
アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使、ブータンへ
【2012年4月16日 東京発】
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※地図は国境の法的地位について何らかの立場を示すものではありません。
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昨年の国王ご夫妻の来日や、"幸せの国"として注目されているブータン。国民の97%が「幸せ」と感じていると言われるこの国で推進される「国民総幸福(GNH)」政策。心理的側面での"幸福感"が注目されがちなGNHで忘れてならないのは、健康、教育、生活水準といった、特に子どもたちの命や生存、発達(ひいては国の発達)に関する基礎的な指標が、心理的幸福を向上させるためのベースとして存在していることです。
実際、これらの指標の推移を見ると、この10〜20年の間に様々な改善がなされたことがわかります。例えば、5歳未満の子どもの死亡率(出生1000人あたり)。1990年に139人(出生1000人あたり)だったものが、2010年には56人にまで改善されています。経済力という意味では開発途上国にあたるブータンが、こうした改善を達成できたその背景には、国民一人ひとり、またコミュニティの努力と、その努力の方向性を示す国のリーダーシップ、そして、その努力を支えた行政やユニセフをはじめとする支援があったことは言うまでもありません。一方、この間の国の発達は、また、今、ブータンに、新たなチャレンジも突きつけています。情報や人・物の移動が改善されるにつれ、都市と農村の格差もより明確になってきているようです。
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© UNICEF/BHUTAN |
こうした、今の「幸せ」の後ろにある国民一人ひとりの努力や、この国がこれから直面してゆくと思われる課題を"子どもの視点"で探るため、アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使がブータンを訪問します。
本日4月16日(月)午前、成田空港を出発し、4月17日(火)から24日(火)まで現地に滞在。滞在中、アグネス・チャン大使は、都市から離れた農村で暮らす人々が自ら建設し、後に正式な小学校として国に認められた小学校や保健センターなどの活動、そうした社会サービスを実際に利用している子どもたちをはじめとする地域住民の日常生活に密着する予定です。また、政府関係者へのインタビューなどを通じて、ブータンの現在の「幸せ」を創り上げてきたこれまでの「努力」と、今後の課題を報告します。
ブータン基礎データ
首 都 |
ティンプー |
国土面積 |
38,394 平方キロメートル |
言 語 |
ゾンカ語 |
人 口 |
72万6千人(2010年)(うち18歳未満 26万人) |
一人あたりGNI |
1920ドル (2010年) |
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<教育>
成人の総識字率 |
53%(2005年-2010年) |
初等教育純就学率 |
88%(2007年-2009年) |
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<保健>
出生時の平均余命 |
67歳(2010年) 53歳(1990年) |
5歳未満時死亡率 |
56人/1000人(2010年) 139人/1000人(1990年) |
妊産婦死亡率 |
260人/出生10万人(2006年〜2010年) |
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<水と衛生>
改善された水源を 利用する人の比率(全国) |
92%(都市 99%、農村 88%、2008年) |
適切な衛生施設を 利用する人の比率(全国) |
65%(都市 87%、農村 54%、2008年) |
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(出典:ユニセフ「世界子供白書2012」)
アグネス大使のこれまでの視察については、アグネス大使の海外視察アルバムをご覧ください。
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