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ユニセフ協会からのお知らせ

4月21日〜28日は「世界予防接種週間」
アンソニー・レーク事務局長 新たな世界的予防接種戦略を発表

【2012年4月25日 ニューヨーク発】

今年4月21日(土)から28日(土)は、「世界予防接種週間」。ユニセフは、世界中で、子どもたちの命を守る予防接種の重要性を訴え、予防接種キャンペーンを展開してきました。ユニセフは、世界の最も貧しい国々のために、50年以上にわたり、ワクチンを支援し続けています。

新たに‘はしかと風疹イニシアティブ’と銘打たれたユニセフが様々な団体と共同で実施する予防接種キャンペーンの開始に合わせ、ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は、はしかによる死亡と、先天性風疹症候群の感染の根絶を目指した、新たな世界戦略を発表しました。

また、この世界戦略の発表は、今年始まった「世界予防接種週間」にも合わせて行われました。最新のデータによると、2010年のはしかによる死亡数は、2000年と比べて74パーセント削減され、2000年時点で推定53万5,000人だった死亡数は、2010年には13万9000人となっています。

はしかと風疹の根絶

©UNICEF/NYHQ2011-1238/Modola
ケニアとソマリアの国境付近にある難民キャンプで、ユニセフの支援で実施されているはしかとポリオの予防接種キャンペーン中、コミュニティの保健員から予防接種を受ける子ども。

「子どもの頃、はしかに感染したことがあります。とても辛かったことを覚えています。」「毎年、予防接種を受けていない1,900万人もの子どもたちが、命の危険にさらされているのです。」 レーク事務局長はこう話しました。

はしかにより、貧困に苦しむ地域の約380人もの子どもたちが、毎日命を落としています。

レーク事務局長は、はしかによる死亡数が74パーセント削減した背景には、予防接種の果たした役割が大きいと強調。定期予防接種率が上がり、予防接種キャンペーンの規模が拡大されたことによって、2010年のアフリカでのはしかの死亡数は、2000年に比べて85パーセント削減され、世界でもっとも大きな前進が見られました。

今回打ち出された新たな戦略は、より大きな前進を目指します。目標は、はしかによる死亡数を、2015年までに、2000年との比較で少なくとも95パーセント削減すること。また、世界保健機関(WHO)の定義上の世界の6地域中、少なくとも5つの地域で、2020年までにはしかと風疹を根絶することを目標に掲げています。具体的には、高い予防接種率の確保、検査体制の整った疾患調査を通じた感染症発生の監視、感染症の流行に対する備えと対策、はしか感染者の管理(適切な対応)、広報・啓発活動やコミュニティの参加、調査・開発等の活動が行われます。

新たな戦略の下、近年、風疹の予防接種を実施していない63の国々に対しては、既存のはしかの予防接種体制の中に風疹の予防接種を組み込むよう働きかけています。二つの別々の病気に対する予防接種が一回の接種で済む、二種混合ワクチンの導入が推奨されているのです。多くの高所得国では、定期予防接種の中で、はしかと風疹、あるいは、はしかとおたふく風邪の二種混合ワクチンが既に利用されています。

求められる支援の強化

©UNICEF India/2011/Halle'n
インドの小学校で実施されている、はしかの予防接種活動。

最新のデータは、はしかの死亡数が、特に、2001年から2007年にかけて大きく削減されたことを裏付けています。しかしながら、2008年と2009年は、はしかに対する(国際的な)支援や各国政府の政治的姿勢が低迷したことにより、多くの子どもたちが予防接種を受けることができませんでした。2010年、推定1900万人(大部分がサハラ以南のアフリカと東南アジア)の乳児が、はしかの予防接種を受けられませんでした。そして、はしかは再び流行。アフリカ、東南ナジア、欧州、北アメリカでの感染拡大へと繋がったのです。

アフリカでの大規模な流行やインドでのはしかの感染予防対策の遅れも相まって、「2010年末までに、2000年と比較してはしかによる死亡数を90パーセント削減する」という目標は達成されませんでした。2010年現在、インドは、世界のはしかの死亡数の約47パーセントを占めています。

新たな戦略が打ち出されました。国際社会による努力をさらに強化し、維持していかなければなりません。

当初‘はしかキャンペーン’として2001年にスタートした‘はしかと風疹イニシアティブ’は、ユニセフ、世界保健機関(WHO)、米国赤十字社、国連財団、アメリカ 疾病管理予防センター(CDC)の主導で進められています。

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