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ハイチ地震緊急・復興支援募金 第4報
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© UNICEF/NYHQ2010-0049 |
ポルトープランスの震災で崩壊した大聖堂の前で休む親子。 |
ハイチの350万人にものぼる被災者への国際社会による支援が本格化しはじめました。ユニセフをはじめ、国連や各国の人道支援機関の支援物資は被災地に到着し始めていますが、被災者のあまりにも大きなニーズに全く追いつけない状況です。
また、こうした支援団体自身も、事務所の倒壊や職員の死亡など、今回の地震で大きな被害を受けました。地震発生から2日。ユニセフは、今日はじめて現地で活動する全職員の安否を確認することができました。「ユニセフ職員全員の安全が確認できました」と語るのは、ユニセフ本部の緊急支援事業局ルイージョージ・アーセノウ局長。「しかし、事務所の床で寝泊りしなくてはならないなど、彼女たちも、今非常に厳しい状況に置かれています。彼女たちだけでユニセフの支援活動を展開するには限界があります。」
© UNICEF/NYHQ2010-0060 |
ポルトープランスの商業地区の店の前で。 |
犠牲者の数は日を追うごとに増えています。そして、もし今後、医療や食糧、水、衛生環境の確保、避難場所の確保などの支援が遅れれば、さらに死者の数が増えることが予想されます。
ユニセフは、ハイチでの支援活動のために、既に340万ドルの予算を支出。国連全体でも、緊急支援基金の中から1000万ドルの支出を決めていますが、今後さらに多くの資金が必要になることは明らかです。
本日、CNNインターナショナルが、ユニセフ親善大使の女優ミア・ファローさんの訴えを全世界に向けて放送しました。2008年にハリケーンの被害を受けたハイチを訪問したファロー大使は、この国の1000万人の人口の半数近くを占める子どもたちに、世界中の方々からのあたたかい支援が必要だと訴えてくださいました。
「こうした状況の中で、最も被害を受けるのが子どもたちです。この自然災害が、既に奪っていった数以上の小さな貴重な命を奪わないように。私たちには、それを止める力があるのですから」(ファロー大使)
支援物資の被災地への搬入は困難を極めています。道路は寸断され、停電が続き、通信も不通。各地で様々な社会インフラが崩壊しています。
現地時間13日夜、隣国ドミニカ共和国の首都サント・ドミンゴに、浄水剤やビニールシート、テント、汚染された飲料水で大量発生が懸念される下痢性疾患対策用の経口補水塩などのユニセフの支援物資を積んだ最初の貨物機が着陸し、現地時間14日、ハイチに陸送されました。
© UN Photo/Abassi |
多くの家屋が倒壊したポルトープランス。 |
また、現地時間14日午後には、パナマに設置されたユニセフの物資供給センターに備蓄されていた支援物資を積んだ貨物機が、ハイチの首都ポルトープランスの空港に到着する予定です。空港も相当な被害を受けていますが、こうした人道目的の航空機にのみ解放されています。
パナマからは、船での輸送も始まっています。ポルトープランスの港も大きな被害を受けましたが、ユニセフの支援物資を積んだ船は、現地時間14日、無事現地に到着しました。15日以降も、陸海空路を使って支援物資が続々と被災地に到着する予定です。
「UPSや英国航空などからも、支援の申し出を戴いています」 ユニセフ本部の物資調達・物流局のジャンーセドリック・メー緊急支援調整官は、こう語ります。「ヨーロッパからパナマや米国のマイアミまで飛んでいる貨物便の空きスペースを、ユニセフの支援物資の輸送に使ってくれとおっしゃっていただいています。」
現地時間14日にユニセフのニューヨーク本部で開催されていたユニセフ執行理事会の席上、ハイチの国連大使レオ・メロレ氏は、ハイチが今置かれている惨状と国際的な支援を訴えました。
「ユニセフは、首都ポルトープランスだけではなく、ハイチ各地で精力的に支援活動を展開してくれています。ポルトープランスのみならず、ハイチの他の都市も大きな被害を受けているのです。」「国連機関をはじめ世界の人道支援機関のみなさまが、これだけの規模で動いてくださっているので、ハイチの混乱状況は、近日中に終息されるものと信じています。」