公益財団法人日本ユニセフ協会
HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > ソマリア干ばつ緊急募金


ソマリア干ばつ緊急募金 第31報
楽観できない状況

【2011年11月18日 ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2011-1200/Holt
下シャベレから避難を余儀なくされ、家族と共に首都モガディシュのキャンプのテントで暮らしている子ども。

今年7月に国連が宣言した、ソマリア南部の「飢餓状態」。18日までに、同地域は「飢餓状態」を脱したとの国連の発表がありました。

国連の最新の報告書によると、下シャベレ、バクール、ベイの3地域は、「飢餓状態」を脱したとのことです。しかしながら、中シャベレ、アフゴイ、モガディシュで避難生活を強いられている人々は、いまだに飢餓に苦しんでいます。

「世界中のみなさまから寄せられた力強いご支援によって、何千人もの子どもたちの命が救われました。」ユニセフ・ソマリア事務所のシカンデール・カーン代表は、こう語っています。

ユニセフが果たす重要な役割

ユニセフは、他の人道支援団体と共に、緊急支援活動において重要な役割を果たしています。ケニアやエチオピアに避難を余儀なくされているソマリアの人々に、これまでに1万トンに及ぶ量の支援物資を配布しました。

12万6,131人の重度の栄養不良の子どもを含む約100万人の子どもたちに、栄養支援を行った他、120万の子どもたちにはしかの予防接種も実施しました。ユニセフが支援している保健センターでは、140万人が治療を受けました。さらに、約220万人に安全な飲料水も提供しました。

しかしながら、今も、数十万人のソマリアの人々が深刻な状況に置かれており、こうした人々のニーズを満たすには、さらなる資金が求められています。

求められる国際社会からの更なる支援

ユニセフは、飢餓状況が多少改善された現在でも、25万人が深刻な飢えに苦しみ、400万人が、命をつなぐために必要な基本的なニーズを満たすための緊急支援を必要とする状態にあると推定しています。

「現状は楽観できない状況だということを、国際社会の方々にご理解いただきたいのです。」と、カーン代表は強調します。「子どもたちは、いまだに切迫した命の危険に晒されています。栄養不良と命にかかわる病気、長引く武力紛争は、2012年も継続して重大な問題となり続けるでしょう。」

ユニセフは、2011年末までのソマリア国内での人道支援活動に必要な資金として、国際社会に対し、6,200万米ドルの資金の提供を求めています。 また、支援活動を継続するために、2012年を通じ、ソマリアだけで3億米ドルの資金が必要になるものと見込んでいます。

「ソマリアの子どもたちへの息の長いご支援を続けてくださっている寛大なみなさまに、この危機を脱するために、今、更なるご支援をお願い申し上げます。」(カーン代表)