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ユニセフ協会からのお知らせ

ユニセフ最新の報告書発表
子どもの死亡の2大要因は、“肺炎”と“下痢”

【2012年6月8日 ニューヨーク発】

6月8日(金)、ユニセフは、世界の子どもの死亡の二大要因は、“肺炎”と“下痢”であるとする報告書を発表しました。

発表されたのは、「Pneumonia and diarrhoea -Tackling the deadliest diseases for the world’s poorest children」(『肺炎と下痢-世界で最も貧しい環境に置かれた子どもたちの命を最も多く奪っている疾病』)。この報告書では、5歳未満の子どもが死亡する2大要因は“肺炎”と“下痢”であり、これらの病気に世界が目を向け、十分な資金をもってその対策に取り組めば、裕福な子どもと貧しい子どもの命の格差−生存率の差を縮める可能性は大いにあると指摘しています。

肺炎と下痢は、5歳未満の子どもたちの死亡要因のそれぞれ18%と11%を占め、毎年200万人以上の子どもたちの命を奪っています。また、肺炎と下痢による子どもの死亡のうち、90%近くはアフリカのサハラ以南のアフリカと南アジアに集中しています。
「私たちは、最も貧しく最も過酷な状況にある子どもたちを襲う、肺炎と下痢という2つの病気に関して、どういった対策が効果を持つか分かっています。決して複雑ではないその方法を拡大していくことで、子どもの命をうばう最も大きな2つの要因を克服でき、子ども一人ひとりが健康に成長する可能性を高めることができるのです」と、ユニセフアンソニー・レーク事務局長は語ります。

© UNICEF/INDA2010-00170/Graham Crouch
村のクリニックで乳児に支給された経口補水塩と亜鉛の錠剤(インド)

この2つの病気の予防と対策には共通する点が多々あります。いずれも、予防接種、母乳育児、石鹸による手洗い、安全な飲み水やトイレへのアクセスの拡充といった方法で予防することができ、万が一罹患しても、下痢の症状には経口補水療法、肺炎には抗生物質の投与といった、費用対効果の高い対処方法があります。しかしながら、こうした方法の普及はまだ決して十分ではなく、肺炎の際に抗生物質の投与を受けられる子どもの割合は3分の1以下です。下痢に対する経口補水塩も、開発途上国では子どもの患者の3分の1に使用されるに過ぎません。赤ちゃんを病気から守る最も簡単で効果的な方法の一つは母乳による育児です。それにもかかわらず、開発途上国において6ヶ月未満の子どもが母乳のみで育てられる割合は40%以下です。開発途上国全般に言えることですが、貧しい子どもたちは、裕福な子どもたちに比べて、こうした命を守る支援を受けられない傾向にあります。

©UNICEF/NYHQ2004-13924/Noorani

報告書では、死亡率の高い75カ国において、その国の最も裕福な2割の家庭が得られるこうした対策が、その国の全ての5歳未満の子どもたちに等しく提供されるのであれば、2015年までに200万人以上の子どもの命が救われるとしています。

肺炎と下痢の主な原因に対するワクチンは既に手に入ります。報告書によれば、殆どの低所得国がヘモフィルス-インフルエンザb型菌(Hib)ワクチンを導入しています。肺炎球菌結合ワクチンもまた入手可能になってきていますので、低所得国はこうしたワクチンを経常的な予防接種プログラムにすぐに導入する必要があります。
新しいアイディアや工夫も、変革を後押しします。例えば、子どもに優しい亜鉛とアモキシシリンの錠剤、味の付いた経口補水塩は、子どもに受け入れられやすいのです。また、保健師が携帯電話やSMSテキストを使って、遠隔地や命の危機に瀕した子どもたちがいる地域に手を差しのべることもできるでしょう。

レーク事務局長は言います。「これまでも、変革が何百万人もの子どもたちの命を救ってきました。それは今もこれからも可能なのです」

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