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2007年、芸術団体としては初めて「ユニセフ親善大使」に任命されたベルリン・フィルハーモニー・オーケストラ。東日本大震災発生直後にベルリンでいち早く支援コンサートを開催するなど、被災した子どもたちのために、力強い支援の手を差し伸べてきました。2011年に宮城県を訪問した木管五重奏団が再び来日し、9月21、22の両日、震災の津波と原発事故からの復興を目指す福島県相馬市をはじめて訪問し、チャリティ・コンサートを通して市民の皆さんに世界最高峰の音楽を届けました。また、困難を乗り越えようと力をあわせている子どもたちを音楽の力で応援すべく、小学校の再建記念式典、および子どもの育成と地域の再生にむけた活動を相馬市とともに展開する一般社団法人エル・システマジャパン主催の「相馬子どもオーケストラ」週末弦楽器教室にも参加し、子どもたちとの交流を深めました。 ◆将来はベルリン・フィルに入る福祉センターで開かれたチャリティ・コンサートには、市内の3つの中学校と2つの高校から、計120名の吹奏楽部の学生が無料招待されました。クラシックの楽曲に続き、アンコールに「荒城の月」が演奏されると、その美しい音色に会場中から深い感嘆の声があがりました。学生の他、聴衆として集まった約280名の市民の皆さんは、「とても音が澄みわたっていて心に響き、涙が溢れてきました」「勇気をもらいました」「海外の人の演奏を聴いたのは初めてだけど、それがベルリン・フィルなんて夢みたい」「相馬でプロ中のプロの演奏をきけるなんて、一生忘れないです。ありがとう」と、口々に感謝の言葉を語りました。 「きれいな音を出すにはどうしたらよいですか」とホルン奏者のマクウィリアム氏に質問したのは、相馬高校吹奏楽部でホルンを演奏する3年生の男子生徒。「自分のお気に入りの演奏家の好きな音を見つけてごらん。そして自分がその音を奏でている姿を想像してごらん。想像も演奏のうちだよ。そして演奏中は、周りの音をよく聞く事が大切だよ」とのアドバイスを受け、目を輝かせていました。 演奏後、サインを求める列に並ぶ吹奏楽部の学生たちからは、「素晴らしかった。やはり世界一だと思った」「クラリネットの音が軽やかで、一歩でも近づけるように練習しようと思った」と興奮。なかには「私も将来はベルリン・フィルに入る」という頼もしい生徒も現れました。 ◆子どもたちからエネルギーを
22日、震災で損壊した相馬市内の桜丘小学校の再建式典で開催されたミニコンサートでは、全校生徒495名とその保護者、総勢約800人がはるばるドイツから届けられた音楽のプレゼントを楽しみました。この式典は、震災で倒壊した体育館が、約2年半経って、ようやく再建されたことを記念する「こけらおとし」の催しです。あの日3月11日は、卒業式の準備で合唱部の子どもたちが音楽室で練習をしていたその目の前で、体育館は損壊したとのことです。同校は、津波の影響はなかったものの自宅を流失した沿岸部、または帰還困難区域から借上住宅などに避難中の児童も通っています。 同校生徒を代表して、6年生の布川さんがドイツ語を交えて演奏への感謝を述べました。「体育館いっぱいに響きわたる木管楽器の音色が美しくとても感動しました。震災で相馬市は多くの被害を受けました。今もなお、その傷跡は残っていますが、相馬市の人々は、元の美しい相馬をとり戻すために必死に頑張っています。今日のベルリン・フィルハーモニーの皆さんのすばらしい演奏は私たちやお父さん、お母さんにとって、とても励みになりました。今日は本当にありがとうございました。ダンケシェーン」 この後、支援への感謝の気持ちをこめて合唱曲「ほら、教室は宇宙だ」、「ふるさと」、「ずいずいずっころばし」の3曲と、全校生徒による「校歌」が披露されました。心の中で手と手をとりあって高らかに歌い上げる希望に満ちた歌声に、木管五重奏団のメンバーは「子どもたちからエネルギーを与えられた」と大きな拍手とエールを送りました。 子どもたちから寄せられた感想
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