ソマリア干ばつ緊急募金　第9報
アフリカの角地域を襲う危機−深刻な資金不足に直面する支援活動

【2011年8月1日　ニューヨーク発】

アフリカの角地域を襲う人道危機が深刻化する中、国連は、ソマリア南部全域で、今後2ヵ月間、飢餓状態に陥る可能性があることに警鐘を鳴らしました。すでに数十万人の命が失われ、さらに多くの命が危険にさらされています。しかしながら、国際社会の展開している人道支援活動は、いまだに思うように進んでいません。

アフリカ東部を襲う干ばつ、武力紛争、食料価格の高騰の影響で、計1,100万人以上の人々が支援を切実に求めている状況です。世界中で迅速な対応策が講じられなければ、深刻な栄養不良に陥っている約56万6,000人の子どもたちが命の危険にさらされることになります。

この緊急支援の中でも最も緊急に求められているものは、栄養不良の子どもたちのための治療用食品、干ばつに襲われている地域にタンカーで届けられている飲料水、マラリアを予防する蚊帳、ソマリアからケニアに渡っている数千人もの難民をはじめとする救援を求めて移動を余儀なくされている人々のための家庭用キットです。

資金不足

「現在、すぐに食べられる栄養補助食品を届けるための空輸による支援が非常に求められています。」ユニセフの公的資金調達部アフシャン・カーン部長はこのように話します。

多くの国連機関がアフリカの角地域の危機的な状況について繰り返し警告を発しているにもかかわらず、各国政府および民間からの支援は限られています。今日（1日）までに、ユニセフは、この地域で展開している緊急支援を行うための活動資金として、2億米ドル以上（ソマリアだけで1億2,000万米ドル）の資金不足に直面しています。

「人々が国境を越えてはじめて、世界の人々は、やっと子どもたちが直面している本当の深刻な状況を目の当たりにしました。それは、栄養不良に陥り、食糧だけでなく飲み水もないために命を落としている忘れることのできない子どもたちの姿です。」と、カーン代表は話します。

さらに、カーン代表は、「子どもたちに予防接種を提供し、適切な栄養を摂らせ、清潔な水と衛生施設（トイレ）を提供できる十分な財源があれば、簡単に防ぐことができる、はしかやその他の伝染病によって、子どもたちの命が奪われているのです。」と付け加えました。

道徳的責任

アフリカ東部では、干ばつの発生が慢性化しつつあります。2011年は、過去60年間で最も厳しい年となりました。また、最近の食糧価格の急激な上昇、ソマリアでの長引く武力紛争、さらに将来の危機を防ぐための制度や計画、インフラ設備の欠如も加わって、現在、この緊急危機は最悪な状況となっています。

「この緊急事態に対応するため、短期間でやらなければならないことが山積みです。」「また、中・長期的視野で、復興支援と、今まで長年にわたり干ばつと洪水に見舞われてきたコミュニティの対応メカニズムを構築する必要もあります。」

危機的状況にあるアフリカの角地域の子どもたちのために、今、国際社会がさらに一丸となって取り組むことが求められています。

「子どもたちは、生まれてくる場所や親、生まれてくる国の法律、成長し、生きていく環境を選ぶことができません。」「私たちにはこの危機に対処する道徳的義務があります。私たちは、みんな同じ人間なのですから。」

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◇　募金のお願い　◇

公益財団法人 日本ユニセフ協会では、ソマリアとその周辺国の子どもに対するユニセフの緊急援助を支援する『アフリカ干ばつ緊急募金』の受付を行っています。
皆様のご協力をよろしくお願い致します。

アフリカ干ばつ緊急募金 郵便局（ゆうちょ銀行） 振替口座：00190-5-31000 口座名義：公益財団法人 日本ユニセフ協会 *通信欄に「アフリカ干ばつ」と明記願います。 *送金手数料は免除されます。 *当協会への募金は寄付金控除の対象となります。

なお、当緊急・復興支援に必要な資金を上回るご協力をいただいた場合、現在行われている他の緊急・復興支援に活用させていただくことがありますので、ご了承願います。