公益財団法人日本ユニセフ協会
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ソマリア干ばつ緊急募金 第19報
ユニセフ、食糧交換券と現金給付支援をスタート

【2011年9月13日 ケニア・ナイロビ発】

子どもたちをはじめ、ソマリア南部の飢餓と干ばつの影響を受けている人々に必要な支援を届けるため、ユニセフは、このたび、他の人道支援団体と協力し、食糧交換券(Food Voucher)の配布と現金の送金(給付)という形の新たな支援を始めました。

© UNICEF/NYHQ2011-1229/Modola
干ばつの影響を受けているダダーブ北東部の避難キャンプにある病院で治療を受けている栄養不良の子ども。

「33万6,000人もの子どもたちが急性栄養不良に陥っているこの危機の規模を考えると、一人でも多くの子どもたちの命を守るために、私たち全員が臨機応変に、迅速かつ革新的な方法を取ることが求められています。」「この1年、食糧不足から、ソマリア国内の市場では、食糧価格が劇的に高騰しました。食糧交換券の配布と現金の送金(給付)という形の支援は、被災地の人々の購買力を強化することで、ソマリア国内の業者がより多くの食糧を市場に持ち込み、また、被災地の人々の手が届く価格で販売することを促すはずです。」ユニセフ・ソマリア事務所のロザンヌ・カールトン代表はこう話しました。

事実、この現金送金(給付)支援と食糧交換券の配付支援によって、ソマリア国内の人々が、地元の市場で、食糧や生活必需品を手に入れられるようになっていることは、既に証明されています。

ユニセフが支援しているこの新しい取り組みを通じ、今月、下シャベレおよび下・中ジュバの1万5,000世帯の人々が必要最低限の食糧を、地元の市場を通じて購入できる見通しです。被災地の人々は、ユニセフのパートナーであるソマリア国内のNGOを通して、このプログラムに登録。現地で「ハワラ」と呼ばれている信頼性の高い送金の仕組みを通じて、現金を受け取ります。最も必要な人々に支援が届くよう、今後、第三者による監視体制の整備も進めていきます。

© UNICEF/NYHQ2011-1345/Njuguna
干ばつの影響を受けている北東部のワジールにある学校で、栄養価の高いかゆ状の食べ物を食べる男の子。

食糧交換券は、教育分野でユニセフのパートナーとして活動している地元NGOなどによって、212箇所に設置された「子どもが安心できる空間」を利用している1万5,000人を超える子どもたちにも配布されています。学校給食が存在しないソマリアで、この食糧配給券が、干ばつの影響を受けた子どもたちを支え、学校に通い続ける重要な支援となっているのです。

ユニセフは、現金送金(給付)支援を、今後、ベイ、バクール、ゲド、中ジュバ、アフゴイ回廊地域を含む深刻な影響を受けている地域の少なくとも4万世帯に拡大するため、緊急に1,500万米ドルの支援を必要としています。また、干ばつの最も深刻な影響を受けている地域の学校を通じて子どもたちをはじめとする10万人の被災者に、食糧交換券を通じた支援を拡大するためには、さらに1,000万米ドルが必要です。

「一人でも多くの子どもたちの命を守るために、一日も早く、これらの支援を拡大する必要があります。」「そのための資金が、今、必要なのです。」(カールトン代表)

ユニセフは、現在、ソマリア国内の500箇所の給食センターを通じて、栄養不良の子どもたちに栄養補助食を提供。これと並行して、ソマリア南部の20万世帯には、微量栄養素と炭水化物の豊富なとうもろこしと大豆を混ぜ合わせた栄養補助食も支給する計画です。 既に9万7,000人以上の被災者が、この栄養補助食の恩恵を受けています。被害が深刻なソマリア南部に届く支援物資は日ごとに増えていて、こうした支援の恩恵を受けている人々の数も、徐々に増えています。