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緊急支援情報
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アフリカ干ばつ緊急募金2011年
2011/12/7
第34報
ユニセフ・エチオピア事務所で支援活動を行った山科真澄 子どもの保護担当官からの報告
2011/12/7
第33報
干ばつが奪った未来を取り戻してくれる移動式小学校
2011/11/28
第32報
死を呼ぶ病に立ち向かう小さな力
2011/11/18
第31報
楽観できない状況
2011/11/9
第30報
子どもに戻れる場所-子どもに優しい空間
2011/10/28
第29報
飢餓宣言から100日−;75万人にはしかの予防接種を
2011/10/25
第28報
ソマリア緊急報告会 11月6日夕方 東京大学で開催(入場無料)
2011/10/14
第27報
「恵みの雨」がもたらした新たな悲劇
2011/10/6
第26報
ユニセフ親善大使のキム・ヨナさんら、支援を訴える
2011/10/5
第25報
“いつでも水が使えるなんて、ありがたいことです。”
2011/10/3
第24報
コレラと下痢性疾患の流行を防ぐ保健専門家による指導
2011/9/26
第23報
負の連鎖を断つために
2011/9/21
第22報
最も大きな脅威から、子どもたちを守るために
2011/9/16
第21報
世界で一番子どもの命が短い国
2011/9/12
第20報
太陽光発電式ポンプが拓く子どもたちの未来
2011/9/13
第19報
ユニセフ、食糧交換券と現金給付支援をスタート
2011/9/5
第18報
干ばつ被害拡大が懸念 国際社会の一層の支援を!
2011/8/30
第17報
緊急事態下の子どもたちを救うために
2011/8/31
第16報
学校は子どもたちが安心できる場所
2011/8/25
第15報
アンソニー・レーク ユニセフ事務局長 アフリカの角地域の危機に対する声明を発表
2011/8/22
第14報
ケニア:困難な状況に耐え離れ離れで暮らす家族
2011/8/18
第13報
ユニセフ・ソマリア事務所の國井修医師からの報告 ソマリアの首都モガディシュの下痢症
2011/8/9
第12報
日本政府、ユニセフを通じエチオピアで栄養不良の治療を支援
2011/8/8
第11報
ソマリア南部を襲う飢餓 栄養不良の子どもたちを救う治療センター
2011/8/3
第10報
ユニセフ広報官からの報告 息子を救う父親の献身的なケア
2011/8/1
第9報
アフリカの角地域を襲う危機−;深刻な資金不足に直面する支援活動
2011/7/29
第8報
全ての子どもたちに予防接種を−;ソマリアとケニアの国境で
2011/7/26
第7報
アフリカの角地域で予防接種キャンペーンスタート
2011/7/25
第6報
ユニセフ広報官からの報告 ダダーブまでの過酷な旅
2011/7/22
第5報
アフリカ東部を襲う危機に全力をあげるユニセフ
2011/7/21
第4報
ソマリア南部 大規模食糧危機に苦しむ子どもたち
2011/7/18
第3報
アンソニー・レーク ユニセフ事務局長 ケニアの干ばつ地域を視察
2011/7/11
第2報
アフリカの角を襲う干ばつと食糧危機 栄養不良に苦しむ200万人の子どもたち
2011/7/1
第1報
エチオピア:干ばつに見舞われる地域に飲料水を支援
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ソマリア干ばつ緊急募金 第34報
ユニセフ・エチオピア事務所で支援活動を行った山科真澄
子どもの保護担当官からの報告

【2011年12月9日 エチオピア発】

© UNICEF/2011/M.Yamashina
ユニセフ・ジンバブエ事務所の山科真澄さん。

ユニセフ・ジンバブエ事務所の山科真澄 子どもの保護担当官(Child Protection Officer)が、アフリカの角地域での救援活動を支援するため、8月より2ヵ月間、ユニセフ・エチオピア事務所で活動しました。エチオピア最大のソマリア人難民キャンプのあるドロアド地域の全ての難民キャンプにおいて子どもの保護活動を行った山科さんからの報告です。

* * * * *

エチオピアは110万平方キロの土地を有し、スーダン、ケニア、ソマリア、ジブチそしてエリトリアと国境を接しています。2007年の国勢調査によると、エチオピアの総人口は7,390万人、18歳以下の人口がそのうち55%を占めています。またエチオピアは80以上の他民族を有する国家でもあります。国勢調査によると、人口の43.5%がクリスチャン、33.9%がイスラム教徒となっています。農業が国の主幹産業です。

