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ハイチ地震緊急・復興支援募金 第2報
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© UNICEF/NYHQ2010-0131/LeMoyne |
深刻な震災の影響を受けたポルトープランスの瓦礫の中に立つ女の子。 |
現地時間12日夕方にカリブ海の島国ハイチで発生した大地震。建物に大きな被害を受けた震源から15キロの首都ポルトープランスのユニセフ現地事務所は、地震発生直後より、緊急支援活動の準備を進めています。
ユニセフは、今後、現地で活動する他の国連機関などと協力し、特に安全な飲料水や衛生環境の確保、基礎的な医療・保健支援の分野での活動をスタートさせます。
このために、ユニセフは、必要な支援物資と人員の確保を急いでいます。こうした災害の際に、最も弱い立場に置かれるのが子どもたちを守り、子どもたちが安心して避難生活を送ることが出来る空間を確保し、仮設教室などでの勉強を続けられるように、ユニセフは、ニューヨークの本部やデンマークなどの物資供給センター、周辺各国のユニセフ現地事務所から、応援の人員や追加の緊急支援物資を被災地に送る準備を進めています。
ハイチの子どもたちは、今回の震災発生前から非常に困難な状況に置かれていました。ハイチは、世界で最も貧しい国の一つで、国連開発計画の報告書では、179カ国中148番目に位置づけられています。長年にわたり、政情不安や自然災害にも悩まされてきました。定期的に収入が得られる仕事に就いているのは、国民の50人に一人に過ぎません。子どもたちは、家庭が貧しければ貧しいほど、保健や教育などの基本的な社会サービスの恩恵を受けられないという状況でした。数え切れないほどの子どもたちや女性たちが、栄養や水、教育、暴力などからの保護など、人として最低限必要なものさえ手に入れられない状況だったのです。
また、ハイチの人口密度は西半球で2番目に高く、子どもたちの10人中4人は、非常に小さな土や泥の床しかない家の中で、大人数の家族とともに生活しています。5人以上の家族が、たった一間で生活している家庭も少なくありません。18歳未満の子どもが、国民の46%を占めると推定されるハイチ。子どもたちは、この国のいたるところで困難に直面し、多くは、その困難を抱えたまま、大人になってしまっていたのです。
2008年にこの国を襲ったハリケーンの被害からようやく立ち直ろうとした時に、ハイチを襲った大地震。被害状況は、まだほんの一部しか明らかになっていませんが、その深刻さは容易に想像できるところです。
人口密度が非常に高く、「良い」時でも安全な飲料水や衛生環境の確保が容易ではない地域を襲った大地震。伝染病の発生が強く懸念されます。同様に、食糧や医療、飲料水などの支援物資の配布作業にも、大きな困難が予想されています。こうした状況であるからこそ、特に、最も弱い立場に置かれてしまう子どもたちへの支援が緊急に求められています。