2,753人。371人の子どもが保護者を伴っていないか、離れ離れになっている。
  • 805人の子ども(女の子410人、男の子395人)がエボラへの感染を確認され、489人が回復。FTRネットワークを通して、3,424人の子どもたちが心のケア支援を受け、親によるケアを受けられていなかった360人の子どもたちが家族と再会、もしくは里親ケアを受けている。

<教育>

  • シエラレオネ全土で学校が閉鎖されているなか、子どもたちが勉強を続けられるよう、教育科学技術省はユニセフやパートナー団体の協力の下、緊急ラジオ教育プログラムを国中で実施。毎日1時間単位の授業をラジオで放送している。今週、ラジオ教育プログラムの迅速評価のため、ユニセフのパートナー団体がラジオ放送時間にあわせて10の地域の合計2,489世帯を訪問。その結果、47%にあたる1,180世帯の初等教育学齢期の子どもがラジオ放送を利用していた。
  • ユニセフの支援のもと教育科学技術省が実施した緊急ラジオ教育プログラムのモニタリングと啓発のための戸別訪問キャンペーンは、先週国内の全394区で開始され、約80%が終了。学齢期の子どもがいる約1万1,800世帯を、1,182人のモニタリングと啓発の研修を受けた教員が訪問する。戸別訪問時、エボラの予防に関するメッセージも伝えられる。ユニセフは緊急ラジオ教育プログラムの認知向上に取り組んでいる。ラジオや安定した電気の供給、電池が手に入らない世帯のため、ユニセフは最も支援が必要な世帯に、太陽光で充電可能なラジオ5万個の調達を進めている。

リベリア:エボラへの感染が確認された子ども1,000人を超える

両親がエボラに感染して治療センターに搬送された後、兄弟と一緒に一時ケアセンターに連れてこられた1歳半の女の子とセンターのスタッフ。(リベリア)
© UNICEF/NYHQ2014-2028/Jallanzo
両親がエボラに感染して治療センターに搬送された後、兄弟と一緒に一時ケアセンターに連れてこられた1歳半の女の子とセンターのスタッフ。(リベリア)

【2014年11月26日 モンロビア(リベリア)発】 

本情勢レポートの統計は、リベリア保健社会福祉省が発行する報告書に基づくものです(報告期間:11月21日時点)。データの再分類や過去にさかのぼった調査などにより、数値が変動する可能性があります。

■概要

  • 11月21日時点でエボラへの感染が確認、推定、疑われた人は合計7,165人。死亡者は3,016人に上る。実際の感染者数や死亡者数は、これより多いことが推定されている。
  • リベリア統計・地理情報機関によると、エボラによる影響を受けている子どもたちは推定203万8,583人。うち、59万9,913人が5歳未満の子ども。保健社会福祉省によると、エボラへの感染が確認された子どもは1,010人で、507人が死亡している。死亡者数の40%は5歳未満の子どもが占めている。感染が確認、推定、疑われる子どもは2,065人。
  • 感染が確認されて以降、ユニセフは1,340万米ドルに値する物資をエボラ対応に提供。その一環として、防護服やテント、下痢治療キット、緊急保健キット、消毒用塩素などの衛生用品を含む1,169トンの緊急支援物資を提供。
  • エボラの感染が多く報告されている地域への支援のため、ユニセフは州の保健チームや主要なパートナー団体と共に、コミュニティの協力を得て15の地域ケアセンターを設置。エボラ患者がコミュニティの近くにいながらも安全に隔離され、迅速な治療を可能にしている。

■ユニセフの取り組み

<保健>

  • ユニセフはエボラ治療ユニットや地域ケアセンターの設置支援の一環として、これまでに4万4,820キロの消毒用塩素を提供。
  • 先週、合計3万7,695の家庭用防護キットを提供。防護キットには、最前線で治療にあたる保健員や病気になった家族を家庭でケアする人たちが身を守ることができるよう、基本的な防護服や消毒剤が含まれている。

<保護>

  • 1週間で34人の子ども(男女17人ずつ)がユニセフの支援する一時ケアセンターに入った*。このうち10人が家族と再会、もしくは里親ケアを受け、3人がエボラの症状が出たため、エボラ治療ユニットで治療を開始、4人がエボラ治療ユニットで死亡、18人が経過観察中。ユニセフは感染を防ぐためのマスクや手袋に加え、レクレーションキットも提供。
  • 305人の10代の若者たちがグランドゲデ州で戸別訪問による啓発キャンペーンに参加。1週間で、Dchien地域の122世帯を訪問した。
    *一時ケアセンター:エボラ患者との接触した疑いがあり、エボラの潜伏期間とされる21日間の追跡調査が必要となった子どものために設置された施設

ギニア:エボラの影響下の子ども430万人 早期に学校を再開させるための取り組みを強化

ユニセフとパートナー団体がコナクリでエボラの啓発活動を行う様子。(ギニア)
© UNICEF/NYHQ2014-1520/La Rose
ユニセフとパートナー団体がコナクリでエボラの啓発活動を行う様子。(ギニア)

【2014年11月19日 コナクリ(ギニア)発】

■概要

  • ンゼレコレ地域が依然として感染の中心地となっているものの、新たな感染者数は、1週間で99人から44人へと減少している。これは、行動変容を促すためのコミュニティへの啓発活動の成果。しかし、依然としていくつかの地域で埋葬方法に関するコミュニティの抵抗が報告されている。
  • 国民1,060万人のうち、83%にあたる890万人がエボラの影響を受ける地域で暮らしている。このうち、430万人が子ども。

■ユニセフの取り組み

<教育>

  • ギニア当局は早期に学校を再開させるための取り組みを強化。国レベルのトレーナー148人への研修が終了し、後に県や区レベルで訓練を提供するトレーナーへの研修を行う。この結果、国中の幼稚園、小学校、中学校、高校の教員6万8,819人が研修を受ける。(うち1万5,416人はユニセフによる支援)参加者はエボラに関する適切な知識や学校内でのエボラの感染を防ぐための方法を身につけた。

<子どもの保護>

  • エボラで孤児となったり夫や妻を失い、心のケアを必要としている人は2,698人。ケアが必要な人の特定が引き続き行われている。

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