ユニセフ・エチオピア事務所は1952年に設立され、それ以降エチオピア政府とともに子どもの権利を実現させるために邁進してきました。エチオピアは干害、洪水そして疫病などの自然災害に非常に弱く、これまで災害により多くの人が命を落とし、生活の糧、財産を失ってきました。ユニセフは事務所開設以来、様々な自然災害、特に1978年、1984-85年、1999,2000年、2002-03年、2007-08年そしてもっとも最近の2010-11年の干害などにおいて、人道援助を推進、調整そして実施する主要な役割をエチオピア国内で果たして来ました。

© UNICEF/NYHQ2011-1562/Tibebu Lemma
干ばつの影響を受けているエチオピアのボレナ地域で水タンクを運ぶ女の子。

今年(2011)初頭、FAOの予想どおり、昨年から続くラニーニョ現象の影響および2011年4月の降水量の落下により、アフリカの角地域での食糧危機は非常に深刻なものになり、特に遊牧民および辺境地で農業に従事する人々は危機的な被害を受けることになりました。ここ数十年の最大の干害危機、食料価格の急騰、ソマリアでの紛争被害などの要素が絡み、アフリカの角地域、特にエチオピアおよびケニアではこの10年で最大の難民危機を迎えることになりました。今日1千万人以上の人々、ソマリアの285万人、エチオピアの320万人、ケニアの350万人が深刻な危機に瀕しています。

私はドロアドで、毎日100人以上の難民がソマリアから食料、水、安全そして家族を探すためにエチオピアに到着する様子を目の当たりにしました。私がドロアドで勤務していた10月4日当時、12万5千人の難民がドロアドの4つのキャンプで生活していました。その難民のうち70%以上が18歳以下の子どもで占められていました。残念なことに、すべての子どもが家族や親戚とともにエチオピアに到着したわけではなく、ソマリアから一人でまたは家族と離れ離れになって地域のおとなと到着する子どももいました。このような子どもは“保護者不在の未成年者(Unaccompanied Children)”と呼ばれ、保護者の庇護がない分、他の子どもよりも、移動中や難民キャンプ内、またその後の生活などにおいて、人身売買の被害にあったり、見知らぬおとなからの虐待にあったりなどの危険に遭う可能性が高く、彼らを保護するための特別な注意や措置が必要になります。

さらに、そのような子どもは、家族とともに移動してきた子どもに比べて更なるストレスを抱えることになります。一般に、子どもにとって家や友人と離れることはストレスになります。家や友人だけではなく、家族や親戚からも離別しており、移動中および難民キャンプへの到着後も家族からのサポートを受けることができません。家族や親戚から離れ、たった一人で戦火を抜けて他の国へ避難する子どもの苦労を想像できますか?ソマリアからエチオピアへの避難は非常に大変な道のりで、特には何十日も戦火をくぐりぬけ、飲まず食わずで歩かなければならないのです。

このように、ドロアドに到着した子どもたちは想像を絶する苦労をへており、肉体的、精神的、社会的そして医学的な支援を到着してすぐに必要としています。ユニセフは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や他人道支援団体とともに、このような子どもたちに必要な支援を提供するための活動を行っています。その支援の一つが離れ離れになった家族をドロアド難民キャンプ内で探すシステムを作り、子どもたちが一刻も早く家族と再会できるよう支援することです。私がドロアドにいた当時、少なくとも200人以上の子どもたちが、ドロアドキャンプ内外で家族を探していました。さらに、毎週数名そのような子どもたちが到着している状態でした。キャンプ内とはいえ12万人以上の人々が住み、4つのキャンプが存在する中での家族探しは簡単にできるものではなく、しっかりとした登録システム、キャンプのコミュニティーに根付いた家族探し、その後のフォーローアップ、また家族を探している間のフォスターケアなど様々な支援が必要になります。ユニセフはこのようなシステムを作り、保護を必要としている子どもたちが特定され、適切に保護されるよう、UNHCRや他団体とのキャパシティービルディング(能力強化)やシステム作りを行っていました。

© UNICEF/2011/M.Yamashina
モハメド君とお姉さん。

12歳のモハメド君(仮名)はそのような子どもの一人でした。彼のお姉さんとその家族が家畜の世話をするためにモハメド君を一人残してソマリアに避難してしまいました。モハメド君は3ヵ月もの間、一人で家畜の面倒をみてきましたが、食料不足や深刻な治安悪化のため、地域の人々とともにソマリアからエチオピアへ避難することになりました。彼は2日の間食料も飲料水もないままソマリアからエチオピアまで歩き続けました。

