|
ソマリア干ばつ緊急募金 第7報
|
© UNICEF Kenya/2011 |
ユニセフは、今週、ケニア保健省と世界保健機関(WHO)と共に、ケニア北部にあるダダーブの避難キャンプ周辺地域に暮らしている子どもたちのために、予防接種キャンペーンをスタートしました。本キャンペーンによって、20万2,665人の5歳未満の子どもたちが、はしかとポリオの予防接種を受け、また、ビタミンA補給剤と害虫駆除剤も提供されます。これは、干ばつの影響を受けている全ての子どもたちが、ポリオや、特に栄養不良の子どもたちが罹ったら命にかかわるはしかの予防接種を受けられるよう進められている地域レベルの活動の一環として、実施しています。
予防接種率がわずか26パーセントと、世界で予防接種率の最も低い地域のひとつであるソマリア南部では、先週、いち早く予防接種キャンペーンが開始されました。先週の木曜日(21日)にスタートされたこのキャンペーンによって、今日(26日)までに、過密状態にある国内避難民キャンプを含むモガディシュの8つの地域に暮らす4万人の5歳未満児と4万6,000人の女性たちが予防接種を受けました。ゲド州では、現在、はしかの予防接種キャンペーン実施の準備が進められている他、6地域の5万5,000人の5歳未満児と7万2,580人の出産年齢期の女性を対象に、ビタミンA補給剤と害虫駆除剤の提供と、破傷風トキソイドの予防接種キャンペーンの実施も計画されています。ユニセフは、WHOと共に、アクセスが確保されれば、ガルガドゥード、ベナディール、ベイ、バクール、ヒラン、シャベレ下流域、ジュバにもこのキャンペーンを拡大することを検討しています。ユニセフは、このキャンペーンを拡大し、15歳までの計250万人の子どもたち全員にはしかの予防接種を実施することを目指しています。
© UNICEF Kenya/2011 |
ソマリア南部・中部地域において、モガディシュでははしかの感染が、またモガディシュ、アフゴイ、バイドア、シャベレ下流地域では、急性下痢性疾患の感染が報告されています。多くの女性と子どもたちが移動しているため、国境付近でも国内の避難場所でも、新たな感染を防ぐために、年齢の高い子どもたちを含む全ての子どもたちに手を差し伸べることが困難な状況です。しかしながら、最も深刻な影響を受けている地域の多くで、地元のパートナーによって、こうしたサービスが必要な多くの子どもたちに対応できるよう既に活動が拡大されて行われています。
「これは子どもの生存の危機です。」「子どもたちは、食糧不足という理由だけで命を落としているのではありません。栄養不良の様々な段階の中で、子どもたちはより病気にかかりやすくなっています。増加する栄養不良に陥る子どもの割合と同様に、子どもたちの命の危険がさらに拡大していることが大きな課題となっています。」ユニセフの東部・南部アフリカ地域事務所のエルハジ・アス・スィ代表はこのように話しました。
© UNICEF Kenya/2011 |
本日(26日)からケニア北部で行われているこの予防接種キャンペーンは、ガリッサ、ファフィ、ラグデラ、ワジール南の子どもたちを対象に、金曜日(29日)まで実施される予定です。8月初旬には、規模を拡大し、ダダーブの避難キャンプにも実施されることが計画されています。ユニセフは、本キャンペーン実施にあたり、はしかとポリオのワクチンを支援した他、ビタミンA補給剤と害虫駆除剤も提供しました。また、予防接種の重要性を広めるべく、地域の人々と協力して広報・啓発キャンペーンも支援しています。
はしかは感染力の強い疾患で、人々が多く不衛生な環境下では、急速に広がりやすく、特に栄養不良で体力の衰えている子どもたちに深刻な影響をもたらします。はしかは、子どもたちの病気に対する抵抗力を低下させ、栄養不良やその他の病気に苦しんでいる場合には、さらに命の危険が高まるのです。また、ビタミンA補給剤は、劣悪な生活環境に関連した健康上のリスクから命を守るべく、緊急時に投与されています。ビタミンAが欠乏している子どもは、はしか、マラリア、下痢性疾患により命を落とす危険性が25パーセント高くなっています。
ユニセフは、干ばつの影響を受けて緊急支援活動と、病気等の予防対策が行われているアフリカの角地域の子どもたちに手を差し伸べ、活動をさらに拡大するために、今後6ヵ月間に必要な活動資金として、約3億米ドルの支援を国際社会に求めています。保健サ-ビスと予防接種の実施をはじめとする、子どもの生存と発達における様々な問題に対応できる総合的な支援を行うことに重点が置かれています。