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日本ユニセフ協会
 



東日本大震災復興支援 第197報
岩手:学童指導員ら専門家にCAP(子どもの暴力防止)研修

【2013年6月27日 東京発】

© 日本ユニセフ協会/2013
子どもたちが持っている「安心」「自信」「自由」の権利。研修会では、これらの権利を守るため、暴力に立ち向かう意識を高め、できることを考えます。

3年目に入った日本ユニセフ協会の東日本大震災支援。現在も継続している支援の柱の一つ「子どもの保護」の分野での活動として、昨年は、様々な形態の“子ども支援”に関わる方々を広く対象に、「家庭のリスクと子どもの保護:子ども支援者のためのシリーズ研修」などを実施しましたが、本年は、専門職向けの研修会を各所で開催しています。

子どもたちへの暴力の予防・防止を目的に、J-CAPTA(東日本CAPトレーニングセンター)と連携して進めてきた事業も3年目。CAP(子どもの暴力防止)ワークショップも、学童保育専門家や児童館指導員の方々を対象とした研修に移行。同専門家が参加される既存の研修会のプログラムの一つとして取り入れていただくなどの形を取りながら進めています。

© 日本ユニセフ協会/2013
「障がいのある子どもへのCAPプログラム」のためにJ-CAPTAが最近開発した『障がいのある子どもへのCAPプログラム』。大船渡と釜石の研修会では、通常のプログラムに加え、障がいのある子どもたちに関わる問題も取り上げられた。

5月28日に岩手県大船渡市で実施されたワークショップには、大船渡と陸前高田両市の指導員の方々が参加。社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの支援で実施されていた「学童指導員のための研修会」の一コマとして、CAPワークショップが実施されました。また、翌29日に釜石市で開催されたワークショップには、同市と大槌町の指導員の方々に加え、大槌町子どもセンターや大槌町役場の方々などが参加されました。この後も、31日には山田町で、また6月16日には陸前高田市でも実施。4日間の研修会で計88名の方々(学童指導員81名、他行政関係者など7名)が参加されました。

障がいのある子どもの守り方

今回、大船渡と釜石のワークショップでは、学校でのいじめ問題を学ぶロールプレイや、虐待やDVなどに関する基礎知識を学ぶ通常の内容に加え、J-CAPTAが最近開発した「障がいのある子どもへのCAPプログラム」を使い、J-CAPTAチーフディレクターの木村里美さんが、障がいのある子どもを暴力から守るために専門家ができることを解説。今年1月に山田町で実施した「CAPスペシャリスト養成講座」を受講し、新たにスペシャリストとなった方々が中心に立ち上げられた「CAPリアス準備会」の方々が、“ロールプレーヤー”としてワークショップをサポートされました。

障がいとは何か? 障がいのある子どもは何故暴力を受けやすいのか? 長年にわたって障がいのある子どもたちと関わってこられた木村さんは、障がいのある子どもたちとの接し方や障がいのある子どもを対象にしたCAPプログラムの紹介などを解説。具体的な事例を交えながらの約2時間講義では、参加された指導員の方々も時折深く頷かれ、講義の合間も、参加者同士でディスカッションを続けられるなど、熱心に参加されていました。

ひとりひとりの人権が大事

© 日本ユニセフ協会/2013
5月28日から6月16日に大船渡、釜石、山田各市町で開催された今回のワークショップには、計88名の専門家が参加した。

「具体的なことがわかって大変良かったです」「ひとりひとりの人権の尊重がとても大事だと感じました」「安心•自信•自由の言葉を大切に、今後も子どもたちと関わっていきたいです」「子どもたちの話を聴くことの重要性を改めて感じました」。既に多くの知識や経験を持たれていた専門家の方々も、今回のワークショップを通じて、また新たな知識や技術を身に付けられたようです。

「自分の子どもたちにも(CAPプログラム)を是非受けさせたいの。市内の小中学校でもぜひやっていただきたい」「指導員だけでなく、保護者や地域の方々にもぜひ知って頂きたい」

参加された指導員の方々からは、こうしたご意見やご要望も頂戴しました。

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