ソマリアからの難民が国境のドロアドに到着すると、まずエチオピア政府が難民レセプションセンターにおいて彼らの難民としての地位を確認します。エチオピア政府により難民の認定を受けた人々は、次にUNHCRのトランジットセンターにおいて、UNHCRの面談、登録をへて難民支援カードを与えられ、難民キャンプへ移動する数日間このトランジットセンターで暮らすことになります。モハメド君もこのような過程を経て、UNHCRにより保護を必要とする保護者不在の未成年として保護されてきました。

私は、モハメド君が到着した次の日、トランジットセンターで初めて彼に会いました。彼は非常に憂鬱で疲れているようでした。彼の唯一の望みは、お姉さんに再会し、彼女と彼女の子どもたちと一緒に暮らすことでした。私は、パートナー組織と共に、彼のお姉さんを探すために必要な情報を得るためモハメド君と彼と一緒に旅してきた地域の人々を訪ねて回りました。私たちがモハメド君にお姉さんを探すには時間が少しかかるかも知れないと伝えると、彼は泣き出しそうでした。

© UNICEF/NYHQ2011-1572/Lemma
ユニセフからの支援を受けて深刻な栄養不良から回復しつつある子ども(エチオピアのボレナ地域)。

ソマリアでは地域コミュニティーのつながりが非常につよく、地域で子どもの面倒を見、育てていく文化を有しています。また互いにコミュニティーメンバーの現状を良く知っています。ドロアドではこの地域のつながりを利用した家族探しを実施しています。私たちはモハメド君のお姉さんを次の日には見つけることができ、お姉さんとモハメド君両方に再会の意思があり、お姉さんがモハメド君の面倒見るつもりがあることを確認した上で、モハメド君をお姉さんの住むテントへ連れて行くことになりました。確認のためにお姉さんの写真を見せたときのモハメド君は、初めて嬉しそうな子どもらしい表情を見せてくれました。モハメド君はお姉さんとその家族に温かく迎えられました。彼も、お姉さんもその家族も本当に幸せそうで、改めて家族と離れ離れになることの悲惨さ、また、家族再開の必要性を強く実感しました。

このように大変な状況を耐え抜いてきたモハメド君ですが、ドロアドにいる同じような状況に置かれている子どもたちに比べれば、これだけ早く(3日以内)家族に再会できたのは、非常に幸運でした。上記したとおり、家族再会までは非常に多くの作業を必要とし、すべての作業過程において経験を積んだスタッフが必要です。私がいた10月現在でも200人以上の子どもが家族との再会を待っている状況でした。そのうちのすべての子どもがドロアドのキャンプ内に家族がいるわけではありません。その時点ではソマリアやケニアそのほかの国にいる家族を探し、再会させるシステムがなく、そのような子どもたちは地域の絆を利用した里親制度を利用しながらいつの日が家族と再会することを夢見ています。この子どもたちの家族もきっと同様に、行方知れずとなった子どもの状況に日々胸を痛め、再会を夢見ていることでしょう。

ソマリアの人道危機はさらに深刻化しています。今日ソマリアは世界最悪の食糧危機に瀕しています。特にソマリアの南部地域では治安悪化のために人道援助が十分に行えない状況にあり、その地域に住む人々の状況は悪化の一途をたどっています。このような状況では、いつエチオピアへの難民流入がやむか誰も予想できない状況です。つまり今後もさらにモハメド君のような子どもがエチオピアへ避難してくるという言うことです。ユニセフではドロアドの難民キャンプにおいて食料、水と衛生、教育および保健特に予防接種やほかの予防可能な病気を防ぐための活動を急速に拡大しています。

ユニセフは、今後もエチオピア政府、他の国連機関やNGOなどとともに、保護を必要としている子どもに対し、家族との再会事業や里親制度といったサポートを提供する活動を推進していきます。また、アフリカの角地域において、他の国での家族探しと再会を実現するために、他国連機関やNGO組織などとともに、システム作りも進めています。家族探しと再会の支援は多大な労力と人手が必要になります。この未曾有の危機において、この支援活動には時間がかかりますが、難民の子どもたちの苦しみを和らげるために必要な大きな一歩なのです。

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◇ 募金のお願い ◇

公益財団法人 日本ユニセフ協会では、ソマリアとその周辺国の子どもに対するユニセフの緊急援助を支援する『アフリカ干ばつ緊急募金』の受付を行っています。
皆様のご協力をよろしくお願い致します。


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口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会
*通信欄に「アフリカ干ばつ」と明記願います。
*送金手数料は免除されます。
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*当協会への募金は寄付金控除の対象となります。

なお、当緊急・復興支援に必要な資金を上回るご協力をいただいた場合、現在行われている他の緊急・復興支援に活用させていただくことがありますので、ご了承願います。

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