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財団法人日本ユニセフ協会



ハイチ地震緊急・復興支援募金 第11報
二つの大きな障害の克服に全力をあげるユニセフ

【2010年1月20日 ニユーヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2010-0040
首都ポルトープランス近郊の町タバーの児童養護施設に、ユニセフによって提供された飲料水720リットルを運ぶスタッフ。余震を怖がっている子どもたちは、建物の外のテントで寝泊りしています。

20日未明、ハイチは大きな余震に見舞われ、1月12日に起きた地震の影響を受けた子どもとその家族は、さらなるストレスを受けています。支援活動は引き続き行われています。

地震発生から2週間目に入った被災地では、死傷者数が恐ろしいほどの数に上っていますが、それを超えるほどの深刻な被害状況も明らかになってきています。数万人のハイチの人々の生活が破壊されました。支援活動を遂行するためにも必要な社会インフラが機能していません。

ユニセフが現在直面している二つの大きな障害。それは、支援物資のハイチ国内への搬入と被災地への輸送を妨げている状況と、被災者全員に必要な支援を均等に提供するために、現地で活動している様々な人道支援団体の活動を調整することです。

飲料水の配布
© UNICEF/NYHQ2010-0047
ポルトープランスにある食糧配布センターの子どもたち。最も幼い子どもたちが、最も弱い立場にあるので、ユニセフは、2歳未満の子どもたちの栄養面の支援を行っています。

ユニセフは、他の人道支援団体と力を合わせ、物流面の障害を克服するために全力をあげています。被災者への安全な飲料水、食糧、衛生キット、その他の人々の命を守る支援物資の分配は、最も被害の激しかった場所の一つ、首都ポルトープランスで大きく改善されました。

「ポルトープランス全域を網羅して支援活動を行うために全力をあげています。」ユニセフの水と衛生分野の専門家ジュリアン・アチャデはこう話します。「児童養護施設、保健センターなどの施設に支援を届けることはユニセフの最優先事項です。そして、もちろん、大きな避難場所となっているところも重要です。すでに72箇所の飲料水の給水拠点を設置しました。」

最も幼い子どもたちが最も弱い立場に立たされています。ユニセフは2歳未満の子どもたちへの栄養面の支援も手配しています。栄養不良の子どもたちの治療用補助食も提供される予定です。

保護者のいない子どもたち
© UNICEF/NYHQ2010-0046
ポルトープランスにあるマーシー修道院が運営している食糧配布センターで。預けた子どもたちへの面会に通っていた多くの親が、震災後顔を見せていません。彼らの多くが、震災で命を失ったとみられています。

ユニセフはまた、家族を失った子どもや孤児、家族と離れ離れになった子どもたちへの支援にも力を入れています。5歳未満の全ての子どもたちを一時的に保護するための「安全な空間」と呼ばれるスペースを、今週末までに設置できるよう準備を進めています。既に数箇所の候補地が確認され、約1,000人の子どもたちが一時的に保護される予定です。

家族と離れ離れになった子どもたちの発見と登録作業も始まっています。子どもたちが、家族や親戚などに再会することは極めて重要です。こうした子どもたちを保護する既存の設備は、限界に達しています。

「子どもたちのための食糧、医療品、おむつ等の物資を手に入れることも困難です。」ポルトープランスにある児童養護施設のイーディス・サロメさんは話します。「ここはすこし窮屈です。震災前は大きな施設でしたから。でもその施設が崩壊して、今は小さな二つの部屋で生活しています。」

追加の支援物資

ユニセフは、空路と陸路を使い、支援物資の運送を続けています。今日、90トンの緊急支援物資が、隣国ドミニカ共和国の首都サント・ドミンゴに向けて、デンマークのビルン空港を出発しました。サント・ドミンゴに届いた支援物資は、新しくできた「人道回廊」と呼ばれる支援物資輸送用の道路を通ってハイチに運ばれます。

また、今日、緊急支援用仮設給水タンクと浄水剤5.5トンを乗せた貨物機が、英国からドミニカ共和国に向けて飛び立ちました。追加の支援物資を載せた貨物機も、今週中に出発が予定されています。