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パキスタン緊急募金 第33報
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© UNICEF/NYHQ2010-1628/Ramoneda |
シンド州スックルにある避難キャンプの前に立つ女の子。 |
ユニセフは26日、パキスタン洪水被災地で展開されている人道支援活動に必要な資金が、洪水被害の拡大に伴い、今月5日に発表した当初見込の4700万米ドルあまりから、そのおよそ3倍にあたる1億4100万米ドルに拡大したと発表。支援活動の現場では、既に深刻な活動資金の不足にも直面しており、国際社会からの資金援助が一刻も早く求められていると訴えています。
今月5日時点において320万人とされていた推定被災者数は、その後の洪水被害の拡大により、現在1700〜2000万人と推定されています。
ユニセフは現在、毎日、被災者190万人に安全な水を供給。大型テントを使った仮設病院(25箇所)の設置や、63の緊急医療・保健支援チームの活動などを通じて、下痢性疾患と急性の脱水症状による子どもの死亡を防ぐための経口補水塩をはじめとする医薬品や出産に必要な資材の提供、はしかやポリオの予防接種活動とビタミンAの配布などを通じた感染症の予防、乳幼児の栄養不良を防ぐための高カロリービスケットなどの栄養強化食品の配布や母乳育児の推進などに加え、避難民キャンプへの仮設学校の設置(50箇所)、保護者と離れ離れになった子どもたちの発見と保護などの活動を展開しています。
© UNICEF/NYHQ2010-1629/Ramoneda |
周囲が冠水した狭い場所で、避難を余儀なくされている人々(シンド州)。 |
しかし、資金不足から、これらの支援活動の継続が危ぶまれています。
さらに、こうした支援が届いているのは、まだ被災者の一部でしかありません。600万人が、安全な水や衛生的なトイレの支援を必要としています。 経口補水塩などを必要としている子どもたちは、200万人。安全な出産への支援を必要としている女性は50万人。150万人の子どもたちに必要なワクチンが不足しています。80万人の子どもと120万人の女性への栄養面での支援が、まだ行われていません。
これまでに、国際社会からユニセフに寄せられた金額は約3400万米ドル。約1億700万米ドルの資金が不足しています。